
新テロ対策特別措置法が焦点となった臨時国会が15日に終わり、18日からは通常国会がスタートしました。この国会から参議院は本会議場の席替えが行われ、僕は議長席に向かって左端から、最前列中央の席に移動しました。ここは演説をする大臣や質問者の顔がよく見え、声もよく聞こえる“特等席”。ただし、与野党のヤジが後ろからまともに飛んでくる席でもありますが……。
席替えの理由は慣例で第1会派が中央から右側、第2会派が左側に座ることになっているから。先の参院選で民主党が第1党となったための移動で、与野党逆転を象徴する出来事と言えるでしょう。ちなみに国会内の議員控室も会派の議席数に応じて、広さや場所が配分されています。個人的には、どの席でもどの部屋でもかまわないと思うのですが、そういったことまでも各会派の力関係が現れるのが国会という場所です。
通常国会の焦点はまたもや“油”。今回は3月末で期限切れを迎える揮発油税(ガソリン税)の暫定税率を巡る“ガソリン国会”になりそうです。与党は暫定税率維持、野党は廃止を主張しています。どちらの意見がより国民の皆さんのためになるのか。僕は国会での議論をしっかり聞き、よく考えて態度表明をしたいと思います。
ただ、みなさんと話をしていると、やはり「ガソリン代を値下げしてほしい」という声が多いですね。先日、青森に行きましたが、原油高でガソリンのみならず、暖房に使う灯油も値上がりして生活が苦しいとの話を伺いました。地方に暮らす人たちにとって車は欠かせない足。暫定税率を廃止すれば1リットルあたり25円の値下げになります。40リットルで満タンと仮定すれば1回の給油で1000円も浮きますから、これは大きな値下げです。
一方、地方自治体のトップの方からは「財政が厳しい中、これ以上、税収が減ったらやっていけない」との訴えをいただきます。「必要な道路整備予算は確保してほしい」。その意見も間違ったものではありません。
議論をする上で明らかにしておかなくてはいけないのが、30年間、税率がアップしたままだったガソリン税が道路整備のために有効に使われてきたのかという点です。報道等でも明らかになっているように、都心の地下鉄や公務員官舎の建設費、レクレーション費など、少し首を傾げたくなるようなところに道路特定財源が使われていました。
実際に道路整備に使われた例をみても、本当に税金をムダなく使えていたのか、コスト削減できる部分はなかったのか、精査する必要があるでしょう。また現実には道路特定財源は余剰金が出ており、今年度は約1800億円が一般財源化されています。
政府は先日、暫定税率を撤廃すると、自動車の利用が増えるため二酸化炭素の排出量が増えるとのデータを公表しました。この発表には疑問が残ります。ガソリン代が値下がりしたからといって、果たして誰もが車を乗り回すことになるでしょうか。むしろ、不要な道路をつくることで森林伐採などの環境破壊につながっていないのか。そこも含めて明らかにすべきだと思います。
いずれにしてもみなさんの生活に直結する大事な問題です。単なる与野党の政争の具にならないよう、みなさんにわかりやすい形で議論することを一議員として求めていきます。
道路の話のみならず、いただいた税金をムダに遣っているのでは、と感じることはよくあります。現に省エネやウォームビズを率先すべき国会内でも、誰もいない場所に電気がこうこうと灯っていたり、必要以上に暖房がきいているのが実情です。国会を開催するにあたっては、1日あたり約3億円もの経費が使われています。何百円、何千円単位で節約して生活していらっしゃるみなさんのお金を、こんな形で使っていいのかなと感じざるを得ません。
先日、初当選時の資産が公開されましたが、僕は不動産や預貯金、有価証券もありません。唯一、持っていた車も秋に売却し、自動車ローンを返済しました。元Jリーガーといっても年俸は多いときで480万円。いつも妻から1日500円のお小遣いをもらっていました。
議員になってからは、歳費として月額約130万円、また文書通信交通滞在費として100万円が支払われます。JRも無料で乗れますし、愛媛に帰る飛行機も3往復分までは支給されます。議員宿舎も築38年の古い建物とはいえ、家賃は格安の3万円。東京と愛媛にある事務所の維持費や、みなさんにお配りする活動報告のチラシなどの費用がかかるとはいえ、かなり恵まれていることは間違いありません。

言うまでもなく、これらはすべて税金で賄われているものです。妻からもらったお小遣いの中でやりくりしていた自分を忘れないよう、コストはなるべく抑えるように心がけています。たとえば活動報告は外部に発注せず、事務所のスタッフで1から制作しました。活動費用は領収書を残し、1円単位からご説明できるように管理しています。また不要になった資料は裏紙として再利用しています。
(写真:手づくり感の漂う活動報告レポート) そういったコスト意識を持たない限り、みなさんから批判される税金のムダ遣いはなくならないでしょう。政治にはお金がかかると言われますが、決してそんなことはありません。まだまだ小さな声かもしれませんが、税金のムダ遣いにはレッドカードを突きつけていくつもりです。
友近聡朗(ともちか・としろう):参議院議員
1975年4月24日、愛媛県出身。南宇和高時代は全国高校サッカー選手権大会で2年時にベスト8入りを果たす。早稲田大学を卒業後、単身ドイツへ。SVGゲッティンゲンなどでプレーし、地域に密着したサッカークラブに感動する。帰国後は愛媛FCの中心選手として活躍し、06年にはJ2昇格を達成した。この年限りで現役を引退。愛称はズーパー(独語でsuperの意)。07年夏の参院選愛媛選挙区に出馬し、初当選を果たした。
>>友近としろう公式HP
当HP編集長・二宮清純の携帯サイト「二宮清純.com」では友近議員の現役時代から随時、コラムを配信していました。こちらはサッカーの話題を中心に自らの思いを熱く綴ったスポーツコラムになっています。友近聡朗「Road to the Future」。あわせてお楽しみください。
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