11月15日、参議院文教科学委員会。議員としての“初質問”の機会をいただきました。10月末には、国民生活・経済に関する調査会で質問をさせていただきましたが、持ち時間は10分のみ。今回は40分間の中で、ロスタイムまで本格的に議論を行うことができました。
 各委員会では法案審議を行うだけでなく、一般質問の時間が設けられています。ここでは各委員がさまざまな問題について自由に質問することが可能です。質問の内容と趣旨はあらかじめ通告しますが、何をどこまで相手に知らせるかが1つのポイントになります。

 というのも、全く中身を明かさずに質問すると「それは手元に資料がありませんので、すぐにお答えできません」と、答弁を引き出すことができません。かといって、質問をすべて教えてしまえば、相手も準備万端で臨みますから無難な質疑応答に終始してしまいます。つまり、核心部分の質問は当日まで隠しつつ、踏み込んだ答弁になるよう、ある程度、手の内はみせておく。そんな駆け引きが質問前に行われているのです。

 初質問のテーマはサッカー。僕の専門分野に関する問題を渡海紀三朗文部科学大臣らにぶつけることにしました。1つめはtoto(スポーツ振興くじ)です。ご存知の通り、導入初年度(01年度)に642億円を売り上げて以降、年々、販売額は減少しています。昨年度は132億円。収益をスポーツ振興の財源として満足に使えない状況に陥っています。

 最高6億円が当たるBIGを導入し、今年度は438億円(11月10日現在)と大幅に売り上げは回復しています。ただ、繰越欠損金は、まだ解消されておらず、楽観視はできません。BIGのおかげで、totoに対して興味をもち、実際に購入する方は増えました。しかし、BIGはコンピュータがランダムに指定する方式のため、本来の勝敗を予想する知的ゲームという要素が薄れつつあります。

 スポーツ振興くじである以上、中身はそのおもしろさ、楽しさを深めてくれるものにすべきです。でなければ、くじの売り上げ回復は一時的なブームで終わってしまう可能性があります。

 たとえば、くじの対象をJリーグの試合のみならず、W杯といった国際試合やプレミアリーグなどの海外の試合に広げることを検討してはどうでしょうか。あくまでも個人的な意見ですが、範囲を拡大することで、また新たな層の掘り起こしができるかもしれません。

 大臣にも要望しましたが、今年度はせっかく収益が出たのですから、各団体への助成はしっかり行うことを求めます。赤字の穴埋めだけに使うことは避けてほしいものです。家のローンがあるのに自動車が買えるか、という意見もあるようですが、本来の目的はスポーツ振興なのですから、うまくバランスをとるべきでしょう。totoについては今後も注目し、また質問していきたいと考えています。

 もう1つはドーピング問題です。あるJ1クラブに所属する選手がチームドクターから静脈注射を受け、処分を受けたニュースは記憶に新しいところです。しかし、この処分はJリーグの内部で違反認定を行い、裁定したものであるため、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)から手続き上の不備を指摘されています。つまり、検察官が裁判官も務めているようなものだというわけです。

 加えて、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は今回のケースはWADAの規約違反に当たらないとの見解を出しています。ところがJリーグ側は強硬姿勢を崩しません。チームドクターが処分の取り消しを訴えて日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に仲裁の申し立てを行いましたが、リーグ側は同意しませんでした。

 文科省はアンチ・ドーピング活動に積極的に乗り出す方針を示し、「国内外のドーピング防止活動について積極的に支援を行うため、ドーピング防止活動推進支援事業をJADAに委託して実施しています」(文科省HPより)とうたっています。そのJADAの見解とJリーグの裁定が異なっているわけですから、今回の騒動は単に選手がシロかクロかという問題にとどまらず、日本のドーピング防止活動のあり方に影を落としかねません。

 この点を質したところ、樋口修資スポーツ・青年局長より、「Jリーグからも事情を聞いて、適切に対応できるよう助言したい」との答弁がありました。早速、21日には日本サッカー協会の田嶋幸三専務理事、Jリーグ・羽生英之事務局長が事情説明を行い、「なるべく早い解決の道を探ってほしい」という要請を出されています。

 Jリーグではフェアプレー宣言を行い、「ルールを尊重しフェアなプレーをすること」を求めています。JSAAへの申し立てはルール違反でも何でもありません。納得がいかない相手がいれば話し合いで解決する。これこそがフェアプレーでしょう。

 今回の質問と、その後の文科省の対応はスポーツ紙などで取り上げられ、みなさんから多数のご意見をいただいています。初質問で緊張はしましたが、ひとつの問題提起ができ、満足度は高いものとなりました。今後もスポーツ政策を中心に、僕だからこそできる質問をどんどんぶつけていきます。政治をもっと身近なものにできるよう、みなさんの意見をよく聞きながら、次の質問機会を待ちたいと思います。


友近聡朗(ともちか・としろう):参議院議員
 1975年4月24日、愛媛県出身。南宇和高時代は全国高校サッカー選手権大会で2年時にベスト8入りを果たす。早稲田大学を卒業後、単身ドイツへ。SVGゲッティンゲンなどでプレーし、地域に密着したサッカークラブに感動する。帰国後は愛媛FCの中心選手として活躍し、06年にはJ2昇格を達成した。この年限りで現役を引退。愛称はズーパー(独語でsuperの意)。今夏の参院選愛媛選挙区に出馬し、初当選を果たした。
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 当HP編集長・二宮清純の携帯サイト「二宮清純.com」では友近議員の現役時代から随時、コラムを配信していました。こちらはサッカーの話題を中心に自らの思いを熱く綴ったスポーツコラムになっています。友近聡朗「Road to the Future」。あわせてお楽しみください。
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