プロ野球が2リーグに分立して以降、日本一を3回以上達成した監督は川上哲治(11回)、森祇晶(6回)、水原茂(5回)、三原脩(4回)、広岡達朗、野村克也、上田利治、原辰徳(3回)と8人いる。


 ポジション別で見ると内野手が5人、捕手が3人だ。内野のポジションが4つあるのに対し、捕手がひとつだということを考えると「キャッチャーは最も監督向きのポジション」(野村克也)と言えるのかもしれない。

 続けて野村はこのように語った。
「キャッチャーは9人のうち、ひとりだけ味方の方を向いていたり、ひとりだけファールグラウンドに座らされていたりと考えてみれば不思議なポジションなんですよ。逆に言えば、いろんな角度から野球を見ることができる。
 その意味で、一番監督に近いポジションは間違いなくキャッチャーなんです。キャッチャーは守りにおける監督とも言える」

 東北楽天の次期監督にデーブこと大久保博元2軍監督の昇格が決定した。彼もキャッチャーの出身者である。
 星野仙一というレジェンドの後だけに大変だろう。

 デーブによると大役を引き受けるべきか否か、星野に相談したところ「オマエのことをずっと後ろから後押しする。いつでも電話してこい!」と背中を押されたという。お墨付きが得られたわけだ。

 では、どんなチームをつくるのか?
 デーブは語る。「星野監督の野球を引き継いで、バッテリー中心に守る。常勝軍団になるにはスランプのある打撃ではなく、スランプのない守備・走塁をしっかりしていく野球をやっていきたい」

 デーブというとバッティングのイメージが強いが、西武、巨人と11年間に渡ってマスクを被った。通算安打はわずか158本だが、これは西武時代、伊東勤(現千葉ロッテ監督)という不動のキャッチャーがいて、出番に恵まれなかったため。やっと日の目を浴びたのは巨人に移籍してからだった。

 指導者として評価を上げたのは埼玉西武の打撃コーチ時代だ。
 発展途上の中村剛也に「左足の前で打て。今よりも2メートル前でボールを叩け」とアドバイスし、それが開花につながったのである。

 理論家で、弁は立つが短気な一面も併せ持つ。監督業は我慢の連続である。しかも最下位のチームだ。デーブが“激ヤセ”なんてことにならなければいいが……。

<この原稿は2014年11月14日号『週刊漫画ゴラク』に掲載されたものです>


◎バックナンバーはこちらから