開幕からの成績は1勝3敗。現状はまだまだ手探りといったところです。特に先発ピッチャーで計算できるのが小林憲幸のみ。開幕戦で小林が福岡ソフトバンク3軍で先発した大隣憲司と投げ合い、サヨナラ勝ちしたのは最高のスタートでしたが、その後は先発が早々に崩れた試合もあり、3連敗。5月の連休にかけて連戦が増えますから、早く先発ローテーションを整えなくてはなりません。
 開幕前、小林に続く2番手の先発として期待していたのは2年目の橋本隼でした。彼は170センチと小柄ながら、キレのあるいいボールを投げます。オープン戦でも好調で、結果を残してくれると思っていました。

 ところが……。初登板のソフトバンク3軍戦(7日)は4回6失点。続く高知戦(12日)は2回も持たず、7失点。オープン戦とは別人のような内容です。公式戦になって力が入り過ぎているのでしょうが、このチャンスを逃しているようでは上は目指せません。3度目の正直で、次こそは結果を出してほしいと願っています。

 現状、3番手の先発も不確定で、場合によってはベテランの河原純一に任せるかもしれません。ただ、僕のプランでは、それは最終手段。可能なら、若手が先発の座をつかんでほしいと望んでいます。

 12日の高知戦で3イニングを0点に抑えた新人の高原和弘(秩父高−順天堂大)も候補に入ってくるでしょう。いい真っすぐとフォークを持ち、コントロールもまずまず。長いイニングを投げるスタミナは未知数ですが、どこかで先発をテストすることになるかもしれません。抑えは新外国人で力のあるミッチェル・ウィルハイトがいるだけに、5回2失点くらいで試合がつくれるピッチャーを4月のうちに整備したいと考えています。

 野手も4月の戦いの中で徐々にオーダーを固定していくのが理想です。現状、開幕から4試合、1番・高田泰輔、3番・藤長賢司、4番のザック・コルビーは変えずに起用してきました。昨季の首位打者・藤長がバットコントロールがうまく、開幕から好調ですから、余計に1番・高田の役割は重要になります。

 開幕戦、高田は大隣からタイムリーを放ち、いい働きをみせました。しかし、12日の高知戦では4三振。守備でも、初回に頭上を抜かれ(記録はヒット)、先制点を与えてしまいました。良い時は攻守に集中できるのに、悪い時は能力を発揮できない。彼を初めて見た時、僕は「素質はNPBの選手と遜色ない」と感じていましたから、なぜ今までドラフト指名されなかったのかは、このあたりに原因があるのでしょう。

 当然、ムラがある選手はNPBでもレギュラーを獲れず、活躍できません。打てなくても守備や走塁で貢献するといった切り替えをいかに行い、目の前のプレーに集中するか。これがもうワンランク上を狙うための課題となります。

 高田が活躍できるかどうかはチームにとっても、本人にとっても今後の行方を左右することになるでしょう。現時点で彼の代わりにリードオフマンを務められる選手はいません。その自覚を持って、名実ともにチームの中心選手となってほしいものです。

 新人の野手では広陵高時代に高校日本代表に選ばれた実績を持つ櫟浦大亮(広陵高−関西学院大−ワイテック)がNPBを狙える素材です。走攻守3拍子揃っており、技術は確かなものがあります。まだ打率は1割台と調子が出ていませんが、スカウトにアピールする上でも3割5分くらいは打ってほしいものです。その力は十分に持っていると感じています。

 理想とする「守りの安定した堅実な野球」を実践する上で、センターランの選手は第一に守備力を重視しています。ショートは坂口賢治(柳川高−岡山商科大−シティライト岡山)、セカンドは四ツ谷良輔と固定しているのはそのためです。特に四ツ谷は守備はもちろん、バッティングも良くなってきました。今年は3年目で実戦に出ることで磨かれてきたのでしょう。若い選手にとって試合経験が成長につながることを改めて実感させてくれます。

 扇の要であるキャッチャーはオリックスから横山徹也を連れてきましたが、メインは宏誓で考えています。宏誓は強肩で、リードもいい。バッティングも悪くありませんから、NPBのスカウトにも注目してもらえる素材だとみています。彼が正捕手としてレベルアップし、横山の助けを借りなくても良くなればドラフト指名も近づいてくるのではないでしょうか。

 アイランドリーグでの指導は監督、コーチの人数も少なく、想像以上に大変です。ただ、それは他球団も条件は一緒。プロである以上、結果がすべてですから、シーズンが始まれば、選手を育てながら、チームの勝利に全力を尽くしたいと思っています。引き続き、応援よろしくお願いします。


弓岡敬二郎(ゆみおか・けいじろう)プロフィール>:愛媛マンダリンパイレーツ監督
 1958年6月28日、兵庫県出身。東洋大姫路高、新日鐵広畑を経て、81年にドラフト3位で阪急(現オリックス)に入団。1年目からショートのレギュラーとなり、全試合出場を果たすと、84年には初の打率3割を記録してリーグ優勝に貢献。ベストナインとダイヤモンドグラブ賞を獲得する。87年にもゴールデングラブ賞に輝き、91年限りで引退。その後もオリックス一筋で内野守備走塁コーチ、2軍監督、2軍チーフコーチ、スカウトなどを歴任。13年をもって33年間在籍したチームを退団し、愛媛の監督に就任した。現役時代の通算成績は1152試合、807安打、打率.257、37本塁打、273打点、132盗塁、240犠打。

(このコーナーでは四国アイランドリーグplus各球団の監督・コーチが順番にチームの現状、期待の選手などを紹介します)


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