
当HP編集長の二宮清純がインタビュアーを務めるBS朝日の番組「勝負の瞬間(とき)」で6月28日に放送された東北楽天・野村克也監督編が、好評につき再放送が決まりました。19日(日)、13:00より放送です。この番組では毎回、各スポーツの一流たちをお招きし、トップを極めたテクニックと、その思考法に迫ります。今までのスポーツ番組とは一味違ったインタビュードキュメントです。
番組内ではこんなインタビューが展開されています。
二宮: 野村監督は選手たちに「プレーの根拠」を要求していますよね。根拠が理解できるものであれば、失敗しても仕方がないと。そもそも監督が根拠探しを追究し始めたルーツは、どこにあるのでしょうか。
野村: これは27年もの長い間、キャッチャーをやってきたために、知らず知らずのうちにそういう考えがしみついたんだと思います。だから今のキャッチャー、嶋(基宏)にしても藤井(彰人)にしても大変ですよ。僕がキャッチャー出身ですから。「一球一球に根拠を持て」。これが私の口癖なんです。「こうこうこうだからストレート、こうこうこうだから変化球。お前、一球一球全部説明できるか?」と、どうしても彼らをいじめてしまう。
二宮: でも、そうやって一球、一球を考えさせれば、もし悪い結果が出ても次につながります。
野村: 実は彼らに悪い事を教えたのを後悔しているんです。「困ったら原点へいけ」と。「考えても何のサインを出したらいいか分からない時は原点にいけ」
二宮: つまり、アウトローのサインを出せと?
野村: そう、アウトコース低め。ところが、彼らは原点ばっかり要求する。お前、全部困っているのかと……。
二宮: 監督の意図としては、考えても考えても答えが分からなかった場合の原点だと言いたいわけですね。ところが、彼らはそのレベルに行く前に原点にいってしまう……。
野村: キャッチャーの仕事っていっぱいあるんですよ。最初に試合前の分析という仕事がある。プレイボールがかかったら、右目でボールを受けながら、左目でバッターの反応を見る。その上でバッターの考えていることを全て見抜いてやるというくらいの観察力と洞察力がいる。一球一球、この繰り返しですから、大変な作業なんですよ、キャッチャーというのは。だから守りにおける監督の分身と言われるんですよ。
二宮: 監督の頭脳には、これまでの豊富なデータが蓄積されています。70歳を過ぎて、 更に監督の考える野球は進化しているんじゃないでしょうか。
野村: もちろんデータは大事ですけど、それにとらわれていたら野球はできません。データはあくまでも参考です。何より大切なのは、「自分は野球のプロである」という自覚。野球とは、バッティングとは、守備とは、勝負とはなんぞや。選手たちはプロである以上、それぞれが独自の思想、哲学を持っていなければいけないと思うんです。
二宮: 監督のボヤキもそういった理想があるからこそ出てくる。99がうまくいっても、残りの1つがうまくいかないとプロとして納得いかないんですよね。
野村: そうなんですよ。常に理想を持ってやっていますから。プレイボールがかかった時にキャッチャーは常に頭の中では完全試合を描いています。それで、ピッチャーがファアボールを出せば、次はノーヒットノーランに目標を切り替える。コーンとヒットを打たれたら、次は完封。僕の場合はキャッチャーとして、そうやって高い目標設定をしながらプレーする習慣がついていましたけど。長い野球人生の間に、結果が出てから「あの一球だったなー、もう1回やらしてくれ」と反省することがしょっちゅうありました。だからこそ一球を大事にしなきゃいけない。野球は最終的には一球の勝負なんですよ。
>>この続きは番組をお楽しみ下さい。 
番組では野村監督が自らの野球観や人生哲学をまとめたノート『野村の考え』を大公開。打撃論、捕手論、配球論から雑学まで、ノートをひもときながらインタビューは大いに盛り上がります。「配球を考える上で一番重要なことは、打者に何かひとつ以上過剰に意識させる配球、マーク度と球種を考えるべきである」「いいリードは、打者観察と打者分析と試合状況の把握と見抜く力、洞察力、推理力、それに記憶力、判断力にかかっている」……。二宮が配球論のさわりを披露すると、「これをキャッチャーが見たら、キャッチャーをやるのが嫌になりますよ」と野村監督が苦笑いする一幕も。この他にも、ノートにつづられた珠玉の言葉の数々をご紹介します。
この『勝負の瞬間』は月1回ペースで2010年3月まで全12回シリーズでお届けしています。7月は4大会連続のサッカーW杯出場に貢献した日本代表のセンターバック、中澤佑二選手をゲストにお迎えします。こちらは19日(日)22:00〜の放送です。ぜひ合わせてお楽しみください!
↓番組HPは下のバナーをクリック!↓
