12日、プロ野球では交流戦が開幕する。過去5年間は千葉ロッテ(2連覇)、北海道日本ハム、福岡ソフトバンク(2連覇)といずれもパ・リーグが優勝している。6年目を迎えた今年の交流戦は、果たしてどのチームが制するのか。6月13日まで約1カ月にわたり、24試合ずつ144試合が行われる。
 現在、首位を走っているのがセ・リーグは巨人、パ・リーグは埼玉西武だ。今年の交流戦は開幕カードでいきなりこの2チームが激突する。
 開幕前、優勝候補の筆頭にあげられた巨人は、その予想を裏切ることなく、リーグ3連覇に向けて白星を重ねている。一度は阪神に首位を奪われたものの、わずか一日で奪還。ここまでは快走といっていいだろう。

 その要因として挙げられるのが、やはり坂本勇人、松本哲也の1、2番コンビだ。特に「2番・センター」を不動のものにしつつあった松本の活躍は目覚ましかった。打席に立てば4割台の打率、出塁率を誇り、塁に出れば、果敢に次の塁を狙う攻めの姿勢を見せた。さらに守備では俊足をいかした守備範囲の広さで何度もピンチを救い、勝利に大きく貢献。まさに走攻守三拍子揃った選手に成長した。

 しかし、4月25日の走塁の際に左太もも裏を痛めて戦線離脱。最短10日間での1軍再登録も見送られ、現在は2軍でリハビリ中だ。交流戦中盤での1軍再昇格が期待されているが、まずはイースタンで実戦復帰し、回復具合を見てからのことになる(11日にイースタンでの出場が予定されていたが、雨天中止となった)。

 松本の故障後、奮起したのがルーキー長野久義だ。27日の中日戦からセンターを守り、重要なポジションを無難にこなしている。そして、特筆すべきは打撃だ。デビューから快音を響かせていた長野だったが、4月中旬以降は徐々に下降線を辿り、松本が故障した25日の広島戦では前日に続いての無安打に終わっていた。ところが、松本が抜けた初戦となった27日の中日戦では4打数2安打2打点をマーク。その後も好調を維持し、松本不在のチームに大きく貢献した。初めての交流戦ではパ・リーグの投手陣とは初顔合わせも多いが、デビュー後の活躍を見れば、それも不安材料にはならないはず。松本に劣らない思いっきりのいいバッティングに注目したい。

 一方、パ・リーグは1位から3位までが1ゲーム差と、西武、千葉ロッテ、福岡ソフトバンクの上位3チームによる激しい首位争いが展開されている。その中でトップで交流戦を迎えたのが西武だ。昨季は日本一から4位に転落した西武。敗因の一つは最後までリリーフ陣が安定しなかったことがあげられる。今季も守護神グラマンの復帰の目処が立たず、新加入の工藤公康もキャンプ途中で左ヒジに炎症を起こし、ファームでの調整を余儀なくされた。そのため、当初は投手陣の不安定さが拭えず、Bクラスと予想する評論家も少なくなかった。

 しかし、フタを開けてみれば、ロッテから加入したシコースキーが予想以上の働きぶりを見せている。11日現在、12球団トップの13セーブをマーク。新守護神としてチームに大きく貢献している。先発陣も涌井秀章(4勝2敗)、岸孝之(5勝3敗)、帆足和幸(5勝2敗)と三本柱を確立。さらに昨季途中に阪神から移籍してきた藤田太陽が防御率1.68とセットアッパーとして十分な働きぶりだ。チーム防御率3.62はロッテ(3.95)、ソフトバンク(4.13)を凌ぎ、堂々のリーグトップ。投手陣の安定感が西武躍進の原動力となっていることは言を俟たない。交流戦でもこの投手力を発揮できるかどうかが勝敗のカギを握る。

 現在、巨人、西武ともに2位とは僅差で楽観視できる状態ではない。この交流戦でいかに白星を増やし、独走態勢を築くことができるか。それだけに開幕カードを連勝で飾り、勢いづけたい。両チームの交流戦での通算対戦成績は13勝10敗1分で巨人に軍配が上がっている。しかし、開幕戦で先発が有力視されている岸は過去巨人戦3連勝と無類の強さを誇っている。その岸に巨人打線は一矢報いたいところだ。果たして首位同士の対決はどんな結末を迎えるのか。

 そのほか、福岡ソフトバンクvs.城島健司(阪神)、岡田彰布率いるオリックスvs.阪神、マーティー・ブラウン率いる東北楽天vs.広島など古巣対決にも注目だ。6年目を迎えた交流戦。今季もプロ野球ファンを魅了する熱戦が数多く繰り広げられることを期待したい。