22日、南アフリカワールドカップグループリーグB最終節がダーバンで行われ、ナイジェリア(FIFAランキング21位)と韓国(同47位)が対戦した。序盤は韓国がカウンターからチャンスを作るが得点を奪えない。先制点が入ったのは前半12分。MFカル・ウチェ(アルメリア)がシュートを決めてナイジェリアがリードを奪う。対する韓国は38分にセットプレーからDFイ・ジョンス(鹿島)が決め同点に追いつくと、後半開始直後にFWパク・チュヨン(ASモナコ)がフリーキックを直接決め逆転に成功する。しかし、24分に韓国がPA内で反則を犯し、これで得たPKをFWヤクブ・アイエグベニ(エバートン)がしっかりと決め同点に追いつかれる。引き分けでもグループリーグ突破となる韓国は残り時間を守りきりこのまま2対2で終了。勝ち点1を分け合い韓国はグループ2位で2大会ぶりのベスト16入りを果たした。

 セットプレーから2得点あげグループ2位通過決める(ダーバン)
ナイジェリア 2−2 韓国
【得点】
[ナ] カル・ウチェ(12分)、ヤクブ・アイエグベニ(69分)
[韓] イ・ジョンス(38分)、パク・チュヨン(49分)

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 グループBの最終節は4カ国に決勝トーナメント進出の可能性が残る熾烈な争いとなった。とはいえ試合前の時点でアルゼンチンが勝ち点6で頭1つ抜けているだけに、この試合を戦うナイジェリアと韓国は事実上2位を争う対決となった。

 立ち上がりからチャンスを作ったのは韓国だった。前半2分、パク・チュヨンのスルーパスに反応したMFイ・チョンヨン(ボルトン)がスライディングしながら合わせる。8分には高い位置でボールを奪ったMFキ・ソンヨン(セルティック)がミドルシュートを狙う。ともに枠は外れたが韓国が縦に速い攻撃で相手ゴールに迫った。

 しかし先制点が生まれたのはナイジェリアだった。12分、DFシディ・オディア(CSKAモスクワ)が右サイドを突破しグラウンダーのセンタリングを入れる。走り込んだウチェが右足で合わせゴールネットを揺らしナイジェリアがリードを奪った。

 勢いに乗るナイジェリアは23分、ヤクブのパスを受けたMFチネドゥ・オバシ(ホッフェンハイム)がミドルシュートを放つ。30分にはオバシがPA内でボールを受け反転し相手DFをかわしてシュートを打つ。どちらもゴールにならなかったが得点を奪った後はナイジェリアのペースで試合は進んだ。

 しかし追加点を奪えない苛立ちから、ナイジェリアに自陣でのファウルが目立つようになる。31分のフリーキックはGKビンセント・エニェアマ(ハポエル・テルアビブ)に好セーブで防ぐが、次第に韓国に流れが渡っていく。

 すると38分、左サイドで得たフリーキックをキ・ソンヨンがクロスを放り込むとファーサイドで待っていたのはイ・ジョンス。鋭く曲がったボールは合わせにいった頭には当たらなかったがイ・ジョンスの右足に当たってゴールに吸い込まれる。幸運な形で韓国に同点弾が入り、前半を1対1で折り返す。同時刻に行われているアルゼンチン対ギリシャの戦いはスコアレスで前半を終えた。このまま同点でも韓国の決勝トーナメント進出は決まるが、それをより確実なものにするため後半はMFパク・チソン(マンチェスター・ユナイテッド)ら攻撃陣を中心に攻勢を仕掛ける。

 すると韓国の得点がまたしてもセットプレーから生まれる。4分、ゴール正面やや左の位置でフリーキックを得ると蹴るのはパク・チュヨン。フランスで活躍するストライカーから右足で放たれた低くて速いシュートはゴール右隅に突き刺さり、韓国が逆転に成功する。

 このまま逃げ切りたい韓国は19分にMFヨム・ギフン(水原三星)に代えて守備的な中盤のキム・ナミル(トムスク)を入れて守備を固めにいく。しかし守勢に回ったこの交代が裏目に出てナイジェリアの反撃にあう。

 21分にナイジェリアに決定的なチャンスが訪れる。左サイドでMFアイラ・ユスフ(ディナモ・キエフ)がセンタリングを入れると、ゴール正面でヤクブがフリーでシュートを打つ。しかしヤクブはゴールに流し込むだけの簡単なボールを枠に入れられない。

 決定的なピンチを免れた韓国だったがその2分後、PA内でボールの処理にもたついたキム・ナミルがボールを奪おうとしたオバシを後ろから倒してPKを与えてしまう。これをヤクブが右足インサイドで丁寧にゴール左に決めて2対2に追いつかれる。

 その後は勝たなくてはグループリーグ敗退が決定してしまうナイジェリアが猛攻撃を仕掛ける。35分、途中出場のオバフェミ・マルティンス(ボルフスブルグ)がGKの1対1となりシュートを打つ。終了間際には途中から入ったビクター・オビンナ(マラガ)が強烈なミドルシュートを放つ。どちらのピンチもゴールの枠を外れ得点にはならない。

 終盤は防戦一方の韓国があわや逆転というところまで追いつめられたものの、相手の決定力不足にも助けられそのまま2対2で試合を終わらせ勝ち点1を獲得した。

 韓国はこれで勝ち点4となりグループ2位を守り、02日韓大会以来2度目の決勝トーナメント進出を果たした。アウェイ開催の大会で初めて16強入りを達成した価値は大きく、同じアジアの代表として24日にデンマーク戦を控える日本にも勇気を与える結果となった。次戦はA組1位のウルグアイと対決する。ここまで無失点を誇る守備の堅い相手にゴールをこじ開けられるかが勝敗のカギとなる。

 一方のナイジェリアは何度も迎えた決定機を生かせず引き分けに終わり、3大会ぶりのベスト16入りはならかった。今大会は初のアフリカ大陸開催でアフリカ勢の活躍が期待されたがカメルーン、南アフリカに続き、ナイジェリアも予選敗退となった。

(杉浦泰介)


【ナイジェリア】
GK
エニェアマ
DF
ヨボ
→エチエジレ(46分)
シットゥ
オディア
アフォラビ
MF
ユスフ
エトゥフ
オバシ
ウチェ
FW
カヌ
→マルティンス(57分)
ヤクブ
→オビンナ(70分)

【韓国】
GK
チョン・ソンリョン
DF
イ・ジョンス
チョ・ヨンヒョン
チャ・ドゥリ
イ・ヨンピョ
MF
キム・ジョンウ
キ・ソンヨン
→キム・ジェソン(87分)
イ・チョンヨン
パク・チソン
ヨム・ギフン
→キム・ナミル(64分)
FW
パク・チュヨン
→キム・ドンジン(90+3分)