24日、南アフリカワールドカップグループリーグE最終節がケープタウンで行われ、カメルーン(FIFAランキング19位)とオランダ(同4位)が対戦した。序盤からオランダが攻勢を仕掛け試合を支配すると、先制点が生まれたのは36分。FWロビン・ファン・ペルシー(アーセナル)がシュートを決め、オランダがリードして前半を終える。後半に入りカメルーンが反撃を開始すると20分、PA内でのハンドで得たPKをFWサミュエル・エトー(インテル・ミラノ)が冷静にゴールネットを揺らし、カメルーンが同点に追いつく。対するオランダは83分、交代で出場したクラース・ヤン・フンテラール(ACミラン)がこぼれ球を押し込み勝ち越しに成功。そのまま2対1のスコアで逃げ切り、勝ち点3を獲得し、E組首位でグループリーグを突破した。
カメルーン、3戦全敗で終戦(ケープタウン)
カメルーン 1−2 オランダ【得点】
[カ] サミュエル・エトー(65分)
[オ] ロビン・ファン・ペルシー(36分)、クラース・ヤン・フンテラール(83分)
全64試合詳細レポートと豪華執筆陣によるコラムはこちら 序盤から試合を支配したのは、既にグループリーグ突破を決め勢いに乗るオランダだった。司令塔のMFウェズレイ・スナイデル(インテル・ミラノ)、ワントップのファン・ペルシーを中心とした攻撃でカメルーン陣内に何度も攻め入った。19分、左サイドバックのジオバンニ・ファン・ブロンクホルスト(フェイエノールト)がDFラインの背後へロングボールを入れると、ファン・ペルシーが胸トラップから右足でシュートを打つ。これはGKにキャッチされるが、ラインコントロールの甘いカメルーン守備陣に脅威を与えた。
すると得点が生まれたのは36分。右サイドでボールを持ったファン・ペルシーがMFラファエル・ファン・デルファールト(レアル・マドリッド)とのワンツーからPA内で抜け出すと、右足を振り抜く。ファン・ペルシーがGKの股下を通す技ありのシュートを決め、オランダに待望の先制点が入る。試合をコントロールしたオランダが1点をリードしたまま前半を折り返す。
後半に入ってもオランダの勢いは変わらない。6分、MFマルク・ファン・ボメル(バイエルン・ミュンヘン)がスルーパスを出すと、ボールを受けたファン・ペルシーがドリブルで抜け出し、ゴール右にシュートを放つがGKにセーブされる。惜しくも得点にはならなかったが、アーセナルで活躍するレフティが何度も相手ゴールを脅かし続けた。
しかし14分、活躍の目立つファン・ペルシーがフンテラールと交代する。これはファン・ペルシーの疲労やサスペンションを恐れ、この先の戦いを見据えての交代だった。
この気持ちの余裕がカメルーンに反撃の隙を与える。エトーの個人技などで徐々にペースを掴み始めると、17分にMFジャン・マクーン(リヨン)がスルーパスに抜け出しシュートを放つ。ここはGKに阻まれるが、カメルーンの攻撃は段々と勢いを増す。
試合が動いたのは20分、ゴール正面でフリーキックを得ると、蹴るのはDFジェレミ(アンカラギュジュ)。直接狙ったジェレミのシュートはPA内にいたファン・デルファールトの手に当たって跳ね返る。主審はペナルティスポットを指差し判定はPKとなる。これをエトーが短い助走から右足で、落ち着いてゴール左隅に突き刺し、カメルーンが試合を振り出しに戻す。
追いつかれたオランダは28分に怪我で2戦休んでいたアリエン・ロッベン(バイエルン・ミュンヘン)が途中出場する。世界トップクラスのサイドアタッカーの登場にオランダが再び息を吹き返す。
38分にそのロッベンが魅せる。スナイデルの縦パスに反応すると、ドリブルで持ち込みミドルシュートを放つ。ロッベンの強烈なシュートがポストを叩くと、中に詰めていたフンテラールが落ち着いて流し込み、ゴールネットを揺らす。再びリードを奪ったオランダが、その後はカメルーン攻撃陣を寄せ付けず、2対1のスコアで勝利を収めた。
勝ったオランダはE組を3戦全勝とW杯初制覇に向け、絶好のスタートを切った。ワントップのファン・ペルシーに大会初得点が生まれ、この先での活躍に期待が膨らんだ。またこれまで怪我で欠場していたロッベンが得点に絡むなど随所にいい働きを見せ、次のスロバキアとの決勝トーナメント1回戦に向けても明るい材料となった。
グループリーグ敗退が決定していたカメルーンは最終戦を勝利し意地を見せたかったが、PKで一旦同点に追い付くのが精一杯だった。守護神のイドリス・カメニ(エスパニョール)、司令塔のアレクサンドレ・ソング(アーセナル)の起用法など、采配には少なからず疑問が残った。それらがポール・ル・グエン監督との確執によるものならば、大会前からのピッチ外でのゴタゴタを含め、試合以前の問題を解消出来なかったことが最大の敗因だ。欧州で活躍するタレントを擁しながら、未熟な組織力を露呈した形となり、勝ち点を1つも奪えぬまま南アフリカを後にすることとなった。
(杉浦泰介)
【カメルーン】GK
ハミドゥ
DF
ヌクル
→R・ソング(73分)
エムビア
ジェレミ
アス=エコト
MF
シェジュ
マクーン
エングエモ
ボング
→アブバカル(56分)
FW
エトー
チョウポ=モティング
→イドリス(72分)
【オランダ】GK
ステケレンブルク
DF
ハイティンハ
マタイセン
ファン・ブロンクホルスト
ブーラルーズ
MF
ファン・ボメル
デ・ヨング
ファン・デルファールト
→ロッベン(73分)
カイト
→エリア(66分)
スナイデル
FW
ファン・ペルシー
→フンテラール(59分)