今年9月、いよいよ2020年オリンピック・パラリンピックの開催都市が決定する。16年招致に敗れ、リベンジを狙う東京は、果たしてどのような戦略を練っているのか。そこで今回は、二宮清純が招致活動の先導役を担う東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会評議会の小倉和夫事務総長、NPO法人STAND伊藤数子代表取締役と鼎談を行なった。東京開催実現に向け、東京および日本が抱える課題とは――。
伊藤: 2020年オリンピック・パラリンピックの招致活動も佳境に入ってきています。現段階での手応えはいかがでしょうか。

小倉: 招致活動を通して感じているのは、もっとパラリンピックの存在価値を高める必要があるということです。昨年行なわれたロンドンパラリンピックでは、これまで以上にメディアが取り上げ、国内でも日本人選手の活躍が広く知れ渡りました。しかし、メダル獲得数を見ると、2004年のアテネでは52個(金17、銀15、銅20)、08年の北京が27個(金5、銀14、銅8)、そしてロンドンは16個(金5、銀5、銅6)と減少傾向にあります。

二宮: クラスが統合され、種目が減っているとはいえ、大幅に減少していますね。

小倉: そうなんです。もちろんメダルだけが全てではありませんが、やはり日本の身体障害者スポーツに対する力の入れ方に問題があることを示しているのではないかと思います。

二宮: メダル数の減少には資金面や施設面など、いくつかの問題点が挙げられますが、どこに一番の問題があると思われますか?

小倉: 私が最もショックを受けているのは、日本が世界から後れを取っていることに対して問題意識をもっている日本人が非常に少ないということです。そのことが、メダルが減少しているという結果以上に問題だと思いますね。

 関心度に表れる諸外国との意識の違い

伊藤: 日本人がパラリンピックに対して、関心が薄い原因はどこにあるのでしょう?

小倉: さまざまな理由があると思いますが、あえて申し上げるなら、日本では障害者スポーツはリハビリや障害者の社会参加のツールの一環としてのみ捉えられてきたことでしょう。ところが、世界では競技スポーツとして発展し、そのスピードは加速しています。その流れに日本がついていけずにいるということが、パラリンピックへの関心の薄さに表れているのです。つまり、障害者スポーツへの意識の違いが根本的な原因にあると思います。

二宮: 実際に障害者スポーツに対する日本と諸外国との意識の違いを感じたことは?

小倉: 今回のロンドンパラリンピックには、家族ぐるみで観戦に来ている地元の人たちを大勢見ました。ところが、日本の大会に行くと、選手の家族やサポートする関係者以外、ほとんど観客はいません。もちろん、パラリンピックと国内大会を比べることはできませんが、それにしてももう少し日本の大会にも一般の観客が足を運ぶようになってもらいたいなと思いますね。

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