2012年、ロンドンパラリンピックに出場した高桑早生選手。本格的に陸上競技をはじめて5年で、100メートル、200メートルの2種目で入賞を果たした。昨年の7月には100メートルで13秒69をマークし、日本記録を更新。同年10月、日本選手団の旗手をつとめたインチョンアジアパラ競技大会では100メートルで銅メダルを獲得した。パラ陸上界期待の若きスプリンターに、1年後に迫ったリオデジャネイロパランピック、その先の東京パラリンピックへの思いを訊いた。
二宮: 高桑選手は、3年前のロンドンパラリンピックで3種目(100メートル、200メートル、走り幅跳び)に出場し、100メートルと200メートルでは、いずれも7位入賞を果たしました。4年に1度の大舞台を経験したことによって、次のリオデジャネイロパラリンピックに“出たい”という思いが増しましたか?

高桑: そうですね。ロンドンは、ビギナーズラックというか、たまたま運が良くて、出られたという印象が強いんです。ロンドンが終わった直後によく言っていたのですが、次のリオに関しては、リベンジのつもりでいます。しっかり4年間かけて、準備していく気持ちでやってきました。それがもう1年後かと思うと、感慨深いですね(笑)。

伊藤: 2種目で入賞を果たしていても、リベンジということは、悔しさの方が大きい?

高桑: そうですね。充実感はすごくあったんですが、終わってみると、“もうちょっといけたんじゃないかな”という思いもありました。リオに出場できるのであれば、“今度こそは”という気持ちが強いです。

二宮: ロンドンは、高桑選手自身初めてのパラリンピックでした。そこで得たものとか、初めて味わったことはなんでしょう?

高桑: まず日本を代表してパラリンピックに行かせてもらう責任を感じることができました。それと陸上競技は幸運な競技で、なんとメイン会場を使えるんです(笑)。8万人も入るスタジアムで、走ることができました。あれだけのお客さんの前で走るという経験は初めてです。純粋にパラリンピックを楽しみに来てくださっているのが、スタートラインに立っていてもわかる。これはとても貴重な経験で、“もう一度、ここに立ちたい”という気持ちになりましたね。

二宮: 8万人の会場で走るなんて、普通の人はなかなか経験できることじゃありませんからね。

高桑: そうですね。歓声とは、こういうことを言うんだなと感じました。

伊藤: 走っている時に歓声は聞こえましたか?

高桑: 私はどちらかというと走っている時は集中していて、周りの声が聞こえないタイプなんです。なのでコールルームからトラックに出てきた時と、フィニッシュラインを越えた瞬間ですね。そこでの大きな歓声は、今でも覚えています。

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