(写真:「メダル獲得」を目標に掲げた森保監督<中央>と万全のサポートを約束した西野技術委員長<左>と田嶋会長<右>)

 東京五輪2020のサッカー男子日本代表の指揮官に就任した森保一氏が30日、都内で会見を行った。

 

 森保監督は会見冒頭の挨拶で、こう抱負を語った。

「東京五輪で監督をやるということは結果が求められる。重責ですが、我々を応援してくださる方々のために全身全霊で五輪に臨みます。(アンダーカテゴリーは)たくさんの指導者の皆様が育ててきた選手たちばかりです。私のもとでさらに経験を積ませて、指導者の方々の努力が花咲くようにしたい。結果を求めながら成長の一助になれるような仕事がしたい」

 

 森保監督は現役時代、サンフレッチェ広島、京都パープルサンガ(現・京都サンガ)、ベガルタ仙台でプレー。2003年に現役引退後、広島の育成コーチやアンダーカテゴリーの日本代表コーチなどで経験を積んだ。07年から09年は広島、10年から11年はアルビレックス新潟のトップチームに就任後、12年から広島で監督を務めた。広島で指揮を執った約5年半でチームを3度のJリーグ王者に導いた手腕と、育成年代のコーチ経験が評価されての五輪監督就任である。

 

 自国開催の2020年の五輪。「目標はメダル」と力強く口にした森保監督。目標達成となれば、メキシコ大会以来、52年ぶりのメダル獲得となる。

 

 会見にはアトランタ五輪で日本代表監督を務めた西野朗技術委員長も同席した。当時、FWロナウド、DFロベルト・カルロスらがいたブラジル代表を撃破し、“マイアミの奇跡”を演出した西野は、「当時とは環境が違いますが」と前置きし、森保監督にアドバイスを送った。

 

「サッカー協会にも日本オリンピック委員会にも“勝つためには、こうしたいんだ”といろんなことを要求しました。要望を出し過ぎたとは思いませんが、“あの監督、おかしいんじゃないのか”と散々言われました。ですが、奇人、変人と思われるようなことが、成功に結び付いたりしますから(笑)。森保監督には、要求をストレートにあげて欲しい。あとはいろいろなプレッシャーもあるが、惑わされることなく自分のスタイルをブレさずにやってもらえれば」

 

 東京五輪に臨む選手たちは現在のU-20世代が中心になる。若き侍を森保監督はどう育て上げるのか。2年半後を楽しみに待ちたい。

 

(文/写真・大木雄貴)