1999年6月1日のサイト開設から10年、サイト上ではさまざなアスリート、首脳陣、スポーツ関係者の取材記事やコラムを掲載してきました。また、多くのスポンサー企業の方々にご支援をいただきました。今回、そんな皆様にサイト10周年へのメッセージをお願いしたところ、たくさんの方からご協力をいただきました。お寄せいただいたメッセージを随時、公開してまいります。今回は第3弾です。
(写真:現在、名人、棋聖と2つのタイトル戦を戦う羽生名人と)
 株式会社フィナンシャル代表取締役社長 CEO 木村剛

二宮清純氏とニッポン・スタンダード
 二宮清純氏と出会ったのは、私が『日本資本主義の哲学――ニッポン・スタンダード』(PHP)という本を上梓した2002年だった。

 資本の論理むき出しの米国資本主義ではなく、経営者のエゴ丸出しの旧い日本資本主義でもない、新しいニッポン・スタンダードを構築していくべきではないか、という問題意識を提起した内容を書いたのだが、麻生政権においても、5月28日に安心社会実現会議が「企業とステークホルダー(消費者、労組、NPO、地域社会)との間で信頼形成とルール創造を基礎とした節度とモラルのある日本型自由市場経済を構築する」という提言を出しているので、7年遅れて、ようやく同書の問題意識に時代が追いついてきた。

 当時、有難いことに、同書を出版する際にお世話になった編集者から、「折角だから、ニッポン・スタンダードについて語り合う勉強会でもしませんか?」というお誘いを受けて、数名で集まったうちのひとりが二宮清純氏だった。

『日本資本主義の哲学』を読んでいただければわかるのだが、私は、米国資本主義が好きではない。少なくとも、日本社会や日本人の気質には合わないと思っている。私自身、米国資本100%の下で血を吐くような苦労をしてきたから、もう2度と米国資本の下では働きたくない。

 ところが、マスコミというのは調べもせずに、「米国資本主義の信奉者」とか「外資の手先」などと勝手に私にレッテルを貼って、世の中に触れ回るものだから、いつの間にか、排斥すべき米国資本主義の象徴のような扱いを受けるようになった。それで、ちょうどその頃、散々バッシングされるという憂き目にも遭っていた。

 縁というのは不思議なもので、二宮清純氏と会って、ほんの少し言葉を交わしただけで長年連れ添った友人のように意気投合し、爾来、機会を見つけては呑み、話題に出会っては話す間柄となった。忘れられないのは、初対面のときに言い放った二宮氏の一言。

「僕は、木村さんは良い人だと直感しましたね。あれだけマスコミにバッシングされるのは、良い人だという証拠ですよ」と言うのだ。突然の論理展開にキョトンとした私は、その理由を二宮氏に問い質した。

「僕は、野茂英雄をメジャーリーグに送り出すサポートをしたとき、裏切り者と罵られて、ものすごいバッシングに受けました。毎日のようにさまざまなメディアに叩かれていました。そしたら、最近、木村さんが叩かれているじゃないですか。それで、親近感持っちゃって」

 1995年当時、二宮清純氏は、野茂をメジャーに売り飛ばした非国民として叩かれた。日本の野球を世界のベースボールに近づけるための正論だったにもかかわらず、聞く耳を持たない愚劣で低俗なマスコミに殴られ続けた。

 もしも、あのとき、野茂をメジャーに送り出していなかったら、イチローも、松井も、松坂も、彼らの才能をあそこまで開花することはできなかったに違いない。あのとき、二宮清純氏がバッシングを受けながらも正論を唱え続けたからこそ、その流れの中で、メジャーリーグにおける日本人選手たちの活躍がある、WBCにおける2連覇がある――のだと私は思う。

 日本という国において、正論を唱えれば必ず角が立つ。そうなると、既得権益の庇護の中でバッシングするしか能のないわが国のマスコミと戦わなければならない。だから、多くの人たちは、長いものに巻かれて沈黙を決め込む。

 しかし、二宮清純氏は違う。
 歯に衣着せぬ正論で、今後もわが国のスポーツ発展のために、変革を唱え続けるだろう。日本社会を変え、日本経済を改革し、日本人の大和魂が世界に通用するようになるまで戦いを止めないだろう。日本人の武士道を世界が賞賛し、ニッポン・スタンダードがグローバル・スタンダードとして採用されるまで、前のめりで歩んでいくのだろう。

 ニッポン・スタンダードは、世界に通用する基準でなければならない。鎖国して日本だけで通用する論理と排他的な哲学では、ニッポン・スタンダード足りえない。現在の日本を牛耳っている頑迷固陋な権力者に任せておいては、日本は取り残されてしまうだろう。
 世界が主力舞台となっているスポーツ界では、その傾向が著しい。

 だから、二宮氏は戦わざるを得ない。
 絶対権力者たちに対しても、正論を突きつけていくしかない。
 そういう二宮氏の姿を見るたびに、「私も頑張らないといけない」と励まされる。圧力に負けてはならないと力が湧いてくる。旧態依然とした金融界で、これまで私がなんとかやってこれたのは、ひとえに二宮氏のおかげである。改めて感謝したい。
(写真:2006年に刊行された木村氏との共著『フォワードなき日本格差社会』)

 さて、このたび、その二宮清純氏のサイト「SPORTS COMMUNICATIONS」が開設10周年を迎えることになったという。
 おめでとうございます。
 これは良い区切りなので、二宮氏としても大飛躍のための転身を図ってはいかがだろう。

 ということで、私は、新設される「スポーツ庁」の初代長官として二宮氏を推したい。是非、辣腕を振るっていただいて、わが国スポーツ界が世界に誇ることのできる「ニッポン・スタンダード」を確立していただきたいと心から願っている。
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 ダイキ株式会社 会長 大亀孝裕

 開設10周年、おめでとうございます。
 同郷の二宮様が、インタネットスポーツマガジンを主宰されるということで、当初から、「DAIKI倶楽部」を掲載していただいています。

 この10年の間には、シドニー、アテネ、北京とオリンピック3大会が開催され、当社から佐伯美香(ビーチバレー)、武田大作(ボート)ら5選手を送り出すことができました。シドニーを再現した「ビーチバレーフェスタ」(2001年)では、二宮様にコーディネーターとしてご出演いただき、懐かしい思い出となっています。

 今春の佐伯選手引退に伴い、当社はビーチバレーから一線を退きましたが、ボートの武田選手は、ロンドンに向けて現在、海外強化合宿に入っています。ダイキ弓道部も、国体総合優勝を目指し、日々健闘中です。

 これまで、当社スポーツの歩みに対し、側面から暖かくサポートしていただき、誠に有り難く感謝いたしております。これからも引き続きご指導ご助言をよろしくお願い申し上げます。

 スポーツコミュニケーションズには、さらに20年、30年と、スポーツ界のオピニオンリーダーとして活躍されることを祈念いたしております。
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 将棋棋士 名人・棋聖・王座・王将 羽生善治

 スポーツサイト開設10周年、誠におめでとうございます。二宮さんはスポーツのジャンルだけにとどまらない稀有な才能を持った人だと思っています。今後も“マルチプレーヤー”としての活躍を期待しています。
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 参議院議員 友近聡朗

 二宮清純スポーツサイト開設10周年おめでとうございます!!
 清純さんの活躍は同郷のスポーツ仲間として、いつも大変嬉しく拝見させて頂いております。

 こちらのサイトでもJリーガー時代からお世話になり、今の「国会ピッチレポート」も大変好評を頂いております。

 日本のスポーツを「解説」されて10周年!! これからもスポーツの素晴らしさを情熱を込めて伝えてください。
 清純さん、事務所スタッフのみなさまの益々のご活躍を楽しみにしています!

 まずは、「スポーツ庁」の設立へ向けて私も尽力致します。
 スポーツでもっと豊かな国へ……。
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 野球解説者 元近鉄 佐野慈紀

「SPORTS COMMUNICATIONS」開設10周年おめでとうございます。
 二宮さんとは同郷でもあり、かれこれ10年以上のお付き合いになると思います。また、サイトへの参加も評論家としてデビューしたての時にお声を掛けて頂き、本当に感謝しています。

 今後もたくさんの「スポーツを愛する人々」の熱いコミュニティーになるよう心から願いますと共に微力ながらお手伝いさせて頂きたいと思います。
 
 末尾ですが、サポートして頂いているスタッフの皆様へも感謝の気持ちで一杯です。いつも本当にありがとうございます。

〇現在、NHK BS MLB中継、YTV「ズームインSUPER」(関西ローカル)に出演中!
〇総合学院テクノスカレッジ、東京工学院専門学院、東京エアトラベル・ホテル専門学校において特別講師としても活躍中!
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 野球解説者 元巨人 橋本清

 二宮先生!! この度は、二宮清純スポーツサイト開設10周年おめでとうございます。
 
 私もプロ野球選手を引退してプロ野球解説、また執筆業をしていますが、いつも先生のコラム、書籍などを読ませて頂きながら、「さすが先生! うーん、なるほど」と勉強になることばかりです。執筆業での私の目標は二宮清純であります。すいません、呼び捨てでm(__)m

 これまで何度も 仕事をご一緒させて頂きましたが、一番の思い出は、牛丼を食べながらの対談をした事ですね(笑)。あの時は、初対談だっただけに緊張していました。

 また 空腹状態だったので牛丼を1杯食べ終わり、先生より「おかわりどうですか?」と言って頂きました。「大丈夫です! お腹一杯です」と答えましたが、実はおかわりしたかったんです(笑)。
 さすがに 初対談でしたから言えませんでした。次回は遠慮なく言わせて頂きます!!

 先生、これからも色々と御世話になると思いますが、よろしくお願い致します。
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 ギリシャ・イオニコス 福田健二

 この度はスポーツコミュニケーションズ開設10周年おめでとうございます。

 同じ愛媛県出身ということで1度、愛媛料理をご馳走になり、故郷のはなしで盛り上がりました。
 そしてさまざまな観点から世間をみている二宮さんからたくさんのことを学ばせてもらいました。

 二宮さんを筆頭にたくさんの人にもっと愛媛県をしってもらえる働きかけができればと、自分も思っています。

 これからの更なるご飛躍をお祈りしております。
 お体には十分お気をつけ下さい。
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 四国・九州アイランドリーグCEO 鍵山誠

 インターネットマガジン「SPORTS COMMUNICATIONS」開設10周年おめでとうございます。いつも楽しく拝読させて頂いております。

 四国・九州アイランドリーグ情報をどのメディアよりも早く、時には公式ホームページ以上の速さ(笑)にて情報発信して頂いていることを心よりお礼申し上げます。インターネット発信メディアとしてのこのスピード感は日本のスポーツ情報提供の形を変えつつあるのではないでしょうか。

 個人的にも毎日楽しみにしております。カープへの愛情を深く感じさせる個性的なコンテンツの数々も楽しく拝読させて頂いております。また、我々独立リーグ情報を扱うメディアのオーソリティとも感じております。

 このようなこれまで日本になかった形の個性的なメディアを10年間も前から始められた先見性、そして10年間育ててきた継続性など、素晴らしい功績だと思います。

 アイランドリーグが見習うべき、良きお手本として、これからもどうか素晴らしい進化を遂げていって下さい。
 10周年本当におめでとうございます。今後の益々のご発展を祈念しております。
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 BCリーグ代表 村山哲二

「SPORTS COMMUNICATIONS」開設10周年、まことにおめでとうございます。
 私達が暮らす小さな地方で開催している、小さなプロ野球にまでスポットを当ててくれていただいていること、また日本のプロ野球における独立リーグの存在価値を幅広い知識と柔軟な発想で、日々高めていただいていることに関して、改めて御礼申し上げます。

 未曾有の不況下の中で、プロアマ問わずスポーツチームは厳しい運営を強いられていますが、不況だからこそスポーツが、人々に夢や勇気や感動を与えられると信じています。  
 私は広告代理店時代にJ1アルビレックス新潟の広告作業を通じて、スポーツが地域を劇的に活性化させる力を持っていることを知りました。その力を野球で実現させるべくこの事業を続けています。
 小さなプロ野球だけど、私たちのリーグに携わっている人々はすべて、必ずこの事業を地域に定着させる強い覚悟を持って運営しています。

 二宮さん、私たちの生き様を感じに、是非またスタジアムにお越しください。淡麗辛口の日本酒と、とびっきりのコシヒカリを用意してお待ちしております。
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 ノンフィクションライター 田崎健太

「SPORTS COMMUNICATIONS」10周年おめでとうございます。
 フリーランスになる前、僕は小学館という出版社で働いており、二宮清純さんの担当をしたことがありました。その関係で、対談「この人と飲みたい」に呼ばれ、「SPORTS COMMUNICATIONS」で原稿を書かせてもらうようになりました。

 現在連載中の「国境なきフットボール」を始めとするサッカーの記事はもちろんですが、ハンドボールの記事も掲載してもらいました。北京五輪予選の直後、「中東の笛」のことをきちんと報じたのは、「SPORTS COMMUNICATIONS」の僕の記事(>>こちら)であったという自負があります。

 その機会を提供してくださった、二宮さんとスタッフの方々に感謝です。今後も、宜しくお願いします。
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(第4弾につづく)
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※順不同、敬称略