アウェーでのオマーン戦。日本は前半開始早々に先制点を許したが、その後MF遠藤保仁(G大阪)のPKでなんとか勝ち点1をものにした。「ゲームは支配していた。チャンスはできていた」という試合後の指揮官の言葉通り、ポゼッションを意識したサッカーを展開したが最後までオマーンの守備を崩すことはできなかった。
 14日に激突するタイは、2月にW杯アジア3次予選初戦で4−1と快勝した相手だ。今度こそアウェーで勝ち点3をモノにしたい。だが不安要素は少なくない。オマーン戦でFW大久保嘉人(神戸)が接触時に相手GKを蹴ってしまい、一発レッドで退場。14日の試合には出場できない。
 また、7日のオマーン戦でMF中村俊輔(セルティック)が右足首痛を再発、11日の練習中にはMF松井大輔(サンテティエンヌ)が負傷してしまった。岡田武史監督は前線の選手を改めて組みなおす必要性を迫られそうだ。

 予想フォーメーションは中村俊が強行出場するならば、キリンカップから継続している4−5−1の布陣。出場停止の大久保の代わりにはMF山瀬功治(横浜FM)がトップ下に入ることになるだろう。1トップは巻誠一郎(千葉)か。中村俊が間に合わないとすれば、ホームのタイ戦と同じ4−4−2になり、巻と玉田圭司の2トップになる可能性もある。

 2月のホームゲームで分かったように、タイには上背のあるDFが少ない。この試合で日本はDF中澤佑二(横浜FM)、巻がそろってセットプレーから得点を挙げた。今回のアウェーゲームでもこの戦い方にかわりはないだろう。サイドで中村俊、MF松井大輔(サンテティエンヌ)が起点をつくり、巻の高さを活かしたい。

 タイとの通算成績は13勝2敗4分。圧倒的に勝ち越しているように見えるものの、アウェーゲームに限ると1勝1敗2分。日本は66年以来、敵地バンコクで勝利を収めていない。日本では引いて守る戦術を取ってきたタイだが、今度は中盤から激しいプレスをかけてくることが予想される。先週のオマーン同様、ホームで戦ったタイと同じ意識で臨むとしたら、痛いしっぺ返しをくらうことになるかもしれない。

 日本が勝利し、3位・オマーンが引き分け以下の場合、もしくは日本が引き分けてオマーンが敗れた場合、3次予選突破が決定する。本当の勝負は秋から始まる最終予選。ここでもたついているようでは先が思いやられる。勝ち点1では足りない。勝ち点3という“結果”が求められる。