1日、日本サッカー協会(JFA)は第88回天皇杯全日本サッカー選手権大会の記者会見を行なった。9月13、14の両日に1回戦が行なわれ、47都道府県の代表と大学シードチームの48チームが対戦する。3回戦以降、順次登場するJクラブとともに、2009年元日に東京・国立競技場で開催される決勝を目指して、熱い戦いが繰り広げられる。
(写真:桜の花をあしらった公式球と天皇杯、左から佐々木JFA理事、犬飼JFA会長、岡野スルガ銀行株式会社代表取締役兼CEO)
 今回で88回目を向かえる伝統の大会、天皇杯が開幕する。“元日決戦”まで計81試合のノックアウト方式で争われる、国内唯一のプロ・アマチュアが同じ舞台で戦うサッカーのオープントーナメントだ。過去にはアマチュアチームがJクラブを苦しめるシーンが数多く見られ、大会を盛り上げてきた。03年には市立船橋高校が、Jリーグチャンピオンの横浜F・マリノスを相手に2−2の同点で90分間を戦い抜き、PK戦にまで持ち込まれたことは記憶に新しい。市立船橋は惜しくも勝利を逃したが、この大会の面白さとサッカーの難しさを凝縮したような試合だった。

 会見の席上、犬飼基昭JFA会長もオープントーナメント方式の醍醐味に触れ「この大会だけがプロもアマチュアも一緒、サッカーの一発勝負ではなにが起こるかわからない。アマチュアのチームにもプロを倒すという気概を持って戦ってもらいたい」とアマチュアチームの活躍に期待を寄せた。また、優勝チームにはアジアチャンピオンズリーグへの出場権が与えられることについて「約6000のクラブがアジアや世界を目指すことができる。第86回大会を優勝した浦和レッズがACLで優勝し、FIFAクラブワールドカップで3位に入った。この大会から世界を目指してもらえればと思う」と大会の意義を口にした。

 また、前回大会を制した鹿島アントラーズのオズワルド・オリベイラ監督がメッセージを寄せ、「天皇杯はホームアンドアウェーでの戦いでなく、1試合で決まってしまうトーナメント方式で、非常に難しい大会だ。私たちにとって、JリーグとACLと並んで重要な大会だと思っている。2連覇は大きな目標であり、達成すればチームにとって大きな誇りとなるだろう。然るべきときがきたらこの大会だけに集中していきたい」と意気込みを述べた。
(写真:約6000チームの頂点に立ったクラブが手にする天皇杯)

 天皇杯には3回戦(10月12日)からはJ2の15チームとJFLのシードチームが、4回戦(11月2、3日)からはJ1の18チームが登場する。全国各地で行なわれるトーナメントを最終的に勝ち抜いた2チームが、大会参加クラブ5948チームの頂点を懸け、2009年1月1日(祝)に国立競技場で決勝戦を行なう。