17日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第1戦が行われ、ホームでアデレード・ユナイテッド(豪州)と対戦した鹿島アントラーズは、1−1で引き分けた。浦和レッズはアウェーでアルカディシア(クウェート)に2−3で敗れ、同じくアウェーで戦ったガンバ大阪はアルカラマ(シリア)に2−1で逆転勝ちした。
 鹿島、ホームで手痛いドロー(カシマ)
鹿島アントラーズ 1−1 アデレード・ユナイテッド
【得点】
[鹿島]オウンゴール(44分)
[アデレード] トラヴィス・ドッド(38分)

 ホームで勝ちが欲しかった鹿島は、相手に先制を許す厳しい試合展開となった。前半38分、右サイドから突破を許し、FWトラヴィス・ドッドにヘディングシュートを決められ、与えたくなかったアウェーゴールを献上してしまう。

 逆に鹿島が追いついたのは、前半のロスタイムだった。右サイドからDF内田篤人の鋭いクロスボールがゴール前に上がると、アデレードDFがクリアにいったボールはそのままゴールに吸い込まれ、オウンゴールで同点になった。

 後半も鹿島は攻撃の形を作るものの、ゴールを挙げることができずこのまま1−1で終了した。

 試合後、オズワルド・オリベイラ監督は「もう少しチャンスを多く作れていればという気持ちはある。2点目が入るかどうかの問題だった」と、1得点にとどまった攻撃陣へ注文をつけた。ホームで勝ちを収められなかった鹿島が準決勝へ進出するためには、敵地での第2戦で勝つか、2点以上での引き分けが必要になった。

 浦和敗れるも、貴重なアウェーゴール2発(クウェート)
アルカディシア 3−2 浦和レッズ
【得点】
[アルカディシア]アルブラヒム(18分)、ベンアシュール(57分)、アルムタイリ(84分)
[浦和]エジミウソン(33分、89分)

 昨季のアジア王者の浦和は1次リーグを免除されており、今日のアウェー戦が今年度のACL初戦となった。

 前半18分にセットプレーから先制点を許した浦和が反撃したのは前半33分だった。鋭いカウンター攻撃で右サイドに開いたFW永井雄一郎から低いクロスボールが上がり、そのボールにゴール前で合わせたのはFWエジミウソン。綺麗なカウンターから同点ゴールを奪った。

 後半に入ると、浦和はFKとPKで立て続けに2点を奪われてしまう。PKを与えた際にDF堀之内聖がこの日2回目の警告を受け、一人少なくなった上2点差を追いかける展開となった。

 しかし、試合終了間際のロスタイムに右サイドへ上がってきたDF田中マルクス闘莉王がPA内で粘りこみ、エジミウソンにボールを繋げゴールを挙げる。アウェーでの2点目は、チームを絶体絶命のピンチからチームを救う大きなアウェーゴールとなった。

 浦和のPKを除く2失点は共にセットプレーから奪われたものだった。来週の埼玉での試合までに対策を立て、これ以上の失点を許さないサッカーをしなければならない。しかしながら、2−3というスコアで終わったことは今後の結果に大きく影響しそうだ。浦和はホームでの試合で、2点差で勝利するか、1点差の勝利でも1失点以内あれば準決勝に進出する。

 G大阪、鮮やかな逆転勝ちで先勝(ホムス)
アルカラマ 1−2 ガンバ大阪
【得点】
[アルカラマ]アブドルダイム(7分)
[G大阪]山口智(70分)、山崎雅人(77分)

 日本から9000キロ離れたシリアの地で第1戦を迎えたガンバは前半7分に、セットプレーでゴール前の混戦から失点を喫してしまう。ガンバはJリーグでも苦しい戦いが続いており、今のチーム状況を示すような勿体ない1点だった。

 しかしその後は集中し徐々にガンバが試合の主導権を握る。シュートの精度を欠きなかなかゴールは奪えないが、相手陣深くまで攻め込む場面が多く見られた。前半は無得点のまま、0−1で終了し試合を折り返す。

 後半に入ると、ガンバはさらに攻撃的な布陣を敷いて、相手ゴールに迫っていく。後半22分には山崎雅人と播戸竜二の2人のFWを同時に投入し、さらに厚い攻撃を展開していく。

 そして待望の同点ゴールが生まれたのは、後半25分だった。播戸の粘りから得た右コーナーキックをDF山口智がニアサイドでヘディングし、見事ゴールネットを揺らす。

 さらに7分後、途中出場の山崎が中央から突破し、GKと1対1となる。山崎は冷静にGKの動きを見て、しっかりとボールを相手ゴールへ流し込み、2−1と試合をひっくり返した。その後もガンバペースで試合は進み、2−1のまま終了の笛が鳴った。

「あくまで1戦目が終わっただけ」と西野朗監督は冷静に語った。しかし、遠い中東の地で見事勝利を収めたガンバには、準決勝に向けての道が大きく開けた。来週の万博での試合をしっかりとものにし、べスト4へ勝ち残ってもらいたい。

 準々決勝第2戦は24日(水)に各地で行われる。