1日、サッカーU-22日本代表は4ヶ国大会(中国・瀋陽)の初戦でU-22北朝鮮代表を2−1で破って、白星スタートを切った。前半に2点のリードを奪うと、後半にPKで1点を返されたが逃げ切った。3日にはU-22中国代表と対戦する。

◇8月1日、中国・瀋陽
U-22日本代表 2−1 U-22北朝鮮代表
【得点】
[日] 河本裕之(22分)、梅崎司(29分)
[北] リ・チョルミン(68分)
 U-20世代が本格的に合流して初のゲームを白星で飾った。

 日本の布陣は4−4−2。U-20世代からFW森島、MF梅崎、DF安田の3名が先発に名を連ねた。北京五輪2次予選で6試合5ゴールのFW平山はベンチからスタートした。

 序盤は、北朝鮮が主導権を握った。日本はフィニッシュにこそ持ち込まれないが、再三左サイドを崩される。6分には左からクロスを放り込まれ、安田が体を寄せて、辛くも難を逃れた。

 押され気味の日本だったが、21分、先制点を奪う。梅崎の左CK。ニアサイドに走りこんだ森島が後ろへそらし、最後はDF河本が右足で流し込んでネットを揺らした。この1点で日本は勢いづく。29分には、梅崎が左サイドから谷口とのワンツーでPA左に侵入し、GKの右脇を破るシュートを決めて、2点差とした。

 しかし、2−0となってからは、再び耐え忍ぶ展開が続いた。前半の終盤、波状攻撃を受けるが、体を張った守備で得点は許さず。2‐0で突入した後半も、序盤はフィニッシュまで持ち込む場面はあったが、徐々に自陣内へ押し込まれていった。

 そして、20分、左クロスに対して中央の安田が相手を倒してPKを献上してしまう。このPKを左上へ決められて、1点差に詰め寄られる。その後、日本はリズムを変えるべくエースの平山を投入。だが、平山の高さを生かしたプレーも流れを変えるまでにはいたらない。

 試合終了間際にはゴール正面から強烈なミドルシュートを放たれるが、主将のGK西川の好セーブで乗り切る。前線に人数をかける北朝鮮の猛攻を何とかしのぎ、2−1で逃げ切って、4カ国大会で白星スタートを切った。第2戦の中国戦は5日に行われる。

<梅崎、安田らU-20世代が躍動>

 ほとんどアウェーのような試合だった。地元の中国の観客からは日本に対して容赦のないブーイングが飛ぶ。後半は北朝鮮に大きく押し込まれたこともあり、反町監督は「押し込まれながらもよく持ちこたえてくれた。準備期間が少ない中で、選手はよくやってくれたと思う」と選手の苦労をねぎらった。

 反町監督が「このチームだけでなく、日本のウィークポイント」と語る立ち上がりは後手に回った。2点を奪った後も、守勢の時間帯が長かった。90分を通して安定した戦いができなかったことは大きな懸念材料だ。一方で、気迫のこもった守備でPKの1点で抑えたことは評価できる。何度も好セーブでチームを救った主将の西川は「流れの中で失点を許さなかったのはよかった」と笑顔を見せた。

 期待のU-20世代も躍動した。「左サイドのウメ(梅崎)、ミチ(安田)は非常に機能したと思う」(反町監督)。梅崎は、今回がこの世代におけるデビュー戦ながら、1点目の起点となり、2点目を叩き出して勝利の立役者になった。安田はPKを相手に献上するファウルなど後半は決して誉められた内容ではなかったが、前半で見せた積極果敢な仕掛けは北朝鮮の脅威となっていた。

 デカモリシこと森島もゴールこそ奪えなかったものの、1点目のゴールをアシスト。5日に行われるJ2京都戦があるため、今回のゲームだけで帰国予定だが、1試合でも持ち味を見せた。彼らU-20世代が8月22日から始まる北京五輪最終予選に向けて、十分な戦力になりえることが確認できた。それが今回のゲームの何よりの収穫だった。残り2試合で新旧メンバーの連係をさらに深めていきたいところだ。

<日本代表出場選手>

GK
西川周作
DF
一柳夢吾
⇒青山準(87分)
千葉和彦
河本裕之
安田理大
MF
谷口博之
上田康太
枝村匠馬
⇒増田誓志(68分)
梅崎司
⇒福元洋平(85分)
FW
岡崎慎司
⇒カレン・ロバート(68分)
森島康仁
⇒平山相太(76分)