11月13日(木)
 13日、アジアNo.1を決定するアジアシリーズが開幕した。4年ぶりに日本一に輝いた埼玉西武は初戦で強豪の韓国・SKワイバーンズと対戦。初回に先取点をあげ、好スタートを切った西武だったが、中盤に逆転され、大事な初戦を白星で飾ることはできなかった。
◇第1戦
 SK、小刻みな継投で接戦制す(東京ドーム)
埼玉西武       3 = 100020000
SKワイバーンズ   4 = 01030000×
勝利投手 李承浩
敗戦投手 帆足
本塁打  (S)朴栽弘ソロ、李宰元2ラン
 優勝候補同士の戦いとなったこの試合、SKは北京五輪で日本代表から2勝を挙げ、今や韓国のエースに君臨している20歳の若きサウスポー、金廣鉉を先発に立てた。一方、西武は日本シリーズでも左の先発の柱として日本一に貢献した帆足和幸が大事な初戦を任された。

 先制したのは西武だった。初回、発熱で欠場した片岡易之の代わりに1番に入ったキャプテンの赤田将吾が右中間を真っ二つに割る二塁打を放つと、2番・栗山巧のセカンドゴロの間に赤田は三塁へ。そして、負傷のためにメンバーから外れた中島裕之の代わりに3番に入った平尾博嗣が日本一を決めた決勝打と同じくセンター前へタイムリーを放ち、西武が先にリードを奪った。

 ところが、2回裏、先頭打者の2番・朴栽弘のポール際に飛んだ打球が実際にはポールの外側を通りファウルだったものの、ホームランと判定され、同点とされてしまう。この判定を不服とした渡辺久信監督は球審に抗議するも、聞き入れられず。結局、1−1で試合が再開された。結果的にはこのホームランが西武に大きく響くことになる。

 微妙な判定で同点とされた帆足だったが、気持ちを切り替え、その後は3者連続の空振り三振に仕留めてみせた。さらに3回裏も3人で終わらせ、日本シリーズ以上の素晴しいピッチングを披露した。

 ところが、その帆足が突然崩れたのは4回裏だった。3番・李宰元に勝ち越しの2ランを打たれると、続く4番・朴栽弘をストレートの四球で出す。1死後、連打を打たれてさらに1点を失った。ここで渡辺監督は帆足を諦め、2年目の岩崎哲也にスイッチした。岩崎は次打者を併殺打に打ち取り、流れを断ち切る。

 すると5回表、西武打線が反撃を開始。2死一塁から栗山、平尾の連続タイムリーで2点を返し、好投手・金廣鉉をマウンドからひきずり降ろした。しかし、ここから小刻みな継投策をしいてきたSKのリリーフ陣に西武打線は翻弄される。6回からは1本もヒットが出ず、反撃の糸口さえ掴むことができない。西武にとっては1点があまりにも遠かった。

 結局、最終回の代打攻勢も実らず、西武は昨年の中日に続いてSKに敗北を喫した。大事な初戦を落とした西武は、明日の第2戦では初戦で中国の天津ライオンズに逆転サヨナラ勝ちを収め、勢いに乗る台湾の統一ライオンズと対戦する。優勝を狙う西武にとって、まさに正念場となるこの試合、先発が予想されるのは岸だ。果たして日本シリーズ同様、岸が救世主となるのか。