3月6日(土)のJリーグ2010シーズン開幕を前にして26日、都内ホテルで「2010Jリーグキックオフカンファレンス」が行われ、全37クラブから監督と代表選手が集結した。また、開幕に先駆けて「富士ゼロックス・スーパーカップ」では前年度リーグ覇者の鹿島アントラーズと天皇杯王者のガンバ大阪が対決する。2年連続同一カードとなる大会は明日27日13時35分に東京・国立競技場でキックオフされる。
(写真:健闘を誓い合うアントラーズ、ガンバ陣営)
 昨年は3対0で鹿島が圧勝したスーパーカップ。この勝利で波に乗った鹿島はシーズン序盤から首位を快走した。夏場に一旦は失速したものの、シーズン終盤に勝負強さを発揮し史上初の3連覇を達成した。一方のガンバは、スーパーカップの大敗が響いたのか、開幕直後は勝ち星を手にできず苦戦を強いられる。徐々に調子を上げ、終盤には首位・鹿島に肉薄したものの、直接対決となった11月28日の第34節、カシマスタジアムの試合で1対5と敗れ万事休す。リーグ3位となりACLの出場権を獲得したが、鹿島の連覇を止めることはできなかった。

 昨年はスーパーカップの結果が、そのままシーズン序盤の戦いぶりに反映された。今年もこの試合の結果がJリーグでの戦いぶりに影響を与えることは必至だ。一発勝負のタイトルだが、両クラブともに落とせない1戦となるだろう。

 鹿島・オリベイラ監督は「私が鹿島の監督に就いてからガンバとの対戦は11回目になる。お互いに両クラブの良さを知っているし、レベルの高い試合になるだろう」と好勝負を約束した。

 対するガンバ・西野朗監督は「鹿島に勝つには、まず監督のオーラに勝たなければいけない。いつもオリベイラ監督の存在感に圧倒される。そして、小笠原満男選手を消すことを考えている。(壇上に立つ)この2人をどうにかしなければ鹿島には勝てない。昨年は1点も取れなかったので、今シーズンの1点目を是非鹿島から奪いたい」と、打倒・鹿島について答えた。

 両軍ともに先日ACLでの激戦を戦ったばかり。しかし、鹿島が23日にホームで試合を消化したのに対し、ガンバはアウェー(韓国・水原)で24日に激戦を繰り広げている。シーズン開幕前にも関わらず中2日となる強行日程だ。「今、宿泊先のホテルは野戦病院のよう」と西野監督が語ったように、コンディションは鹿島に分があるといえよう。

 ただし、昨年優勝するまで鹿島はスーパーカップで3連敗を喫しているだけに、得意な大会とはいえない。対するG大阪は過去の成績は1勝2敗。3年ぶり2度目の制覇を狙う。

 一方、J1・J2、37クラブの監督と選手がスポットライトを浴びて次々とステージに登場したキックオフカンファレス。中でも目立っていたのは今日で43歳の誕生日を迎えた横浜FCの三浦知良だ。今季はキャプテンも務めるカズは「チームがうまくいってキャプテンの仕事がないクラブは上位にいると思います。そういう意味で自分が仕事をしなくてもいいように、祈っています」と話し、会場の笑いを誘った。

 18年目を迎えるJリーグでは、年間総入場者数1100万人にする「イレブンミリオンプロジェクト」の最終年度となる。挨拶に立ったJリーグの鬼武健二チェアマンは、今年中に必ず目標を達成することを約束した。「37の地域で選手は熱い想いを胸に戦いを繰り広げます。人づくり、夢づくりを目指し素晴らしい年にしていきましょう」と高らかに2010シーズンのキックオフを宣言し、会を締めくくった。