当HP編集長の二宮清純がインタビュアーを務めるBS朝日の番組『勝負の瞬間(とき)』が7月18日(日)、21:00より放送されます。この番組では毎回、各スポーツから一流たちをお招きし、トップを極めたテクニックと、その思考法に迫ります。これまでのスポーツ番組とは一味違ったインタビュードキュメントです。今回は昨年のベルリン世界陸上で、日本人初のやり投げでのメダルを獲得した村上幸史選手をお招きします。
(写真:二宮も番組内でやり投げに挑戦!?)
 当サイトでは番組に先駆けて、村上選手とのインタビューの一部を紹介します。

二宮: まずは日本選手権11連覇、おめでとうございました。記録は80メートル60だったんですけど、「今までにない感覚で投げられた」という話をされていました。その感覚とはどのようなものだったんでしょうか?
村上: やはり自己ベストを投げた時には、何か新しいものが発見できたり、自分にしかわからない感触をつかんだりするものなのですが、今回の日本選手権の6投目では、それと同じような感触、感覚を得ることができたんですよ。距離が出なかったのは風の影響とかがあると思うんですけど、今までにない新しい発見ができましたから、本当に大きな収穫を得た大会だったと思っています。

二宮: ちょっと分かりやすく説明してもらうと、どの部分が今までとは違ったのでしょうか?
村上: そうですね。言葉で表すとすれば「すごく楽だった」。

二宮: 楽だった?
村上: はい。頑張っている感じがなくても力強く投げれました。だいたいやりを投げた後は、1回やりから視界が消えて、そこからまたパッとヤリが見えるんです。あの時はいつも見ている視界よりも上にやりがありました。やり投げで一番大事にしたいのは、ライナーで投げる時と同じスピードで高さが出ること。高さが出てもやりに推進力が全くなければ距離は出ませんから。

二宮: しかもやり投げでは非常に風の影響を受けますから、常に自然と対話しないといけませんよね。追い風、向かい風といろいろ条件がありますが、理想の風はありますか?
村上: 選手個人で違うんですけど、僕の場合だと緩やかな向かい風がいいですね。やはり、やりは風に乗った時は距離が出るので、風に乗せるように投げなければダメです。僕のやりはどちらかというとライナーに近いので、向かい風のほうが乗っていきます。
>>この続きは番組をお楽しみ下さい。

 日本ではやり投げの第一人者だった村上選手も国際大会では結果を残せず、ここ数年、記録も伸び悩んでいました。ところが昨シーズン、5年ぶりの80メートル台をクリアすると、ベルリン世界陸上では銅メダル。ビッグスローが飛び出すようになった要因はどこにあるのか。番組では本人がその秘密を明かします。
(写真:ハンマー投げで五輪金メダルを獲得した室伏広治選手から学んだことも多いと語る)

 瀬戸内の小さな島で生まれ、剛速球投手として野球の強豪校から誘いもあった少年時代。「日本一になれるぞ」。恩師の一言で村上選手はやり投げに転向しました。しかし、野球の遠投とやり投げは似て非なるもの。最初はやりが飛ばず、基礎トレーニングに明け暮れる日が続きました。インタビューでは世界レベルのアスリートに成長するまでの道のりも振り返っていきます。

「お米とサバの味噌煮があれば最高」
 185センチ、90キロと日本人離れした体格ながら、その中身はいたって純和風。海外遠征で3週間、ジャガイモばかりを食べたエピソードなど、放送では意外な一面も明らかになります。抜き打ちでやってくるトーピング検査などトップアスリートならではの苦労話も必見です。競技人生の集大成と位置づける2年後のロンドン五輪。心技体すべてをベストに高めるため、村上選手が日々心がけていることは何でしょうか? 純朴な中にも奥深い、やり投げと村上選手の魅力がたくさん詰まった55分間です。

 この『勝負の瞬間』は月1回ペースでお届けしています。17日(土)には5月に放送され、好評だった東京ヤクルト・青木宣親編を再放送。こちらは14時スタートです。8月は世界を疾走するレーサー、佐藤琢磨選手が登場します。今後もどうぞお楽しみに!

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