プロ野球では23、24日の2日間、「マツダオールスターゲーム2010」がヤフードーム、HARD OFF ECOスタジアム新潟で開催される。今回は通常のファン投票、選手間投票、監督推薦のほか、60回目を記念した特別枠として「マツダプレマシー・プラスワンドリーム」が設けられた。セ・リーグからはブラゼル(阪神)、パ・リーグからは田中賢介(北海道日本ハム)が選出された。さらに、MVPのほか、2試合を通じて躍動感のあるプレーでファンを魅了した選手に与えられる「マツダ・プレマシー賞」が新たに創設されている。果たして今年のオールスターではどんなスタープレーが飛び出すのか。
 先に行なわれた交流戦では、1〜6位をパ・リーグが独占し、セ・リーグは屈辱を味わったかたちとなった。それだけに今回のオールスターは、「セとパ、どちらが本当に強いのか!?」という視点で見るのも一つのみどころとなりそうだ。

 交流戦で屈辱を味わったかたちとなったセ・リーグだが、人気の方では同リーグに軍配があがった。ファン投票で両リーグを通じて最多の43万5375票を獲得したのは前田健太(広島)。22歳の若き投手は、リーグ最多タイとなる11勝をあげ、防御率はリーグトップの1.81。今やおしもおされもしないカープのエース、そしてセ・リーグを代表するピッチャーとなった。既にセ・リーグを指揮する原辰徳監督は第1戦での先発を明言。交流戦では両リーグトップの防御率1.05をマークしており、パ・リーグの打者からも前田健との勝負を望む声もあがっている。それだけに、どんなピッチングを披露するのか、注目だ。

 打者では打撃好調の助っ人トリオの活躍が期待される。22日現在、本塁打王および打点王のラミレス(巨人)、本塁打、打点ともにそのラミレスを猛追しているブラゼル(阪神)、そして首位打者候補の一人、マートン(阪神)だ。周知の通り、ラミレス、ブラゼルには一発でしとめるパワー、マートンにはここぞというときの勝負強さがある。これに平野恵一(阪神)、松本哲也(巨人)、井端弘和(中日)といった粘りが身上の打者たちがうまくかみあえば、ビックイニングが生まれそうだ。

 一方、交流戦同様、実力差を見せつけたいパ・リーグは、球界を代表するピッチャーがズラリと顔を揃えた。両リーグトップの12勝をあげている和田毅、杉内俊哉(福岡ソフトバンク)をはじめ、防御率1位のダルビッシュ有(北海道日本ハム)、11勝をあげている涌井秀章(埼玉西武)。そして後ろにはシコースキー(西武)、馬原孝浩(ソフトバンク)といった安定感抜群のクローザーが控えている。特に第1戦の先発が濃厚な和田は交流戦で歴代最多となる5勝をあげており、セ・リーグ打者を得意としている。今回は6年ぶりの出場だが、2003、04年に出場した際にはいずれも2回を無失点に抑える好投を見せ、優秀選手賞を獲得した。第1戦は地元ヤフードーム開催だけに、気合いの入ったピッチングが見られそうだ。

 打線は今年ブレイクした22歳、プロ5年目のT−岡田(オリックス)に注目だ。現在、本塁打数は22本でトップをいくオーティズ(ソフトバンク)とはわずか1本差。186センチ、93キロと外国人選手にもひけをとらない体格から繰り出すパワーは迫力満点。同じ和製長距離砲の中村剛也(西武)が出場を辞退しただけに、彼への期待は増している。そしてパワーだけでなく、勝負強さを見せているのが現在打点王の金泰均(千葉ロッテ)。韓国通算188本塁打、昨春のWBCでは3本塁打11打点を叩き出した実績はダテではない。この2人を軸に、まわりを田中、西岡剛(ロッテ)、中島裕之(西武)、川崎宗則(ソフトバンク)、糸井嘉男(日本ハム)、多村仁志(ソフトバンク)らアベレージヒッターでかためられた打線は穴がない。

 昨年までの対戦成績はパ・リーグの75勝69敗。交流戦では明暗がわかれた両リーグだけに、オールスターではプライドをかけたデットヒートが繰り広げられそうだ。