大王製紙株式会社のエリエール公式サイト内にて、二宮清純が月1回、アスリートゲストをお招きする対談コーナー「やさしさに包まれて」が好評配信中です。このコーナーでは、各競技からアスリート、元アスリートをお招きし、それぞれのスポーツの魅力を伺いながら、戦いの日々の中でホッと“やさしく”なれる瞬間についてインタビューしていきます。今月のゲストは女子ウエイトリフティング・ロンドン五輪代表の三宅宏実さんです。現在、対談最終回「バーベルとは一心同体」を配信中です。

 当サイトでは対談の一部を特別にご紹介します。
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二宮: さて、ロンドン五輪の本番でメダルを獲得するには、どのくらいの記録が必要になってくるでしょうか。
三宅: 前回は196キロがメダルのラインでしたが、年々、女子の競技レベルは上がっています。今回は最低でも200キロ以上が求められますね。

二宮: 三宅さんの自己ベストは207キロ(53キロ級)ですから、不可能な数字ではありませんね。
三宅: 今までやってきたことを試合で全部出せば、結果はついてくると信じています。

二宮: 以前にもお聞きしましたが、調子が良い時には100キロ前後あるバーベルの重さを感じないとか?
三宅: 自分の重心にしっかりバーベルが乗っている時は重さを感じませんね。重く感じる時は、どこかフォームのバランスが崩れて、余計なところに負荷がかかっています。

二宮: ウエイトリフティングでは偶然で勝てる要素はないように感じます。1対1で勝負する競技だと、相手の調子が悪ければ勝てるかもしれません。ボールゲームだったら、ボールがうまく転がって点が入るかもしれない。でもウエイトリフティングでは、バーベルを自分の力で挙げない限り、成績が残らない。
三宅: 正直な競技ですよね。自分の実力がそのまま出てしまう。シャフト1本に重りがついているだけのバーベルを単純に挙げるだけなんですけど、どうやったら頭上にスムーズに動かせるのか、いろんなことを考えます。「なんで、こんな簡単なことができないんだろう」と悩むこともありますし、やればやるほど奥が深いですね。

二宮: 成績を人や道具のせいにはできない。本当に自分の実力だけが問われる厳しい競技ですね。
三宅: だから自分との戦いでもあるんです。トレーニングをやれば、やった分だけ、手を抜いたら手を抜いた分だけ、記録にはね返ってくる。そこが、またこの競技のおもしろさでもあります。

二宮: ボールゲームでは、「ボールは友達だと思いなさい」と言われます。三宅さんにとって、バーベルは友達?
三宅: 一言で言えば、一心同体になるものですね。バーベルを「怖い」と感じた時点で負けていますし、逆に「挙げてやろう」と力んでも挙がらない。おそらく、そういった精神状態がバーベルにも伝わるのでしょう。だから、「バーベルと一緒になって、ひとつになるんだ」という気持ちになることが大切です。そうすれば、自然とバーベルもついてきます。その時が一番リラックスできて、パワーを発揮できるのではないでしょうか。
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 各ゲストとの対談は全4回に渡って更新します。更新は原則として毎週月曜日です。6月からは、プロサッカー選手の中澤佑二選手(横浜F・マリノス)が登場。対談第1回は6月4日に更新します。どうぞお楽しみに!

【お知らせ】
 いちごウエイトリフティング部に所属する三宅宏実選手のロンドン五輪への挑戦を応援するサイトが開設されています。ぜひ一度、アクセスしてみてください。
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