プロ野球パ・リーグは29日、優勝へのマジックを2としていた北海道日本ハムファイターズが、2位・千葉ロッテとの直接対決を制し、2年連続4回目(前身の東映時代を含む)のリーグ制覇を達成した。球団にとって連覇は初めて。パ・リーグでは99、00年の福岡ダイエー(現ソフトバンク)以来、7年ぶりの連覇となった。
 04年からパ・リーグではプレーオフを実施し、勝利チームをリーグ優勝としていた。しかし、今季からセ・パ両リーグとも共通のプレーオフ制度(クライマックスシリーズ)が導入され、リーグVは公式戦の勝率で決定することになっている。

 今季の日本ハムは昨年の日本一から主力の小笠原道大(巨人へ移籍)、新庄剛志(引退)、岡島秀樹(レッドソックスへ移籍)が相次いで抜け、戦力的に厳しい中で開幕を迎えた。さらに昨年の新人王で12勝をあげた八木の不調なども重なり、スタートは完全に出遅れる。4月は最下位に沈み、借金は最多で8を数えた。

 流れが変わったのは交流戦だ。開幕するとセの各球団を次々と打ち破り、交流戦新記録の12連勝。交流戦前の連勝を含めるとチーム新の14連勝を達成し、一気に上位に躍り出た。期間中は、先発のグリンが無傷の5勝で交流戦MVPに輝けば、高卒ルーキーの吉川光夫がプロ入り初勝利をあげるなど、日替わりでヒーローが登場。その間に武田久、MICHEALといったリリーフ陣が昨年どおりのスタイルに戻り、接戦をモノにできる強いチームに変貌していった。

 7月に今季初の首位に立つと、8月には8連勝を飾り、ロッテ、ソフトバンクとの上位争いを一歩リードする。小笠原、新庄が抜けた攻撃は総得点513、チーム本塁打73がいずれもリーグワーストだが、投げてはダルビッシュ有が15勝をマークしてエースとして活躍し、チーム失策63は最小。まさに「野球は守りから」を体現する形で、そのままゴールに飛び込んだ。

 パ・リーグは10月5日に全日程を終了予定で、8日からクライマックスシリーズが始まる。第1ステージはロッテとソフトバンクが2戦先勝方式で争い、日本ハムは、その勝利チームを13日からの第2ステージ(3戦先勝方式)で迎えうつ。連続日本一で退任を表明しているトレイ・ヒルマン監督の花道を飾ることはできるのか。まずは日本シリーズ進出を目指す新たな戦いがスタートする。