競泳男子200メートル平泳ぎ決勝で北島康介(日本コカ・コーラ)が金メダルを獲得し、2大会連続の2冠を達成した。
 北島はこの種目の予選では2分9秒89の全体の6番目のタイムだったが、昨日の準決勝では2分8秒61の五輪新記録を出し、好調さを示していた。
 決勝はブレンダン・ハンセン(米国)、アレクサンドル・ダーレオーエン(ノルウェー)らライバルと見られた選手が不在だったが、スタート後から大きいストロークで落ち着いた泳ぎを見せた北島は、50メートルをトップでターンすると、100メートルでは後続に身体半分の差をつけてリード。
 その後も2位以下を寄せつけず、自らが持つ世界記録2分7秒51には惜しくも及ばなかったものの、2分7秒64の五輪新記録で圧勝し、日本人初の2大会連続2冠の快挙を達成した。

 レース後のインタビューでは落ち着いた表情で「記録が出なくてちょっと悔しいですけど、優勝できて感謝しています。もう1回、この場所に戻ってこれると思っていなかった。また1番高い場所に立てることに感謝したい。いろんなことがあったが、この舞台を夢見てやってきた。自分1人ではここまでこれなかった。この喜びを皆さんとわかちあえて本当に嬉しい」と喜びを語った。

<中西は5位。メダルならず涙>

 女子200メートルバタフライ決勝で2大会連続のメダルを獲得を目指したアテネ五輪銅メダリストの中西悠子(枚方SS)は、2分7秒32の5位に終わった。
 150メートルのターンでは7番手。ラスト50メートルで追い上げたが、メダルには届かなかった。
 中西は、レース後、「全力は出し切ったので…。今回の方が、気持ちよく五輪を楽しめたし、五輪に3回出られただけでも幸せだと思います」と涙を見せた。
 劉子歌(中国)が2分4秒18の世界新記録で金メダルを獲得、2位にも焦劉洋(中国)と中国勢が1、2位に入った。

 男子200メートル背泳ぎ準決勝では、入江陵介(近大)が1分56秒35で2組3位、全体の4位で決勝進出を決めた。レース後には「まだまだ課題がある。まわりを見すぎてしまって自分の泳ぎができなかった」と振り返り、「メダルを狙っているので、良い位置で残りたいと思っていた。朝のわりに良いタイムが出た。夢に見ていたメダルがすぐそこにあるのでしっかりと掴みとりたい」と決勝への意欲を見せた。

 男子200メートル個人メドレー準決勝で高桑健(自衛隊)が1分58秒49で1組3位に入り、全体の5位で決勝進出を決めた。
 高桑はレース後、「フェルプスが見えていたので、ついていかないと、と。前半、良い感じで入れているのでこの入りをなくさないようにしたい。(決勝は)一発だけなので、すべての力を振り絞って頑張りたい。今までの練習を考えたら大丈夫」と笑顔で話した。
 
 準決勝2組5位の藤井拓郎(KONAMI)は1分59秒59の全体10位で決勝進出はならず。 「予選のタイムを上回りたかったが、前半に遅れてしまった。決勝ラインを見たら、自分の泳ぎができればいけたと思うので悔しい。まだバタフライがあるので、修正していきたい」と悔しさをにじませながらも、残る100メートルバタフライでの健闘を誓った。

 女子200メートル平泳ぎ準決勝では、種田恵(JSS長岡)が2分25秒42で1組目4位、金藤理絵(東海大)が2分25秒65で2組目4位、全体の7、8位のタイムでともに決勝進出を決めた。

 女子800メートルリレー決勝で、日本(上田春佳、山口美咲、三田真希、高鍋絵美)は7分57秒56で7位と健闘した。この種目では、オーストラリアが7分44秒31の大幅な世界新記録で優勝した。


<アテネ金の柴田が予選落ち>

 夜に行われた女子800メートル自由形にアテネ五輪金メダリストの柴田亜衣(チームアリーナ)が出場したが、前半から遅れをとり4組7位。タイムも自己ベストに20秒近く及ばない8分41秒63で全体の27位となり、400メートルに続いて予選落ちに終わった。レース後は「やっぱり悔しいですね。自分なりにあきらめず、最後まで力を出し切ったつもりです」と声を振り絞った。
 同じく3組に出場した藤野舞子(FBインター)も8分35秒60の同組6位で予選落ちに終わった。

 女子200メートル背泳ぎ予選には、この種目のアテネ五輪銅メダリストの中村礼子(東京SC)が2分9秒77で5組4位、伊藤華英(セントラルスポーツ)が2分10秒05の4組5位で、それぞれ全体の12、14位で準決勝進出を決めた。
 前半から積極的なレースを見せた伊藤は、「めいっぱいいった。どこまでいけるかと試しました。(準決勝以降)しっかりレース展開を考えて、勝負したい」と息を切らしながら話した。
 中村は、「100で予選、準決勝、決勝と記録を落としてしまったので、次につながるレースがしたいと思っていた。自分の感覚を確認しながら泳ぎました。100に比べて落ち着いて泳ぐことができた。明日の朝、(準決勝で)しっかり泳いで決勝につなげたい。100の経験を生かして思いきりいきたい」と明るい表情を見せた。

 男子100メートルバタフライ予選では、午前の200メートル個人メドレーで惜しくも予選敗退に終わった藤井拓郎(KONAMI)が51秒50の日本新記録を樹立、全体の7番目の準決勝進出を決めた。
 藤井はレース後、「後半が自分の持ち味なので、そこにかけていた。勝てないタイムじゃないと思ったので自分を信じて泳いだ。ファイナルで泳がずに帰るわけにはいかない。このためにきたので、頑張りたい」と力強く語った。
 今季世界ランキング6位のタイムを出していた岸田真幸(アクラブ調布)は52秒45で予選敗退となり、 「全然、ダメでした。出だしが遅れたので後半に巻き返したかったが…。51秒を出そうと思っていたが、残念。情けない泳ぎでした」と悔しさをにじませた。