2014年も残すところ、あとわずかとなりました。今年もたくさんの読者にご愛読いただきましたこと、心より感謝申し上げます。今年はソチオリンピック・パラリンピック、サッカーW杯などの国際大会が開催されるとともに、プロ野球は誕生80周年というメモリアルイヤーでもありました。また、錦織圭がアジア人初のグランドスラム・ファイナルの舞台に立つなど、数多くの名勝負・名シーンが誕生しました。来年は2016年リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックを翌年に迎え、多くのアスリートにとって勝負の年となります。また、前回初優勝し、世界にその名をとどろかせた“なでしこジャパン”が再び世界の頂点を目指してW杯に臨みます。スポーツファンにとっては、楽しみが盛りだくさんの1年となりそうですね。
 さて、当サイトへの1年間のご愛読に感謝し、プレゼントをご用意いたしました。アンケートにお答えいただいた方の中から、それぞれ抽選で1名ずつプレゼントいたします。たくさんのご応募お待ちしています!


★プレゼント★
○プロ野球・今宮健太選手(福岡ソフトバンク)サインボール
○プロ野球・長谷川勇也選手(福岡ソフトバンク)サインボール
○プロ野球・佐藤達也選手(オリックス)サインボール
○プロ野球・西勇輝選手(オリックス)サインボール
○プロ野球・山田哲人選手(東京ヤクルト)サインボール
○プロ野球・梶谷隆幸選手(横浜DeNA)サインボール
○プロ野球・久保康友選手(横浜DeNA)サインボール
○プロ野球・里崎智也さんサインボール
○プロ野球・坪井智哉さんサインボール
○プロ野球・桧山進次郎さんサインボール
○社会人野球・初芝清監督(セガサミー)サインボール

○サッカー・西川周作(浦和レッズ)サイン色紙
○サッカー・風間八宏監督(川崎フロンターレ)サイン色紙
○サッカー・佐々木則夫監督(女子日本代表)サイン色紙
○ラグビー・大野均選手(東芝)サイン色紙

○大相撲・時天空関(時津風部屋)手形入サイン色紙
○プロレス・永田裕志選手(新日本プロレス)

○陸上・右代啓祐選手(十種競技)サイン色紙
○バドミントン・松友美佐紀選手(日本ユニシス)サイン色紙
○ゴルフ・藤田寛之プロサイン色紙
○競輪・石井寛子選手サイン色紙

○フィギュアスケート・鈴木明子さんサイン色紙
○フィギュアスケート・村主章枝さんサイン色紙
○ソチパラリンピックバイアスロン銅メダリスト・久保恒造選手サイン色紙

○埼玉西武2015年カレンダー
○東北楽天2015年カレンダー
○新極真2015年カレンダー

 ご希望の方はより、本文の最初に「年末年始プレゼント希望」と明記の上、「2015年、あなたが注目するスポーツまたは選手とその理由」、お名前、年齢、住所、電話番号、商品名(いずれか第3希望まで)を明記の上、サイトへのご感想などがございましたら、お書き添えの上、ご応募ください。当選発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。なお、いただいた個人情報はプレゼントの抽選、発送以外の業務には使用致しません。多数のご応募、お待ちしております。
※締切:2015年1月9日(金)まで。


 格闘技からサッカー、駅伝までもりだくさん! 〜年末年始スポーツスケジュール〜

★12月30日〜1月12日★
<第93回全国高校サッカー選手権大会> 蹴都移転初年度を制するのはどこか

「蹴都移転〜君が立つ、そこが聖地。〜」これが第93回全国高校サッカー選手権大会のキャッチコピーだ。前回大会まで開会式・開幕戦・準決勝・決勝は国立競技場で行われてきた。しかし、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて国立の改修が始まったため、今大会の開会式と開幕戦は駒沢陸上競技場、準決勝と決勝は埼玉スタジアムで開催される。 キャッチコピーはそうした背景からつけられたものだ。

 12月30日の開幕戦にはいきなり優勝候補の本命が登場する。今年のインターハイ王者・東福岡(福岡)だ。中心選手はMF中島賢星とMF増山朝陽だ。中島はU−18日本代表に選ばれた逸材で、卒業後は横浜F・マリノスへの入団が内定している。テクニック、パス、シュート……。中島はアタッカーに必要な能力をすべて高水準で備え、キャプテンとしてチームを牽引する。97年、98年と選手権連覇を果たした“ヒガシ”(東福岡の愛称)の優勝は中島にかかっていると言っても過言ではない。

 そんな中島とともに東福岡を引っ張るのか増山だ。屈強なフィジカルの強さ、圧倒的なスピードを生かして右サイドを駆け上がる姿から“ヒガシのクリロナ”と称される。増山は正確な技術も兼備しており、その突破力は対戦相手の脅威だ。中島と同じく、すでにJ1のヴィッセル神戸入団が内定している。

 東福岡には中島、増山の他にインターハイ得点王のFW木藤舜介、地区予選で4戦連続弾を記録したMF赤木翼など、今大会屈指のタレントが揃っている。“都立の星”三鷹(東京B)との開幕戦に勝利して波に乗れれば、98年以来の選手権制覇が見えてくる。

 東福岡の対抗馬は流経大柏(千葉)だろう。現清水エスパルスの大前元紀らを擁した07年以来、2度目の優勝を狙っている。千葉県予選決勝では、0−2のビハインドを跳ね返して選手権への切符を手にした。全国からタレントが集う流経大柏において、ひと際、光を放つのがDF小川諒也だ。FC東京入団が内定しているレフティーは、精度の高いキックでチャンスを演出する。空中戦の強さにも定評があり、時にはセンターバックもこなすなどユーティリティー・プレーヤーとしてチームを支える。

 左の小川、右のMF久保和己がサイドを崩し、ゴール前に上がったクロスをFW高澤優也がゴールに叩き込む。これが流経大柏の得点パターンだ。身長180センチの高澤は得意のヘディングのみならず、強烈な威力を誇る左足でもゴールをこじ開けられる。

 流経大柏は初戦で作陽(岡山)と激突する。作陽にはU−17代表のゲームメーカーMF伊藤涼太郎がおり、流経大柏としては彼を自由にさせてはいけない。MF浅沼拓己、MF澤田篤樹のダブルボランチがいかに伊藤を抑えられるかが、初戦突破のカギになるだろう。

 他にも優勝争いに絡んでくると見られる高校はある。前橋育英(群馬)は各世代別代表に選出されているMF鈴木徳真、MF渡邊凌磨を擁し、悲願の初優勝を目指す。またインターハイでベスト4に入った青森山田(青森)、前回大会準優勝の星稜(石川)も選手権制覇に鼻息を荒くしている。もちろん、一発勝負だけに他のチームが勢いに乗って頂点まで駆け上がる可能性もある。何が起こるかわからない。それが選手権なのだ。

 優勝争い以外の注目点は選手たちの成長だ。夢の舞台での1試合、いや一瞬は高校生たちを大人にしていく。選手権では、選手たちの成長過程を垣間見ることができる。今大会から未来の日本代表も出現することだろう。その意味で、高校サッカーの“聖地”とは選手権そのものなのかもしれない。

▼第93回全国高校サッカー選手権大会
・1回戦(12月30、31日)
・2回戦(1月2日)
・3回戦(1月3日)
・準々決勝(1月5日)
・準決勝(1月10日)
・決勝(1月12日)

★12月30日
<ボクシング世界戦> 井上、最速2階級制覇へ 八重樫狙う3階級制覇

 ここ数年、年末のスポーツの目玉となってきたボクシングは30日、31日と3会場で、実に8試合もの世界戦が組まれた。
 30日に行われるのは3つのタイトルマッチ。中でもメインを飾るWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチは必見だ。若き怪物・井上尚弥(大橋)が、同王座を11度防衛中の絶対王者、オマール・ナルバエス(アルゼンチン)に挑む。井上が勝てば、プロ8戦目での2階級制覇となり、これは日本人史上最速だ。
(写真:(左から)村田、八重樫、井上、リナレスが勢揃いする豪華な顔ぶれ)

 ナルバエスは39歳のサウスポー。井上がまだ9歳だった2002年にWBO世界フライ級王座を獲得し、以降、16度に渡って防衛を果たした。その後、階級を上げて、WBO世界スーパーフライ級王座を4年もの間、守り続けている。46戦して、敗れたのはわずかに1回。しかも敗れた相手は5階級制覇を達成したノニト・ドネア(フィリピン)で、判定まで持ち込んでいる。井上の所属ジムの大橋秀行会長が「新旧の怪物の激突」と、この一戦を称したのも頷けるカードだ。

 井上は一気に2階級上げての世界挑戦となる。本人はかねてより減量が軽くなるスーパーフライ級を「適性階級」と語っており、「過去の試合で一番に仕上がっている」と調整は順調そうだ。18歳差のベテラン王者に対して「そろそろ世代交代の時」と言い切り、臆する部分は全くない。世界的にも注目が集まる対決で21歳の若武者が新時代の扉を開けるのか。

 他の2つのタイトルマッチはいずれも3階級制覇をかけた戦いになる。まず八重樫東(大橋)はミニマム級、フライ級に続く3つ目のベルトを目指し、WBCライトフライ級の王座決定戦に臨む。9月にローマン・ゴンサレス(ニカラグア)との激闘に敗れて失冠した八重樫は、階級を下げての3階級制覇挑戦となる。「減量はうまくいった」と本人は話すも、30歳を超えた肉体にどのような影響が出ているかはリングに上がってみないと分からない。対するペドロ・ゲバラは24戦23勝(15KO)1敗の強敵で、2度目の世界挑戦で王座を狙う。八重樫は、これまでもポンサワン・ポープラムック(タイ)、井岡一翔、ロマゴンと強い相手に立ち向かい、好勝負を演じてきた。“激闘王”が修羅場を乗り越え、日本人2人目の快挙を達成できるか。

 もうひとり3階級制覇にチャレンジするのは帝拳ジム所属のホルヘ・リナレス(ベネズエラ)。ハビエル・プリエト(メキシコ)とのWBC世界ライト級王座決定戦を行う。リナレスは07年にWBC世界フェザー級、翌年にWBA世界スーパーフェザー級の王者となったが、11年にWBCライト級王座決定戦でアントニオ・デマルコ(メキシコ)に敗れて、3階級制覇を逃すと、再起戦でもセルヒオ・トンプソン(メキシコ)に敗れ、なかなか再挑戦の機会は巡ってこなかった。「こんなチャンスは簡単には出てこない」と本人も、この一戦に賭ける思いは強い。

 またノンタイトルマッチでもロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太(帝拳)がプロ6戦目を戦う。井上尚弥の弟・拓真(大橋)も、兄が戦うオマール・ナルバエスの弟ネストールと拳を交える。

▼WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ 王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)× 挑戦者・井上尚弥(大橋)
 WBC世界ライトフライ級王座決定戦 1位ペドロ・ゲバラ(メキシコ)× 3位・八重樫東(大橋)
 WBC世界ライト級王座決定戦 1位ホルヘ・リナレス(ベネズエラ、帝拳)× 2位ハビエル・プリエト(メキシコ)
(東京体育館、14:45〜)

★12月31日★
<ボクシング世界戦> 内山、1年ぶり防衛戦、最強リゴンドーに挑む天笠

 大晦日は東京、大阪で計5試合の世界戦が挙行される。
 東京ではワタナベジムの3選手がタイトルマッチを迎える。WBA世界スーパーフェザー級で9度目の防衛戦を迎えるのは内山高志だ。大晦日に防衛戦を行うのは、4年連続となる。
(写真:河野、内山に続き、田口(右)がワタナベシム3人目の世界王者を目指す)

 昨年の大晦日では金子大樹(横浜光)の挑戦を受け、ダウンを奪われてヒヤリとさせられた。今回はそれ以来の試合で1年のブランクがある。挑戦者のイスラエル・ペレス(アルゼンチン)は同級8位で身長、リーチも内山が上回るとはいえ、試合勘が唯一の不安材料だ。

 王座に就いて、ほぼ5年。決戦を前にしても「勝利のポイントは特にない。練習でやってきたことを出せれば」と気負いはない。「5RでKOする」と豪語した相手の挑発も余裕で受け流し、久々に“KOダイナマイト”を炸裂させる。

 WBA世界スーパーフライ級王者の河野公平は初防衛戦となる。この3月に暫定王者デンカオセーン・カオウィチット(タイ)にKO勝ちして王座返り咲きを果たした。最初に同タイトルを獲得した際には初防衛に失敗しており、本人は「何が何でも防衛する」と意気込んでいる。対するノルベルト・ヒメネス(ドミニカ共和国)は18連勝中。河野に対して「レベル的にはまだまだ」などと“口撃”を仕掛けており、「今回も倒して勝ちたい」と拳で黙らせるつもりだ。

 世界初挑戦の機会を得たのが元日本ライトフライ級王者の田口良一だ。アルベルト・ロセル(ペルー)が持つWBA世界同級王座にチャレンジする。会見では「緊張しています」とか細い声で話し、ボクサーらしからぬ優しい顔立ちも、ボクシンググローブをはめればイメージは一変する。昨年は井上と日本タイトルマッチを戦って敗れたものの、判定に持ち込んだ。「(ロセルは)ガードが堅い。やりづらさはある」と明かすが、「挑戦者らしく先手で行く」と積極果敢に攻める。

 大阪で行われる世界戦には、最強との呼び声高いWBA&WBO世界スーパーバンタム級統一王者、ジェルモ・リゴンドー(キューバ)が日本のリングに登場する。リゴンドーは00年シドニー五輪、04年アテネ五輪のバンタム級金メダリスト。キューバから亡命して、09年に米国でプロデビューすると翌年にはWBAの王座を手中にした。13年にはWBO王者だったドネアからベルトを奪い、王座統一に成功している。現在プロ14連勝中で、あまりの強さに対戦相手がなかなか決まらない状態だった。

 そんなスーパー王者に挑戦するのはOPBF東洋太平洋フェザー級王者の天笠尚(山上)だ。細身の体ながら強打を誇り、28勝のうちKO勝ちは19と多い。だが、今回は階級を下げての戦いとなり、「99%勝てないと思う」と本人も苦戦は覚悟している。イチかバチかの打ち合いで、わずかな勝機を見出すことになりそうだ。世界的には無名の29歳が、世紀の番狂わせを狙う。

 IBFとWBOの世界ミニマム級の2つのベルトを賭けた王座決定戦は日本人対決となった。高山勝成(仲里)は同級では05年にWBC、06年にWBA(暫定王座)、13年にIBFの王座に就いており、日本人初の4団体制覇を目指す。4団体制覇に挑んだ8月のフランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(メキシコ)との王座統一戦には敗れたものの、米スポーツ専門誌からは年間最高試合に選ばれた。これで世界戦は14試合目。キャリアで世界初挑戦の相手を圧倒する。

 対する大平剛(花形)は1月に同級の日本王座に就いた。大学卒業後、大企業で働きながらボクシングを続けていたが、退職して競技に専念し、世界タイトルに手が届く位置までやってきた。戦前の予想は高山優位も、身長、リーチとも大平の方が上回る。体格差を生かした作戦がハマればおもしろい。

 また5月の試合でプロ初黒星を喫し、3階級制覇を逃した井岡一翔(井岡)も元WBA世界フライ級暫定王者のジャン・ピエロ・ペレス(ベネズエラ)とノンタイトルマッチを実施する。3階級制覇再チャレンジへ結果と内容の両方が求められる一戦だ。

▼WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ 王者・内山高志(ワタナベ)× 挑戦者イスラエル・ペレス(アルゼンチン)
 WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ 王者・河野公平(ワタナベ)× 挑戦者ノルベルト・ヒメネス(ドミニカ共和国)
 WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ 王者アルベルト・ロセル(ペルー)× 挑戦者・田口良一(ワタナベ)
(大田区総合体育館、15:30〜)

▼WBA&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ 王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)× 挑戦者・天笠尚(山上)
 IBF&WBO世界ミニマム級王座決定戦 3位・高山勝成(仲里)× 6位・大平剛(花形)
(ボディメーカーコロシアム、15:15〜)

★1月1日★
<ニューイヤー駅伝> 設楽兄弟、窪田、大迫、服部……黄金ルーキーたちに注目!

 全国6地区の予選を突破した37チームが、元日の上州路を舞台に「駅伝日本一」を決める「第59回日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)」は、全長100キロ、7区間で争われる。今年のみどころのひとつは、大学時代に下級生の時から箱根駅伝で活躍してきたルーキーたちである。まずは3連覇を狙うコニカミノルタには、東洋大の黄金期を支えてきた設楽兄弟の兄・啓太が加入した。コニカミノルタは、エースの宇賀地強が12月の福岡国際マラソンに出場し、疲労が抜け切れていない。そのため、最長距離で「エース区間」と言われる4区に、啓太が抜擢される可能性も出ている。大学4年時には山上りの5区を任されて見事区間賞を獲得し、チームを優勝へと導いた設楽兄。「安定感」を武器とする彼の走りは、果たして実業団でどこまで通用するのか。

 その設楽兄を、今年11月の1万メートルの記録会で上回ったのが、駒大で主将を務めた窪田忍だ。窪田は箱根駅伝で区間賞を2回獲得し、4年時には全日本大学駅伝、出雲駅伝の2冠の立役者となった。その窪田は、2011年以来2度目の優勝を狙うトヨタ自動車に入社した。入社後、5000メートル、1万メートルで自己新をマークするなど、着実にレベルアップしている。大学時代からマラソン指向が強い窪田。ニューイヤー駅伝の1カ月後に行なわれる別府大分毎日マラソンへの出場も決めている。元日には、その弾みとなるような快走を見せたいところだ。

 3大会ぶりの栄冠を目指す日清食品グループには、早稲田大出身のスーパールーキー大迫傑が加入し、選手層の厚さが増した。大迫は箱根駅伝での活躍はもちろん、1万メートルの日本学生最高記録を持つなど、実力は既に証明済みだ。今年は練習拠点を米国に移し、厳しいトレーニングを課してきた。9月のアジア大会では1万メートルで日本人として16年ぶりのメダル(銀)を獲得し、成果もあげている。初のニューイヤー駅伝では、進化した大迫の走りが見られそうだ。

 前回8位ながら、今大会では台風の目となりそうなのがHondaだ。同社には設楽兄弟の弟・悠太と、3年時から日本体育大の主将を務めた服部翔大が入った。悠太は兄弟対決として注目された11月の東日本予選では、区間1位だった兄に22秒差の4位と不甲斐ない結果に終わった。1年前は箱根駅伝の3区で区間賞をとるなど常に優勝争いをしてきただけに、当然悔しさはあったはずだ。再び兄弟対決となれば、意地を見せたいところだろう。

 一方、服部は3年時に異例の主将に抜擢され、山上りの5区で区間賞を獲得。チームは前年19位から実に30年ぶりとなる優勝を果たし、服部の名も全国にとどろき渡った。服部は身体の芯が強く、2年前の箱根では風速5メートルの向かい風でも体の軸がぶれずに走る強さをもっていることを証明している。ニューイヤー駅伝では後半、特に向かい風と上り坂の続く過酷な区間である5区に抜擢されれば、服部の強さが光るはずだ。

 チームとしては、優勝経験豊富なコニカミノルタと、随一の選手層の厚さを誇る日清食品が、優勝候補の筆頭と見られている。チームの勝敗はもちろんだが、黄金ルーキーたちの“初ニューイヤー”がどんな幕開けとなるのかが楽しみな大会となりそうだ。

▼第57回全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝) 9:10スタート(前橋市・群馬県庁発着)

出場チーム
<東日本>
コニカミノルタ、日清食品グループ、Honda、富士通、ヤクルト、プレス工業、小森コーポレーション、DeNA、日立物流、SUBARU、八千代工業、JR東日本、南陽市役所
<北陸>
YKK、重川材木店
<中部>
トヨタ自動車、NTN、トヨタ紡織、愛知製鋼、愛三工業、中央発條、トーエネック、
<関西>
大塚製薬、住友電工、NTT西日本、SGHグループさがわ、大阪ガス
<中国>
中国電力、マツダ、JFEスチール、中電工
<九州>
九電工、黒崎播磨、安川電機、トヨタ自動車九州、旭化成、三菱重工長崎

★1月2、3日★

<箱根駅伝> 駒澤、7年ぶりの優勝なるか!? “ヤマ場”の5区に注目

 東京〜箱根間を往復する計217.1キロを1チーム10人の学生ランナーが走り抜く「第91回東京箱根間往復大学駅伝競走」(箱根駅伝)。今年は21チームが出場する中で優勝候補の筆頭に挙げられるのが、11月の「第46回全日本大学駅伝対校選手権大会」(全日本大学駅伝)で4連覇を達成した駒澤大学だ。

 ここ数年、優勝候補に推されながら、届かなかった箱根の頂点。大八木弘明監督をはじめ、今年こその思いは強いはずだ。前回の箱根駅伝を経験したメンバー8人がチームに残っており、豊富な陣容で臨める。全日本大学駅伝は1区に村山謙太(4年)、2区に中谷圭佑(2年)を配置し、先行逃げ切りを図った。その作戦が功を奏し、1度もトップを譲ることなく8区間を走り抜いた。今回のエントリーを見ると、1区は中村匠吾(4年)が、2区には村山が任された。いずれも三大学生駅伝で3度の区間賞を手にしている実力者。前半で一気にリードを奪う狙いであることは明白だ。

 さらには、近年の箱根駅伝でキーポイントとなっている山上りの5区。順天堂大学の今井正人、東洋大学の柏原竜二が“山の神”として君臨したのは記憶に新しいが、3年連続でこの往路の“ヤマ場”を制した者が、そのままチームを箱根路制覇に導いている。

 そういった意味で、駒大7年ぶりの優勝へのキーマンは、馬場翔太(3年)かもしれない。前回も5区を任され、区間3位の好走。全日本大学駅伝では、アンカーとして4連覇に貢献しており、平地でも力を発揮した。エース級の実力はなくとも、もうひとつのスペシャリスト区間である山下りの6区も西沢佳洋(4年)が前回に続いて走る。山を知る2人の継走でリードを広げたいところだろう。他にも中谷、西山雄介(2年)と次期エース候補たちが控えており、穴という穴は見つからない。

 対抗馬には連覇のかかる東洋大、66年ぶりの戴冠を狙う明治大学、初優勝を目指す青山学院大学の3校だ。

 東洋大は1区と2区は田口雅也(4年)、服部勇馬(3年)と前回と同じオーダーとなった。東洋大も出だしでリードを奪って、主導権を握りたいはず。Wエース設楽兄弟が卒業した今シーズン、服部勇馬には、各校エースが揃う“花の2区”で前回以上の走りが求められている。2月の東京マラソンにも出場予定で、箱根で弾みをつけて初マラソンに挑みたい。さらには補欠の高久龍(4年)、服部禅馬(2年)と前回区間賞を獲得した2人をメンバー変更でどう配置するか。酒井俊幸監督の采配にも注目が集まる。

 明大には、古豪復活の期待が高まっている。昨年の箱根駅伝は6位と振るわなかったが、11月の全日本大学駅伝では2位に入った。黄金世代と呼ばれる学年が、最上級生となった今大会はチャンスと言える。八木沢元樹が間に合わなかったのは痛いが、大六野秀畝、有村優樹、松井智靖、文元慧の4年生カルテットを往路に当てる攻撃的なオーダーを組む。

 青学大はチーム史上最高の5位を上回るだけでなく、優勝すら狙える位置にいる。就任11年目の原晋監督は例年にないほど自信のある口ぶり。4月からはフィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一から指導を受けるなど、ケガ人が減ったという。藤川拓也(4年)、高橋宗司(4年)、久保田和真(3年)、小椋裕介(3年)、神野大地(3年)、一色恭志(2年)など各学年に力のある選手を揃え、戦力は強豪にもひけをとらないほどになった。充実の季節を迎えた、フレッシュグリーンの襷が、旋風を吹かせるか。

 21本の襷が箱根路を駆け抜ける。今回はどんな色のドラマが待っているのか。戦いの鐘の音は、2日の早朝に鳴らされる。

▼第91回箱根駅伝
2日 8:00往路スタート/大手町〜箱根・芦ノ湖(5区間107.5km)
3日 8:00復路スタート/箱根・芦ノ湖〜大手町(5区間109.6km)

<参加チーム>
東洋大学、駒澤大学、日本体育大学、早稲田大学、青山学院大、明治大学、日本大学、帝京大学、拓殖大学、大東文化大学、神奈川大学、國學院大学、東海大学、山梨学院大学、中央学院大学、上武大学、中央大学、順天堂大学、城西大学、創価大学、関東学生連合チーム