IBLJは22日、高知市内で記者会見を開き、経営難で9月より公募を行っていた高知ファイティングドックスの親会社に大阪市に本社をもつ「株式会社タップ」(北古味鈴太郎社長)が決定したと発表した。またメインスポンサーとして同じく大阪市に本社をもつ「株式会社日本トリム」(森澤紳勝社長)が入ることも決まった。これにより、高知球団の活動休止は回避され、来季は長崎、福岡の2球団を加えた6球団制でリーグが運営される見通しだ。

▼リーグ選抜に香川4選手を追加(フェニックスリーグ)
 現場を実際に統括する球団代表には阪神タイガースの藤川球児投手の兄で、高知市在住の会社員・藤川順一氏が就任する。藤川新代表は高知商時代、97年夏に捕手として甲子園に出場。1つ年下の球児投手と兄弟バッテリーを組んで話題になった。野球経験もあることからゼネラルマネジャーを兼務し、チームの編成面にも携わる。また球児投手も高知球団になんらかのサポートを行いたい意向だという。

 親会社となる「株式会社タップ」の北古味社長、メインスポンサーとなる「株式会社日本トリム」の森澤社長は、ともに高知県の出身。オーナー公募に応じたのは数社あったが、地元とのつながりを重視し、この2社に球団の経営を委ねることになった。

「株式会社タップ」は2005年8月に設立。大阪府で不動産業を営んでいる。資本金は1000万円。北古味社長は33歳の若きオーナーとなる。
「株式会社日本トリム」は1982年6月に設立。整水器などの製品開発と販売、ボトルドウォーターの製造販売などを手がけている。資本金は約10億円で海外も含めて10社近いグループ企業をもつ。またスポーツ分野では06年にレディースフットサル大会をサポートし、高知で「トリムカップ」として開催した実績もある。

 IBLJではさらなる市場の拡大を目指し、長崎県佐世保市に本拠地をおく長崎セインツと、福岡に創設される新球団を受け入れる構想を進めている。高知球団が存続したことで、順調にいけば来季は6球団によるリーグ運営となる。

 今回、球団の危機的状況が明らかになったことで、高知県内を中心に存続を目指すさまざまな動きが現れた。四国全体での募金活動や地元労組による支援表明など、おらがチームを支えようという流れができたのは、ひとえに四国アイランドリーグ、そして高知ファイティングドッグスが地元に根付いてきた結果にほかならない。

 しかし、親会社やメインスポンサーが決まったからといって、チームスポンサーの営業、観客動員の掘り起こし、ナイター設備の設置など、直面する課題は山積みのまま。新体制は舵取りの難しい経営を強いられることになる。その意味で高知球団の存続はゴールではなく、まだスタートラインに立っただけに過ぎない。“雨降って地固まる”ではないが、今回の騒動を機に真の県民球団へ、せっかく巻き起こったムーブメントを大きく広げてほしい。

<リーグ選抜に香川4選手を追加 〜フェニックスリーグ〜>

 IBLJは、フェニックスリーグに参戦している四国アイランドリーグ選抜に下記の香川4選手を追加すると発表した。追加選手はいずれも18日以前に選抜メンバーに選ばれており、23日と24日の残り2試合は計29名でゲームに臨むことになる。なお、4選手は独立リーグ・グランドチャンピオンシップが行われた石川より、陸路と空路で既に宮崎入りしている。

<アイランドリーグ選抜 追加メンバー>
投 手 塚本浩二
捕 手 堂上隼人
外野手 井吉信也、近藤洋輔

太陽石油はアイランドリーグのオフィシャルスポンサーです[/color][/size]