3、4日に有明コロシアムで開催されるbjリーグ07−08シーズンプレイオフ。まずはレギュラーシーズン1位と先のワイルドカードゲームを制したチームとのカンファレンスファイナルが行われ、翌日にリーグファイナルと3位決定戦が行なわれる。
 イースタン・カンファレンスからは、ともに2年ぶりのプレイオフ進出となる仙台89ERSと東京アパッチが、ウエスタン・カンファレンスからは3連覇を狙う大阪エヴェッサと創立1年目にして見事プレイオフ進出を果たしたライジング福岡が出場する。
 プレイオフではどんな戦いが繰り広げられるのか。出場4チームの代表者に意気込みを訊いた。

「第1Qが勝敗を決める!」(仙台89ERS/浜口炎HC)
 今シーズンの躍進の要因には、チームのバランスのよさが挙げられます。なかでも新加入のFニック・ダウィッツ、Fボビー・セントプルー、Cパトリック・ワーティーの3選手がチームにうまく馴染んでくれたことが大きかったですね。
 そして、それは外国人選手で唯一2年目のCFライアン・ブラックウェルが、コミュニケーションをとり、日本人選手との架け橋役になってくれたからに他なりません。

 また、私と3年間一緒にチームをつくってきたPG日下光やG松田大地が、私がどのようなバスケットをしたいのかをよく理解してくれています。スタープレーヤーが不在でも好成績を挙げることができたのは、ひとえに彼らがチームをまとめ、先頭に立って引っ張ってくれたからです。

 5月3日の東地区ファイナルでは東京アパッチと対戦するわけですが、勝負のポイントは第1Qだと考えています。レギュラーシーズンでも第1Qでリードを奪った試合の勝率が高いのです。しかし、逆にリードされた試合は負けることが多かった。特に勢いをつけると止まらないのが東京ですから、第1Qは絶対に落とすことはできません。
 またディフェンスでどこまで粘れるかも重要です。ハイスコアになるということは、それだけ東京のオフェンスに勢いをつけられている、ということですから、できれば70点台のロースコアの展開にもっていきたいですね。

 現在、チームは非常にいい状態ですが、不安があるとすれば、ライアンの左ヒザの回復具合がどうかというところです。彼がコート内にいるのといないのとでは、大違いですからね。最後の大阪エヴェッサとの4連戦はチーム全員で欠場したライアンの分をカバーしたものの、結果は1勝3敗。やはり、頂点に立つには彼がキーマンとなるでしょう。

 今シーズン、レギュラーシーズンを1位で通過できたのは、ブースターの応援も大きかったことは言うまでもありません。アウエーの試合にも、多くのブースターが観に来てくれました。その声援が仙台のチームを結束させたと言っても過言ではありません。
 有明では自分たちがこれまでやってきたことを信じて戦います。初の頂点目指して頑張りますので、仙台のブースターの皆さん、応援よろしくお願いします!


「持ち味の速攻がポイントに」(東京アパッチ/城宝匡史選手)
 昨季、最下位だったチームが東地区2位という成績を収めることができた最大の要因は、昨季まで新潟アルビレックスBBに所属していたPFニック・デービスの加入が上げられます。

 ニックがリバウンドやブロックショットをとってくれることで、インサイドでのディフェンスの強さが今季の東京アパッチにはあります。そのため、得意の速攻につなげたり、アウトサイドのシュートが楽に打てるようになりました。
 ニックは試合中も選手たちに檄を飛ばし、鼓舞してくれます。彼はプレーだけでなく、精神的にも今やチームの支柱なのです。

 1、2月は不調だったチームも、3月以降は上り調子。現在、ケガ人もなく、いい状態でプレイオフに臨むことができそうです。
 ワイルドカードゲームからプレイオフまで2週間あいたことで、ゲーム感が鈍ったり、モチベーションが下がってしまうのではないかという不安もありますが、個人個人がしっかりした意識を持っているチームなので、それほど心配はしていません。

 僕は昨季まで大阪エヴェッサに所属していたので、2季連続でプレイオフを経験しました。そこで感じたのは、特別なことをしようと思ってもダメだということです。レギュラーシーズンでやってきたことを、いかに出し切ることができるかが最も重要になってくるのです。
 東京アパッチが波に乗っている試合というのは、やはり速攻が決まっています。ですから、ワイルドカードの新潟戦同様に、ニックを中心にして、全員でディフェンスリバウンドを取り、いかに速攻につなげられるか。ここがポイントとなってくるでしょう。

 ブースターの皆さんには、ニックやFジョン・ハンフリーのダンクシュートなど、まさに「これぞプロ」という技やスピード感を堪能してほしいと思っています。そして、一緒に東京を盛り上げていきましょう!


「勝利に欠かせないディフェンスリバウンド」(大阪エヴェッサ/天日謙作HC)
 西地区1位で通過はしましたが、昨季のリーグMVP、Fデイビッド・パルマーが抜け、キャプテンでもあり、一番のスコアラーでもあるFリン・ワシントンが前半は右ヒザの故障で不在、と決してチームは順風満帆だったわけではありません。

 しかし、こうした苦しい状況だったからこそ、彼らの穴を埋めようと全員が結束し、チームオフェンス、チームディフェンスができました。つまり、チーム力がアップしたことが、プレイオフ進出の一番の要因だったのではないかと思っています。

 とはいえ、やはりワシントンがチームの軸であることに変わりはありません。3月22日のライジング福岡戦でようやく復帰し、その後の高松ファイブアローズとの2連戦、仙台89ERSとの4連戦で、ようやく本来の大阪らしいバスケットを取り戻すことができたと感じています。そのため、チームは今、非常にいい状態です。

 唯一、不安なのはワイルドカードゲームを戦った東京アパッチや福岡以上に、試合から遠ざかっていることです。プレイオフまでに、どこまでゲーム感覚を取り戻せるかがポイントの一つになってくるでしょう。

 3日に対戦する福岡はアウトサイドから、どんどん3ポイントシュートを狙ってきます。Gマイケル・ガーデナーをはじめ、スティールも得意で、ワイルドカードの高松ファイブアローズ戦では20本ものスティールを成功させていました。
 スティール対策としてはボールを受けたら、しっかりと止まるという基本動作を改めて意識してプレーすること。これが一番重要になると思います。

 プレイオフでも大阪らしいバスケットができれば、必ず結果はついてくると信じています。その自分たちのバスケットに欠かせないのが、ディフェンスリバウンド。これを制することができれば、相手の攻撃の芽を摘むことができますし、自分たちの得意の速攻にもっていくことができます。

 もちろん目標は3連覇ですが、今は福岡戦のことしか考えていません。短期決戦で大事なのは、一戦一戦に集中すること。それができたからこそ、2連覇できたのです。ですから、まずは福岡戦に全力で挑みたいと思います。


「気負うことなく100%の力を出し切る!」(ライジング福岡/川面剛キャプテン)
 先のワイルドカードゲームではレギュラーシーズン、2勝4敗と負け越していた高松ファイブアローズに快勝することができました。
 チームはレギュラーシーズン6連勝と、波に乗った状態。しかも、僕たちは苦労の末に下から這い上がってきたチームですから、プレッシャーを感じずに臨めたことが大きかったのではないかと思います。

 試合前、ジョン・ニューマンヘッドコーチからは「いろいろあったが、ここまで来れた。気負わずに自分たちのバスケットを楽しもう!」という言葉がチーム全員にかけられました。
 僕も同じ気持ちでした。設立1年目ということもあり、正直、最初はまとまりを欠いていた時期もあったのです。特に開幕3連敗を喫した時は、ヘッドコーチとの意思疎通がうまくいっていなかったと思います。

 でも、一戦一戦を積み重ねながら、みんなで苦しい状況を乗り越え、本当の意味での“チーム”を作り上げてきました。今は、このチームで試合をするのが楽しくて仕方ありません。そして、また試合ができることに喜びを感じています。
 この勢いのまま、すぐにでもプレイオフを戦いたかったというのが本音ですが、僕も含めてチームにはケガを負っている選手も少なくありません。ですから、心身ともにいいリフレッシュができたと思っています。

 初めてのプレイオフ進出ですが、ワイルドカード同様、気負うことなく、自分たちのバスケットをしていきたいと思っています。そのためには全員でディフェンスで粘り、速い展開にもっていくことが重要だと考えています。

「疲れたら、いくらでも交代要員はいる。だから、最初から100%の力を出していけ!」というニューマンヘッドコーチの言葉通り、何も先発メンバーだけで戦っているわけではありません。ベンチの選手も含めて全員で戦っているのですから、体力を温存する必要は全くないわけです。最後まで動き回れるのが、僕たちの強みですから、プレイオフでも最初からガンガン飛ばしていきたいと思っています。

 ブースターの皆さんと共に、レギュラーシーズン同様、「全戦全焼」のライジングスピリットで初の栄冠目指して頑張りますので、応援よろしくお願いします!

穴吹工務店はbjリーグを応援しています[/color][/size]