両リーグとも1位、2位が激突! 〜プロ野球〜

 昨季は26年ぶりBクラスに泣いた埼玉西武が勢いに乗っている。4月25日(対オリックス)から5戦連続で1試合3本塁打以上を放つなど、チームは既に33試合で46本塁打を放った。もちろん、これは12球団ダントツトップ。主砲のカブレラ(オリックス)、和田一浩(中日)が抜けた穴をまったく感じさせない。
(写真:好調レオ軍団を率いる埼玉西武・渡辺監督)
「監督と選手というヘンなプレッシャーを与えたくないと個人的には考えています。こちらからプレッシャーを与えて試合に出させるのと、そうでないのとでは、今の選手の場合、後者のほうがいい結果が出ると思っています」

 開幕前に渡辺久信監督は、そう指導方針を語っていた。42歳の青年指揮官に、41歳の大久保博元打撃コーチと首脳陣は大きく若返った。兄貴分のような指導者の下、ライオンズの選手たちは伸び伸びとプレーしている。投手陣では移籍組の石井一久、岡本真也がそれぞれの役割を果たし、チームを支える。「この勢いはホンモノ」。そう呼べる次元にまで投打のバランスがとれてきた。

 GW後半は、連敗中の千葉ロッテとの対戦を経て、5日からは2位に浮上してきた北海道日本ハムとの直接対決が待っている。まず、3日のロッテ戦では高卒ルーキー・唐川侑己vs.レオ打線が大きな見どころだ。前回のデビュー登板でソフトバンクを封じ込んだ18歳右腕に、西武の各打者がプロの厳しさを叩き込めるか。

 さらに、日本ハムとの3連戦では、どこかでダルビッシュ有との対戦が予想される。3月27日の今季初対決では、9回までゼロに抑えられ、エース・涌井秀章を見殺しにした。試合数が少ないとはいえ、4番・ブラゼルの対日本ハム戦の打率は.150。そのゲームでもダルビッシュに4打数無安打2三振に仕留められている。一方で日本ハム相手に放ったヒット3本はすべてホームランだった。ブラゼルのバットが1位・2位対決の行方を占うかもしれない。

 セ・リーグも3日から1位と2位が激突する。首位を走る阪神がナゴヤドームに乗り込み、中日と顔を合わせる。実は阪神はチーム本塁打が12球団最小の10本。しかし、守護神・藤川球児から逆算できる安定した投手力を武器に早くも貯金は11に達した。対する中日のチーム防御率も1.85と12球団トップ。1点を争うおもしろいゲームが期待できそうだ。

 特に注目したいの4日のゲーム。阪神・岩田稔、中日・吉見一起の先発が予想されている。岩田は左腕から繰り出されるキレのあるスライダーを武器に開幕ローテーションの座を確保。既に3勝をマークし、前回登板の巨人戦ではプロ初完投勝利もあげた。吉見は今季初先発のヤクルト戦(4月6日)でいきなり完封勝利をあげると、毎週日曜日に登板して4連勝を飾った。低めを丹念に突く投球が光り、防御率0.79はもちろんリーグトップだ。今シーズン、最も進境著しい若手同士の投げ合いをぜひ楽しみたい。

<セ・リーグ>
5月3日(土)〜5日(月・祝)
 東京ヤクルト − 巨人 (神宮)
 中日 − 阪神 (ナゴヤドーム)
 広島 − 横浜 (広島)
<パ・リーグ>
5月3日(土)〜4日(日)
 北海道日本ハム − 東北楽天 (札幌ドーム)
 千葉ロッテ − 埼玉西武 (千葉マリン)
 福岡ソフトバンク − オリックス (ヤフードーム)

<セ・リーグ>
5月6日(火・休)〜8日(木)
 巨人 − 阪神 (東京ドーム)
 横浜 − 東京ヤクルト (横浜)
 中日 − 広島 (ナゴヤドーム)
<パ・リーグ>
5月5日(月・祝)〜7日(水)
 東北楽天 − 福岡ソフトバンク (Kスタ宮城)
 埼玉西武 − 北海道日本ハム (西武ドーム)
 オリックス − 千葉ロッテ (スカイマーク、京セラドーム)
 

ダービーを見逃すな! 〜Jリーグ ディヴィジョン1〜

 GW後半のJ1は3日(土)と6日(火・休)に試合が組まれている。注目はなんといっても各地で行われるダービーマッチだ。3日には、フクアリで千葉対柏の千葉ダービー、日本平で清水対磐田の静岡ダービー、そして国立では東京V対横浜FMの伝統の一戦“クラシコ”が行われる。

 リーグ戦9試合未勝利と未だ不調の波から抜け出せない千葉はホームに柏を迎えうつ。右ヒザのケガで戦線を離脱していたFW巻誠一郎だが回復状態によっては強行出場もありえる。エースのゴールで初勝利を引き寄せ、自信喪失気味のチームを奮い立たせたい。一方の柏もここ2試合勝ち星から遠ざかっている。今節はエース李忠成を出場停止で欠くだけに苦しい戦いになりそうだ。今シーズン開幕前に行われた「ちばぎんカップ」では1−1の同点の末、PK戦で千葉が柏を下している。果たして今回はどうなるか。

 一方、両クラブともに2連勝で迎える清水対磐田の静岡ダービーは接戦が予想される。清水は序盤こそつまずいたが、北京五輪代表候補のFW岡崎慎司やFWフェルナンジーニョの活躍で調子を取り戻してきている。磐田は現在得点ランク2位のFWジウシーニョ、お祭り男FW中山雅史に注目したい。

 今シーズン3年ぶりにJ1の舞台に復帰した東京Vは15年前のJリーグ開幕戦と同じ舞台で横浜FMとの“クラシコ”を迎える。ポイントはフッキ擁する東京Vの攻撃陣を、横浜FMの守備陣がどう押さえ込むかになりそうだ。個人としては前々節の名古屋戦でゴールを決めた東京VのMF河野広貴からは目が離せない。身長こそ165センチと大きいほうではないが、前に向かう推進力、ゴールへの嗅覚は本物だ。

 調子を崩しているクラブ、好調を維持しているクラブなどダービーに挑む事情はさまざまだが、ダービーマッチは選手たちに多大なモチベーションを与えるだけに、勝って勢いに乗りたいところだ。

◇第10節
・5月3日(土)
京都−札幌(13:00、西京極)
大分−新潟(13:00、九石ド)
大宮−F東京(14:00、NACK)
名古屋−G大阪(14:00、豊田ス)
東京V−横浜FM(15:00、国立)
千葉−柏(16:00、フクアリ)
清水−磐田(16:00、日本平)
川崎−鹿島(19:00、等々力)
神戸−浦和(19:00、ホムスタ)

◇第11節
・5月6日(火・休)
札幌−東京V(13:00、札幌ド)
磐田−川崎(13:00、ヤマハ)
柏−神戸(14:00、柏)
新潟−清水(14:30、東北電ス)
F東京−名古屋(15:00、味スタ)
横浜FM−大宮(15:00、日産ス)
浦和−千葉(16:00、埼玉)


成長株の内村に注目! アテネ金メンバーにも期待 〜第47回NHK杯兼北京オリンピック日本代表決定競技会〜

 体操の北京五輪代表を決定するNHK杯が、5月5〜6日の2日間、岡山・桃太郎アリーナで開催される。アテネ五輪で団体金メダルを獲得した注目の男子代表は、4月に行われた第2次選考会とNHK杯の計4日間での個人総合の上位3名と、各種目3位までに与えられるポイント制による上位3名の計6名が選出される。

 2次選考会でトップに立ったのは、成長株の内村航平(日本体育大学)だ。まだ線が細い印象を受けるが、バランス感覚への評価は高い。2次選考会で見せた攻めの演技で、個人総合での代表入りを目指す。内村の若さと勢いは日本チームにとっても良い刺激となるだろう。

 日本のエース・冨田洋之(セントラルスポーツ)は、2次選考ではミスが響き出遅れたものの、安定した演技で2位にまで挽回した。大きなミスなく代表入りを果たし、日本代表チームの要となってほしい存在だ。
 昨年8月、左手を骨折し、2次選考会が復帰戦となった鹿島丈博(同)は4位につけ、完全復活を印象づけた。2次選考会で36人中トップの15・350点をたたき出した得意のあん馬に注目したい。

 冨田、鹿島のほか、アテネ五輪団体金メダルのメンバーは2次選考会を終え、塚原直也(朝日生命)が7位、米田功(徳洲会体操クラブ)が10位、世界選手権個人総合3位の水鳥寿思(徳洲会体操クラブ)が11位。アテネで日本体操チームのキャプテンを務めた米田は、怪我の影響でここまで苦しい戦いが続いているが、着実に代表入りが狙える位置まで上がってきた。2次選考会の2日目に見せた思いきった演技ができれば可能性は十分。得意とするゆか、鉄棒でどこまで得点を伸ばせるかがカギとなりそうだ。

 このほか、2次選考会で3位に食い込んだ田中和仁、同6位の桑原俊(ともに徳洲会)、さらには同5位の村田憲亮、同9位の星陽輔(ともにセントラルスポーツ)らも、初の五輪代表入りを狙う。
 一つのミスが命取りとなる緊張感あふれた戦いから目が離せない。

第47回NHK杯兼北京オリンピック日本代表決定競技会
5月5日(月・祝)〜6日(火・休)
岡山・桃太郎アリーナ
競技 14:15〜16:45