アスリートにとって欠かせない「水」と「酸素」。スポーツ時の酸素摂取は通常の5〜10倍の量が必要というデータがある。運動能力を高めるためには最大酸素摂取量を引き上げ、酸素を身体の隅々まで供給することが大切だ。
 カナダの天然水に酸素を充填させた日本食研の「酸素プラス」を自転車プロロードレーサーの土井雪広選手に試してもらった。

 欧州での充実の日々

 自転車ロードレースの本場、欧州で戦ってきた男が久しぶりに帰ってきた。
 土井雪広は日本を代表するプロロードレーサーのひとりである。2005年より欧州を舞台に活動し、11年にはグランツールのひとつであるブエルタ・ア・エスパーニャに日本人で初参戦した。そして2年連続で完走も果たしている。

 今季、土井は元F1レーサーの片山右京が監督を務めるTeam UKYOに移籍した。
「契約の関係でヨーロッパで所属していたチームを離れることになり、最初は他のヨーロッパのチームを探しました。でもタイミングの問題もあって、なかなか見つからなかったんです。僕は車好きで、当然、右京さんのことは知っていましたから、自転車のチームを立ち上げると聞いて興味はありました」

 欧州では毎日が刺激的で充実していた。ロードレースは個人競技であると同時にチーム競技でもある。いくら大きなレースに出たいといっても、まず強豪チームに入らなければチャンスはめぐってこない。さらにチーム内の激しい競争を勝ち抜き、メンバーに選ばれることが条件となる。その意味で、ここ2年はブエルタにも参戦し、土井は一定のポジションを勝ち得てきた。

「楽しかったですよ。それだけに契約解除は悲しかったですね」
 プロロードレースは実力以外にもスポンサーなどのチーム事情に左右される世界である。理解していたこととはいえ、改めて欧州で走り続ける難しさを思い知らされる経験となった。今季から所属するTeam UKYOは発足2年目の若いチームだ。国内での実績もこれから積み上げていく段階である。今は、そういった本場での体験を日本の選手に伝えていくことが自らの役割と考えている。

 1日に10リットルの水を消費

 1日で200キロ近く、6時間以上も走ることもあるレースを戦い抜く上で、水分補給は欠かせない。のどが渇いてから飲んでいては脱水症状に陥るため、こまめにロードバイクに搭載したボトルから水を飲む。平均すると30分に500ミリリットル1本程度の水は消費するという。暑いときには水をかけて体を冷やすため、1日のレースでは多い時で10リットルほどの水を使う。

 世界各地で走り続け、水を飲んできた男に日本食研の「酸素プラス」を試してもらった。
「飲みやすいです。酸素が入った水というのはヨーロッパでは見かけなかった。どんな感じだろうと思って飲んでみたら、すごく口当たりが良かったので水分補給には最適でしょうね」

 欧州でもアルプスなど水のおいしいところでレースやトレーニングをしたこともある。「きつい坂を上りきった峠で飲んだ湧き水は本当においしかった」と明かす。そんな土井にとってもカナダの天然水をボトリングした「酸素プラス」はお気に入りになっているようだ。

 競技生活では水だけでなく、酸素の力も取り入れてきた。一昨年4月、レース中に他のバイクと接触して左ヒザの皿を骨折した際には、酸素カプセルに入って回復を早め、全治6カ月のところを3カ月で復帰した。もし実際に治癒に半年もかかっていたら、ブエルタの出場も厳しかっただろう。それだけに酸素が充填されている「酸素プラス」には、「疲労回復の点でも効果がありそうですね」と語る。

 世界で求められる「精神的な強さ」

 土井は山形県出身だ。小さい頃から蔵王スキー場でスキーに親しみ、そのオフシーズンのトレーニングとして、小学時代に自転車を始めたのがきっかけだ。初めて出た大会でいきなり優勝。トップでゴールを駆け抜ける快感を味わい、競技のとりこになった。

 世界を意識したのは高校2年の時。ジュニアの日本代表に選ばれた土井はカナダに遠征した。そこで一緒になった欧州の選手たちの速さに衝撃を受けた。
「その時は将来、競輪選手になるのか、ロードレースの選手になるのか迷っていました。でも世界でレースを重ねたり、ツール・ド・フランスをテレビで見て、ヨーロッパのロードレーサーがかっこいいなと思うようになっていました」

 本場で走りたい――その思いは日に日に加速した。大学でも結果を残し、世界有数の自転車メーカーであるシマノが立ち上げたチームに入った。20歳でプロとしての第一歩を踏み出したのである。 

 欧州で8年間活動し、日本に戻って感じたのはロードレース人気の高まりだ。自転車は環境にやさしく、健康にも寄与することから、競技に取り組む人は着実に増えている。大会を開催しても沿道の観客は多くなってきた。一方で、トップレベルはまだまだ本場の欧州と対等に戦える段階に至っていない。「選手のクオリティは上がっていない。むしろ下がっているかもしれません」と土井は厳しい見方を示す。

「日本とヨーロッパはレベルが全く違います。日本でいくらずば抜けた実力でも、ヨーロッパでは1からやることになるんです」
 欧州で生き残るには、第一に「精神力の強さ」が問われると土井は感じている。
「ロードレースは大勢の選手が一気に走ります。一瞬でも気持ちで引いてしまったら、どんどん置いていかれる世界です。空気を読んでいたら負け。“オレが一番だ”と周りにアピールするくらいでちょうどいい」

 ミッションは日本のレベルアップ

 言葉の問題も日本人が直面する壁である。欧州のチームにはさまざまな国から選手が集まってくる。土井が所属していたチームもオランダが拠点だったが、ベルギー、フランス、スペイン、オーストラリア、ノルウェー、スウェーデンとメンバーは多国籍だった。コミュニケーションをとる上での共通言語は英語だ。

「日本のように黙々とやっていれば評価されるわけではありません。自分を売り込む上で話す力も求められます。ヨーロッパに行ってから勉強していると、その部分で出遅れてしまう。これから世界を目指す若い選手には、語学習得も大事にしてほしいと思っています」

 そして、「周囲に惑わされず、目標を明確に定め、そこへ突き進む」姿勢も大切だ。
「人と比較するのではなく、自分がこうなりたいというイメージをしっかり持つこと。自分がどんな特徴を持ち、それを生かすには何をすべきかを考えること。そのイメージに近づいていけば、目標達成が見えてくるはずです」
 強いメンタル、語学力、ブレない自己実現のイメージ。自らの経験も踏まえ、この3つが海外で成功するポイントになると土井はみている。 

 もちろん、土井自身もまだ欧州で戦う目標を諦めたわけではない。
「Team UKYOがツール・ド・フランスに出るくらいの大きなチームになるのが究極の目標ですね。日本に帰ってきて、そういうストーリーがつくれれば楽しいだろうなと感じます」
 夢は日本人だけのチームでグランツールに参戦すること。現状では決して平坦な道のりではないが、競技に携わる以上、大きなミッションとしてとらえている。

「一生懸命、いろんなことを伝えていきながら、“強くなれ、強くなれ”とおまじないをかけていきたいと思います(笑)」
 国内に拠点を置く利点を生かし、自身のレベルアップに加え、若手や次世代を担うジュニアの育成にも力を注ぐつもりだ。

 欧州では自転車が文化として根付いている。レースは沿道の地域にとって、ひとつのお祭りだ。
「水を飲んだ後の空いたボトルは沿道のファンにプレゼントすることもあるんです。それをコレクションにして集めている人もいますからね」

 国内でも、もっとロードレースを盛り上げ、世界に通用するプロ集団を日本に――。大きなゴールに向かって、「酸素プラス」とともに土井雪広は全力で疾走し続ける。

<土井雪広(どい・ゆきひろ)プロフィール>
 1983年9月18日、山形県出身。アルペンスキーのトレーニングで小学時代に自転車をはじめ、山形電波工高では2年時にジュニアの日本チャンピオンに。法政大2年時に学生の日本チャンピオンとなり、プロ転向。05年から欧州に活躍の舞台を移す。08年にはブリクシア・ツアー第1ステージb(チームタイムトライアル)で勝利。10年にはツアー・オブ・ターキーで総合6位に入ると、翌11年のブエルタ・ア・エスパーニャに日本人として初出場、完走を果たす。12年は全日本選手権ロードレースで優勝。ブエルタ・ア・エスパーニャにも2年連続で参戦する。今季からTeam UKYOに所属。久々に国内で活動している。
>>Team UKYOオフィシャルサイト
>>土井雪広オフィシャルブログ




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(石田洋之)
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