11日、北京五輪に出場するU-23日本代表は国際親善試合でU-23カメルーン代表と対戦した。日本は前半はFW森本貴幸(カターニア)、後半はFW李忠成(柏)、MF水野晃樹(セルティック)らがゴールに迫ったが、両チーム無得点のまま、試合は引き分けに終わった。

 エスクデロらFW陣、結果残せず(日本・国立)
U-23日本代表 0−0 U-23カメルーン日本代表
 北京五輪メンバー選考に向けた最後のテストマッチは反町ジャパンにとって多くの課題が垣間見えた試合だった。
 この日の日本のシステムはトゥーロン国際大会でも試された4−5−1。1トップには同大会で初ゴールを決めた森本、左右サイドハーフには本田圭佑(VVVフェンロ)、梅崎司(浦和)、トップ下には谷口博之(川崎)が入った。

 試合は前半から日本がボールをキープするも「残るのは(得点を)決めていくこと」と敵将のエンピレ氏が指摘していたように、フィニッシュの部分で精細を欠いていた。まず1トップの森本に関していえば、ボールの収まりが悪かった。前半9分、GK西川周作(大分)のロングキックを谷口がヘディングで落とし、梅崎がペナルティーエリア右を抜け出してセンタリング。フリーで受けた森本はただ押し込むだけでいい状況だったが、タイミングが合わずゴール左に外してしまった。

 指揮官はFWのポジションに対して「上積みが必要」と指摘。「ゴール前でボールを持ったら仕掛けて点を決められる力を持った選手が必要」とさらなるレベルアップを求めた。

 また、中盤では「4、5個までならパスがつながるが、それ以上になるとミスがでてしまう部分がある」(本田圭)。時折素早いパス回しが見られたが、連携不足も露呈した。

 試合は前半終了間際、カメルーンに攻められる時間が続いたが、西川を中心にDF陣が踏ん張り、0−0で折り返す。
 流れを取り戻したい日本は後半18分、森本に代えて李を投入。すると直後の21分、MF梶山陽平(F東京)のスルーパスに李が素早く反応。得点には結びつかなかったが、李のゴールに向かう姿勢が徐々に日本に力を与えていく。

 特に後半40分以降、日本は完全にペースをつかみ、ゴール前に次々と迫った。ロスタイムには途中出場の水野のフリーキックがゴールを襲う。しかし、ボールはバーに嫌われ、1点が遠いまま試合は終了した。

 多くの課題が見えた試合だが、収穫がないわけではない。屈強なカメルーン攻撃陣に対し、「球際の争いでひるまずに行けていた」(反町康治監督)と守りでは危なげないところをみせた。五輪本大会では更なる強豪と戦うことになるだけに、無失点で切り抜けたことはひとつの収穫だ。

 今後、U-23日本代表は最大3名まで認められるオーバーエージ枠も含め、五輪出場メンバー18名を7月中旬に最終決定。直前合宿を経て、8月7日から行われる本番の戦いに臨む。

<日本代表出場メンバー>

GK
西川周作
DF
水本裕貴
田中裕介
森重真人
→伊野波雅彦(82分)
吉田麻也
MF
本田拓也
→青山敏弘(87分)
谷口博之
→エスクデロ・セルヒオ(76分)
梶山陽平
→上田康太(76分)
本田圭佑
梅崎司
→水野晃樹(67分)
FW
森本貴幸
→李忠成(63分)