2010年南アフリカW杯に向けたアジア最終予選の組み合わせ抽選会が、27日夕方にマレーシア・クアラルンプールで行われた。日本代表はグループAに入り、オーストラリア(FIFAランキング35位)、バーレーン(同72位)、ウズベキスタン(同58位)、カタール(同83位)と同組になった。同予選はホーム&アウェーで計8試合が行われ、上位2チームが南アフリカへの切符を手にする。
 南アフリカへの最後の試練だ。日本代表と同じグループAには強豪オーストラリアと中東勢のバーレーンとカタール、ウズベキスタンが入った。

 オーストラリアは3次予選の中でも屈指の激戦を繰り広げたグループ1を1位で勝ち上がってきた。今日の抽選会では韓国と共にPOT1にシードされ、FIFAランキングでもアジア最上位に入っている。前回のW杯ドイツ大会ではグループステージで日本代表と対戦し、3−1で日本を下している。チームには英・プレミアリーグで活躍する選手が多数おり、キューウィル(リバプール)、ヴィドゥカ(ニューカッスル)などは日本でもお馴染みのプレーヤーだ。日本との対戦成績は5勝5分6敗。ここ10年では3勝1分1敗と日本が勝ち越している。

 バーレーンはアジア3次予選でも対戦した中東の雄。日本と同じグループ2に入った3次予選では1勝1敗と五分の成績だった。3月のアウェー戦では0−1と敗戦を喫したが、22日のホームゲームでは1−0と勝利を収めている。過去の通算戦績は5勝1敗。3月のアウェー戦が唯一の敗戦だ。

 ウズベキスタンは3次予選グループ4を5勝1敗の好成績で突破している。同組の強豪サウジアラビアにホームで3−0と圧勝しており、予断を許さない相手だ。対戦成績は4勝1分と相性はいい。しかし1つの引き分けは、1998年フランスW杯最終予選アウェーでの1−1。この試合は第1次岡田体制の初戦だった。

 カタールは3次予選で同組のオーストラリアと激しく首位争いを演じ、勝ち点が並んでの2位で最終予選へ駒を進めた。実力のあるイラクを破って最終予選進出を果たし勢いに乗っているチームだ。しかも日本代表にとって非常に厳しい数字がある。対戦成績が2敗3分と勝ち星を挙げたことがないのだ。最近はアジア杯で2度対戦し、2000年、2007年にそれぞれ引き分けという結果を残している。

 グループAの4カ国は、いずれも一筋縄ではいかない相手だ。日本より下位のPOTに入っていた国も過去の対戦をみると相性の悪いチームが多い。数字だけ見れば日本が圧倒しているウズベキスタンでさえ、過去のW杯最終予選ではアウェーで勝ち点1を積み上げたのみだった。当時は加茂周監督が解任され、急遽岡田監督が指揮を執ったという事情はあったとはいえ、最終予選は9ヶ月にもおよぶ長期戦だ。何が起こるか始まってみないとわからない。今回も状況によっては難しい試合になることが考えられる。

 他にも気になる要素がある。それは日程だ。最終予選が佳境に入る残り3戦が、たった11日間で開催される。試合間の移動も気になるところだが、最終戦には最も手強い相手となるオーストラリアとのアウェー戦が組まれている。日本としては最終戦までにグループ2位以内を確定させてW杯出場を決定しておきたい。

 もうひとつの最終予選グループBには韓国、イラン、サウジアラビア、北朝鮮、UAEの5ヶ国が入った。グループA、Bともに上位2チームがW杯本大会への出場権を手にする。両グループの3位チームはプレーオフを行い、その勝者がオセアニア地区1位チームとの大陸間プレーオフを行い、勝った場合に本大会出場が決定する。

◇岡田武史日本代表監督のコメント
「チーム力から考えて、決して悪いグループではない。(中略)初戦はまたバーレーンとアウェーで当たるわけだが、3月の対戦を同じ間違いを2度起こさないようにしたい。我々には、この予選を勝ち抜いてワールドカップ本大会に出場する力が十分にあると信じている」

◇川淵三郎キャプテンのコメント
「楽に勝てる相手は1チームもないが、かといって全て勝てないというわけでもない。率直に言って、BグループよりAの方でよかった。勝ち残れると確信している。是非、最終予選を突破してほしい」

◇南アフリカW杯最終予選組み合わせ

【グループA】
オーストラリア、日本、バーレーン、ウズベキスタン、カタール

【グループB】
韓国、イラン、サウジアラビア、北朝鮮、UAE

◇日本のスケジュール

■第1戦(9月6日) バーレーン戦(アウェー)

■第2戦(10月15日) ウズベキスタン戦(ホーム)

■第3戦(11月19日) カタール戦(アウェー)

■第4戦(2009年2月11日) オーストラリア戦(ホーム)

■第5戦(3月28日) バーレーン戦(ホーム)

■第6戦(6月6日) ウズベキスタン戦(アウェー)

■第7戦(6月10日) カタール戦(ホーム)

■第8戦(6月17日) オーストラリア戦(アウェー)