14日、Jリーグ1部の浦和レッズは埼玉スタジアムで行われるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦でセパハン(イラン)と対戦する。敵地での第1戦を1−1で引き分けた浦和は第2戦で勝利、もしくはスコアレスドローの結果を残せば、大会初制覇が決まる。
 初優勝か、それとも決勝で涙をのむのか。泣いても笑っても、浦和の8ヶ月という長きに渡る戦いに終止符が打たれようとしている。

 浦和は第1戦でアウェーゴールを奪って引き分けたことで、有利な状態で第2戦に臨む。ディフェンスリーダーのDF闘莉王の復帰は好材料。さらに埼玉スタジアムでは5万人を超える大観衆が選手の背中を押す。

 一方で、不安材料も少なくない。ACLとリーグ戦を並行して戦ってきた選手の疲労はピークに達そうとしている。第1戦はクラブ史上初の中東でのアウェー戦。長距離の移動、日本との気候の違いは少なからず負担になったはずだ。

 加えて、リーグ戦も優勝を狙っているため、11日の第31節・川崎戦は7日のACL決勝第1戦と同じベストメンバーで臨んだ。腰痛を抱えるDF阿部をはじめ、主力選手のコンディションが不安視される。

<アウェーゴールを許すな>

 今回のゲームは、まず守備ありきである。スコアレスドローでは優勝を逃すセパハンは攻撃的に臨んでくるだろう。アウェーゴールは絶対に許してはいけない。仮に先制点を許せば、逆に浦和が窮地に立たされる。どれだけ慎重に、かつ集中力を高めて90分を守りぬくことができるか。

 特に1対1の対応は粘り強さを見せたい。第1戦でゴールを記録した相手のエースFWカリミには闘莉王が、司令塔MFナビドキアにはMF鈴木が主に対応する。先の川崎戦では、MF長谷部がサイドで振り切られて失点した。いかに気合が入っていても、疲労で体がついていかない時期にさしかかっている。今季J1最少26失点の堅守の真価が問われる時だ。

 忘れてはいけないのは、城南一和との準決勝である。第1戦が2−2で迎えた第2戦(ホーム)、前半に先制した浦和は後半の最初の時間帯に試合を決定づける2点目を奪うべく前がかりになった。そこで、城南に2点を獲られて、逆に敗退の危機に追い込まれた。その後、長谷部のゴールですぐさま同点に追いついたが、1−2のまま敗れていてもおかしくはなかった。今回のゲームでは可能な限りリスクが少ない試合運びをしたいところだ。

 そして、少ないチャンスをいかにモノにすることができるか。第1戦で貴重な先制点を叩き出し、今大会チーム最多の4得点を挙げているMFポンテを中心に、準決勝第2戦で目の覚めるような先制弾を決めたFWワシントンや決勝トーナメントに入ってホームで2試合連発のMF長谷部などに決定的な仕事を求めたい。

 ここまでの大会11試合で浦和は無敗を続けている。すなわち、優勝すれば無敗での大会制覇となる。今までチームを支え続けてきた熱狂的なサポーターとともに、有終の美を飾りたいところだ。