20日、キリンチャレンジカップ2008が札幌で行われ、日本代表はウルグアイと対戦し、3−1で敗れた。

 攻撃、守備の両面で課題を残す(札幌ド)
日本代表 1−3 ウルグアイ代表
【得点】
[日] オウンゴール(48分) 
[ウ] セバスティアン・エグレン(55分)、イグナシオ・ゴンザレス(83分)、セバスティアン・アブレウ(89分)
 9月6日から行われる南アフリカW杯アジア最終予選を前に、最後のテストマッチが行われた。相手は南米の古豪ウルグアイ。FIFAランキング24位と35位の日本にとっては格上の存在だ。試合前に岡田武史監督は「バーレーン戦へのいいシュミレーションになる。何ヶ所かテストしたいポジションがある」と語っていた。その言葉通り、日本代表は初出場となるDF高木和道(清水)やMF青木剛(鹿島)が先発に名を連ね、2年2ヶ月ぶりの復帰となった小野伸二(vflボーフム)も先発出場した。

 日本はFWに玉田圭司(名古屋)、田中達也(浦和)と小柄でスピード豊かな二人を並べ、ターゲットとなる大型FWを置かない、いわゆる「0トップ」気味の布陣を敷いた。

 試合開始から、一進一退の攻防が続く。日本のセンターバックはキャプテン中澤佑二と初先発の高木だ。初めてコンビを組む二人は何度か、息のあわないところも見受けられた。徐々に呼吸が合いはじめるが、ウルグアイのサイド攻撃で対応が遅れるところが目に付いた。

 攻撃面では中盤からの飛び出しでリズムを作りたかったところだったが、小野や中村憲剛(F川崎)がシュートを放つプレーがなかなか見られない。前半31分、右サイドバック駒野友一(磐田)がペナルティエリアの外から左足で強烈なミドルシュートを放つが、惜しくもGKの好セーブで得点ならず。日本が前半に流れの中からチャンスを迎えたのはこのシーンだけ。相手DFラインを崩していくシーンはほとんど見られなかった。

 そんな中、先制点が生まれたのは後半開始早々の3分。コーナーキックのクリアボールを右サイドで拾い、再び小野からペナルティエリアで斜めのスルーパス。そこに中村が走り込み、ゴールライン付近の深い位置から早いクロスを上げる。これがウルグアイDFに当たってゴールに吸い込まれ、日本が先制する。低く早いクロスから得点が生まれたのは今日の試合の狙い通りだ。オウンゴールとはいえ、攻めの形がしっかりできていたゴールだった。

 しかし、その7分後、ウルグアイの右サイドからのロングボールをFWカルロス・ブエノがダイレクトでヘッドで落としDFラインを完全に崩される。そこへ走り込んできたフリーのMFセバスティアン・エグレンが落ち着いてシュート。日本ゴールに突き刺さり、すぐさま同点にされる。前半から連係のぎこちなさが見受けられた守備陣が簡単にウルグアイに崩されてしまった。

 日本が理想的な展開をみせたのは、後半21分。左サイド深くでパスを受けた玉田がクロスを上げるが、一度DFに阻まれる。しかし、そのボールをすばやく拾い、ゴール前に高いクロスを上げる。そこに走りこんできたのは中盤から走り込んだ小野。ふわりとしたヘディングシュートがウルグアイゴールに向かうが、ここもGKが好セーブをみせ得点には至らない。しかしFWを追い越す動きからの攻撃という日本の狙いは見えた場面だった。

 逆にウルグアイがゴールを奪われたのは後半38分、カウンターから数的に不利な状況を作られ、左サイドを突破される。クロスボールを上げられファーサイドでフリーのイグナシオ・ゴンザレスがヘディングシュート。楢崎正剛(名古屋)も必死のセーブをみせるがゴール右隅にボールは吸い込まれ2点目を奪われ逆転された。ここまで縦パスにはうまい対応をみせていたが、後半の勝負所でカウンターへの守備が後手に回ってしまった。さらにロスタイムにも同じくカウンターから3点目を奪われ、ディフェンス面で最終予選に向け大きな課題を残した。

 攻撃陣も終わってみればオウンゴールの1点のみで決定力不足は相変わらずだ。最終決戦へ向け不安の残るチームを岡田監督がいかにチームを立て直していくか注目だ。 

 日本代表は9月6日(土)、アウェーでのバーレーン戦から9ヶ月に渡って行われるW杯アジア最終予選に臨む。

<日本代表出場メンバー>

GK
楢崎正剛
DF
高木和道
駒野友一
阿部勇樹
中澤佑二
MF
青木剛
→長友佑都(46分)
小野伸二
中村憲剛
→佐藤寿人(75分)
長谷部誠
FW
玉田圭司
→大黒将志(68分)
田中達也
→山瀬功治(76分)