9月17、24の両日に行われるAFC(アジアサッカー連盟)チャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝を前に、Jリーグから出場する浦和レッズのゲルト・エンゲルス監督、ガンバ大阪の西野朗監督、鹿島アントラーズのオズワルド・オリベイラ監督が揃って記者会見を行ない、ACLに向けての意気込みを語った。また、会見に先立って来年度以降のACLの改革案が発表され、決勝戦を中立地での単一決戦で行うなど、新たに生まれかわるACL像が見えてきた。
(写真:左から佐々木Jリーグ専務理事、浦和エンゲルス監督、G大阪西野監督、鹿島オズワルド監督)
 今年3月から5月にかけて行われたグループリーグを突破したG大阪と鹿島アントラーズに加え、グループリーグを免除されている昨年のアジア王者・浦和の3クラブがホーム&アウェー方式で行われるACL準々決勝に登場する。G大阪はアルカラマ(シリア)、鹿島はアデレード・ユナイテッド(オーストラリア)、浦和はアルカディシラ(クウェート)とそれぞれ対戦する。

 会見の席で鹿島・オリベイラ監督は「Jリーグを代表する監督とここにいることは非常に光栄だ。日本のクラブの代表をして、大会に参加することは大変意義がある。ACLは強豪が揃っており、高い競争意識が各クラブにある。準々決勝、準決勝と勝ち抜いて決勝戦が日本のクラブ同士で行われることをイメージしながら、高いモチベーションで試合に臨む」とJリーグのライバルにもエールを送りつつ、ACL制覇にむけての意欲を見せた。

 G大阪・西野監督は「過去のACLではアジアの壁や自分たちの力のなさを感じてきたので、今回は決勝トーナメントに進出することが目標だった。厳しい予選グループでアウェー3勝をあげられたことが予選突破につながった。3月から今頃までにチーム力を数段あげて決勝トーナメントに臨むつもりだったが、現在のチーム状況は厳しい。17日はシリアでのアウェーゲーム。なんとか予選を突破した力を思い起こさせて戦いたい」とリーグ戦で7月20日以降、勝ちのないチームの奮起を期待する言葉を口にした。

 浦和・エンゲルス監督は「日本の3クラブが決勝トーナメントに出場することは素晴らしい。優勝カップが日本に来る可能性は高いだろう。もちろんレッズがディフェンディングチャンピオンとして、もう一度(カップを)持ち帰ることを願っている」と連覇にむけての自信をのぞかせた。
(写真:2連覇を目指す浦和・エンゲルス監督)

 ACLは9月17、24日に準々決勝が行われた後、10月8、22日に準決勝、11月5、12日に決勝がそれぞれホーム&アウェー方式で行われる。

 また3監督の会見に先立ち、鈴木徳昭AFCプロリーグ特別委員会副委員長が2009、10年のACLについての改革案を説明した。

 これまでのACLと大きく変わる点は、AFC加盟国の中でランク付けを行い、ACLの出場枠を決定し、32クラブで大会が行われることだ。リーグの観客動員数や競技レベル、財務状況などから算出されたランキングで、日本はアジアトップの評価をされ4クラブの出場枠が割り振られることになっている。4クラブの内訳は、リーグ戦の上位3クラブ+カップ戦(天皇杯)優勝チーム。上位3クラブが天皇杯も制した場合、リーグ4位がACL出場権を得ることになる。

 ACLは大会の規模も大きくなる。AFCが年間2億円程度の予算で行っていた大会を、09年度から20億円の巨費を投じて行うことになった。そのうち14億円は出場クラブに還元されることになっており、決勝まで進出し優勝すると、クラブが獲得する賞金は2億3千万円ほどになる。これはJリーグの優勝賞金(2億円)よりも高額で、アジア最高賞金の大会ということになる。
(写真:アジア王者が手にする優勝カップ)

 また、決勝戦について、UEFAヨーロッパチャンピオンズリーグと同様に、中立国での単一試合で行われる。09年の決勝開催地や詳しい大会概要については、11月25日に行われるAFCプロリーグ特別委員会理事会の承認を経て、12月ごろ発表される予定だ。今回発表されたのは09、10年の大会の概要で、11年以降はまた見直されることになっている。

◇AFCチャンピオンズリーグスケジュール

■準々決勝
9月17日(水) 
鹿島アントラーズ × アデレード・ユナイテッド (カシマ)
アルカディシラ × 浦和レッズ (クウェート)
アルカラマ × ガンバ大阪 (ホムス)
9月24日(水)
アデレード・ユナイテッド × 鹿島アントラーズ (アデレード)
浦和レッズ × アルカディシラ (埼玉)
ガンバ大阪 × アルカラマ (万博)

■準決勝
10月8日(水)、22日(水)

■決勝
11月5日(水)、12日(水)