3日、サッカーU-22日本代表は4ヶ国大会(中国・瀋陽)の第2戦でU-22中国代表と戦い、スコアレスドローに終わった。アウェーの日本は中国の猛攻にさらされながら、得点を許さなかった。5日の最終戦ではU-22ボツワナ代表と対戦する。

◇8月3日、中国・瀋陽
U-22日本代表 0−0 U-22中国代表
 敵地での試合で辛くもドローに持ち込んだ。

 日本の先発は初戦の北朝鮮戦から6人が入れ替わった。2トップはFW平山とFW李。U-20世代のMF青山とDF福元が、この世代で初めて先発メンバーに名を連ねた。初戦に1ゴールを挙げたMF梅崎はベンチからのスタート。

 観客のほとんどは地元の中国市民、さらに4人の審判員は全員が中国人という絶対的なアウェーの状況の中、日本は序盤から我慢の展開が続いた。幾度となくセットプレーを与えてしまい、ゴールを脅かされる。34分には、左CKをDFワン・ホウリャンがニアサイドで強烈なヘッド。これはわずかに右に外れて、失点は免れた。

 守勢の日本は少ない好機を生かすこともできない。15分、ゴール前で相手のクリアを体に当てた李がボールを拾い、PA内に侵入するもシュートはGKに弾かれる。40分には、カウンターからタテパス1本でライン裏に抜け出したMF菅沼がPA右まで切り込んだが、フィニッシュまで持ち込めない。

 スコアレスで突入した後半でも、中国の優位は変わらなかった。開始1分と経たず、PA内から相手FWジュ・チンにフィニッシュに持ち込まれる。6分には、PA左でパスを受けたMFマオ・ジャンキンが左足で狙い済ましたシュートを放つが、ボールはゴール右へわずかに外れる。

 後半に入ってチャンスらしいチャンスをつくれない日本はリズムを変えるべく、梅崎と岡崎を投入。この2人がシャドーの位置から積極的に仕掛けたが、ネットを揺らすまでにはいたらない。

 それでも中国の猛攻を西川を中心とした守備陣が耐えしのいだ。スコアレスのまま、試合終了。ホームの中国相手にドローに持ち込んだ。この結果、日本と中国が1勝1敗の勝ち点4で並び、優勝の行方は5日の最終戦に持ち越された。日本は最終戦でボツワナと戦う。

<西川がMVP級の活躍>

 初戦の北朝鮮戦もアウェーだったが、今回はそれと比べ物にならないほどの厳しい環境だった。
試合後、反町監督が「今まで30数年間サッカーをやってきたが、こんな(敵国の)レフェリー下の戦いは初めて。大会全体にクエスチョンマークがついた」と顔をしかめれば、U-20世代のDF安田は「予想通りのラフなゲームだった。審判の判定がひどく、サッカーの試合にならないと思った」と怒りの表情だった。

 それでも、相手に1点もやらなかった。得点を奪えなかったのは心残りだが、ゴールを許さなかったことに価値がある。「守備陣がよく我慢してくれた」と平山が語るように、DF陣は北朝鮮戦に続いて体を張った守備を見せた。

 中でも主将のGK西川は今回のMVPと言っていいだろう。後半12分にカウンターから抜け出した相手FWとの1対1を絶妙な飛び出しで防ぐなど、獅子奮迅の活躍。本人は「自分が守ることができればゲームに負けることはないと思っていた。(失点ゼロは)自信になる」と充実の表情を浮かべていた。

 8月22日から始まる北京五輪最終予選は、4チームの中で1位だけに北京行きの切符が与えられる厳しい戦いだ。その前に、完全にアウェーの試合を乗り切ったことは大きな経験になる。

 ヤマ場は乗り越えた。「最終戦はレフェリーもイーブンでやってくれると思う」(反町監督)「中国に負けないように、1位になって日本に帰りたい」(安田)。中国との得失点差で2位に甘んじているが、最終戦に勝って大会制覇を果たすことで北京五輪最終予選に向けて弾みをつけたい。

<日本代表出場選手>

GK
西川周作
DF
田中裕介
河本裕之
福元洋平
安田理大

MF
青山準
⇒岡崎慎司(62分)
谷口博之
⇒枝村匠馬(72分)
上田康太
菅沼実

FW
平山相太
李忠成
⇒梅崎司(63分)