10月20日(月)
 20日、プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズ第1ステージ第3戦が行われ、土壇場で主砲に一発が出た中日が2−0で接戦を制し、昨季に続いて第2ステージ進出を決めた。

◇第1ステージ(第3戦)
 ウッズ、土壇場で決勝2ラン!(中日2勝1敗、京セラドーム)
中日   2 = 000000002
阪神   0 = 000000000
勝利投手 吉見(1勝0敗)
敗戦投手 藤川(0勝1敗)
セーブ   岩瀬(2S)
 1勝1敗で迎えた第1ステージの最終戦はともに今季3年目の中日・吉見一起と阪神・岩田稔の両先発陣の好投で息詰まる白熱した投手戦となった。

 まずは初回、ともに先頭打者が出塁し、スコアリングポジションにランナーを進めるも後続が続かず、先取点を奪うことができなかった。その後も両投手がほぼ完璧なピッチングを披露し、ゼロ行進が続いた。

 特に岩田は8回までわずか1安打に抑え、5回から8回までは4イニング連続で三者凡退に切ってとる好投で中日打線を全く寄せ付けなかった。だが、打線はその岩田を援護することができなかった。8回裏には2死ながら三塁にランナーを置くも、チャンスに強い2番・関本賢太郎からも快音は聞かれず。平凡なショートフライに倒れ、またも無得点に終わった。

 0−0のまま迎えた最終回。引き分けに持ち込んでもシーズン2位のアドバンテージとして第2ステージ進出が決まる阪神は、満を持して守護神の藤川球児をマウンドに上げた。だが、この土壇場で中日が底力を見せる。

 先頭打者は代打の切り札・立浪和義。立浪は藤川のフォークをきれいにセンターへ返し、出塁。立浪の代走には俊足の英智が出た。2番・荒木雅博はセオリー通り送りバントを決め、1死二塁に。このピンチに阪神バッテリーに痛恨のミスが出た。3番・森野将彦への初球、カーブがワンバウンドとなり、捕手の矢野が取りそこなった。矢野がボールを見失っている間、英智はすかさず三塁へ進み、中日はチャンスを広げる。

 結局、森野は藤川の剛速球に押されてセカンドフライに倒れるが、次打席には4番・ウッズが入った。一発を警戒する阪神バッテリーはカウント0−3とするも、なんとかフルカウントまで持ち込んだ。そして運命の6球目。矢野のミットは外角高めだったが、ボールはシュート回転して真ん中高めへ。ウッズはこのボールを逃すことなく、フルスイングした。打った瞬間にそれとわかるホームラン。中日に待望の先制点が入り、2点のリードを奪った。

 阪神にとってはあまりにも大きな2点だった。その裏、マウンドに上がった中日の守護神・岩瀬仁紀の前に3番・新井貴浩、4番・金本知憲、5番・鳥谷敬と自慢のクリーンアップから快音は聞かれず。三者凡退に終わり、今季限りで退任が決定している岡田彰布監督を胴上げする目標を果たすことはできなかった。

 シーズンで6勝17敗1分と大きく負け越した阪神に、自分たちの「守り勝つ野球」を貫いた中日。今季も短期決戦での強さは健在だった。23日からは日本シリーズ出場をかけて巨人と対戦する。連覇への戦いはこれからが正念場だ。