10月25日(土)
 プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズ第2ステージは25日、第4戦が行われ、巨人が6−2で勝利して2002年以来の日本シリーズ進出を決めた。

◇セ・リーグ第2ステージ(第4戦)
 主砲ラミレス、決勝2ラン(巨人3勝1敗1分、東京ドーム)
中日    2 = 000001010
巨人    6 = 00020004×
勝利投手 越智(1勝0敗)
敗戦投手 高橋(0勝1敗)
本塁打   (中)ウッズ3号ソロ
       (巨)ラミレス2号2ラン
 最後は4番が試合を決めた。今季、移籍してきた最強助っ人の一振り。巨人は昨年、涙を飲んだクライマックスシリーズを3勝1敗1分で制し、雪辱を果たした。

 第3戦を引き分けに持ち込んで王手をかけた巨人の先発は左腕の高橋尚成。一方、中日は第1ステージ第2戦でKOされた台湾人左腕のチェンを先発に立てた。

 試合が動いたのは4回だった。巨人はヒットと死球で無死1、3塁と絶好の先制機を迎える。期待の4番・ラミレス、5番・李承ヨプはいずれも打ち取られたが、谷佳知がレフトの左を抜くタイムリー。さらに続く坂本勇人もレフト前へ運び、巨人が2点を先取した。

 投げては高橋尚が5回までスコアボードにゼロを並べ、前半は巨人ペース。しかし、4番の一発がゲームをわからなくする。6回、中日・ウッズが高めに浮いた高橋尚の失投を振りぬくと、打球はレフトスタンド上の看板へ。特大のソロアーチで中日が反撃を開始する。

 そして8回、2番手の山口鉄也を攻め、中日は1死1、3塁のチャンスをつくる。ここで打席に入るはウッズ。巨人ベンチは越智大祐をリリーフに送り込む。レギュラーシーズンでウッズをノーヒットに封じている越智だったが、カウント2−1からの速球を力で外野まで運ばれた。ライトへの飛球は犠牲フライには充分な当たりでスコアは2−2。試合はついに振り出しへ戻った。

 前夜に続き、リードを守れなかった巨人。だが、レギュラーシーズンで最大13ゲームをひっくり返した底力はここから発揮された。その裏、死球で途中交代した小笠原道大に代わって途中出場の寺内崇幸が三塁線を破って出塁する。続くラミレスは中日・高橋聡文の甘いボールを見逃さなかった。初球を鋭く振りぬくと、左中間スタンドに飛び込む勝ち越し2ラン。その瞬間、巨人ファンが多数を占めた東京ドームは歓喜に沸いた。さらに巨人は、この回2点を加え、完全に中日の息の根を止める。

 こうなると最終回は満を持してクルーンが登場する。前日、1死もとれず降板させられた守護神はランナーを1人出しながら、最後は代打・立浪和義を空振り三振に仕留め、ゲームを締めくくった。敗れた中日は3年連続日本シリーズ出場ならず。第1戦こそ先勝し、短期決戦への強さをみせたが、投打ともに充実した巨人の前には歯が立たなかった。

 新方式が導入された今季のクライマックスシリーズはセ・パ両リーグともにアドバンテージを得たレギュラーシーズン1位チームが突破。巨人−西武(西鉄時代も含む)の日本シリーズは6年ぶり10回目で、過去は西武が6度日本一に輝いている。今年の日本シリーズは11月1日より、東京ドームで開幕する。

○巨人・原辰徳監督(8度胴上げされ、涙を浮かべる)
 日本シリーズで勝って胴上げしようと言っていたが選手に感謝したい。本当に強い選手たちになった。昨年の悔しさを持って戦った結晶だろう。レギュラーシーズンはタイガースが本当に強くて、クライマックスシリーズで戦ったドラゴンズはしぶといチームで息抜く暇がなかった。その中で勝てたことは価値がある。(日本シリーズは)久々に関東地区での戦いになる。胸躍る戦いにしたい。

【Jリーグ】

 名古屋、4戦連続ドローで足踏み続く(豊田ス)
名古屋グランパス 0−0 ジュビロ磐田

 残留争う両クラブ、勝ち点1ずつ分ける(西京極)
京都サンガ 0−0 東京ヴェルディ

 痛い敗戦で、優勝争いから一歩後退(ホムスタ)
ヴィッセル神戸 1−0 大分トリニータ
【得点】
[神戸]大久保嘉人(81分)

 狩野の2ゴールで、残留争いから完全に抜け出す(柏)
柏レイソル 1−3 横浜F・マリノス
【得点】
[柏]栗澤僚一(75分)
[横浜FM]狩野健太(39、84分)、田中裕介(53分)