11月1日(土)
 1日、日本シリーズが東京ドームで開幕し、日本一の座をかけ埼玉西武と巨人が激突した。西武・涌井秀章と巨人・上原浩治の先発で始まった第1戦は、1点差を凌ぎ切った西武が制し、先勝した。

◇第1戦
 中島、勝ち越しソロ(西武1勝、東京ドーム)
埼玉西武   2 = 000011000
巨人      1 = 000100000
勝利投手 涌井(1勝0敗)
敗戦投手 上原(0勝1敗)
セーブ   グラマン(1S)
本塁打   (西)後藤1号ソロ、中島1号ソロ
 互いに快勝して勢いに乗りたい初戦は大方の予想に反して息詰る投手戦となった。初回、上原はランナーを出すものの無失点に抑えると、2回以降は1安打も許さない好投を見せた。一方、涌井も3回まで三者凡退に切ってとる完璧なピッチングを披露し、序盤は両者の打線から快音は聞かれなかった。

 均衡を破ったのは4回裏、巨人は先頭打者の1番・鈴木尚広が相手エラーで出塁すると、2番・木村拓也の送りバントで二塁へ進む。3番・小笠原道大は空振り三振に終わるも、続く4番・ラミレスがライトへタイムリー二塁打を放ち、巨人が待望の先取点を挙げた。

 しかし、西武も負けじと5回表、先頭打者の6番・後藤武敏がセンターバックスクリーンに同点弾を放つと、さらに6回表には3番・中島裕之にも一発が出て逆転に成功した。

 その裏、巨人は1死一、二塁の場面、打席にはチャンスに強いラミレスが入った。しかし、涌井の初球、カットボールをひっかけピッチャーゴロに。これが併殺打となり、巨人はチャンスをいかすことができなかった。

 試合は西武1点リードのまま最終回へ。9回裏、西武は好投を続けてきた涌井に代え、グラマンを投入した。シーズン中からヒザに故障を抱え、不安定さを拭えないグラマン。その不安が的中するかのように先頭打者の木村に安打を打たれ、無死からランナーを出してしまう。

 しかし、次の小笠原の抜ければ完全に巨人に流れがいくという鋭い当たりをセカンドの片岡が好捕し、二塁はフォースアウトに。バックに助けられたグラマンは続くラミレスを併殺打に打ち取り、1点差を死守した。

 ビジターでの初戦に勝利した西武・渡辺久信監督は次のようにコメントした。
「最高にいい試合をしたいと思って臨んだが、初戦からいいゲームができてよかった。お互いのエースとエースのぶつかりあいで、見ごたえがあったと思う。(点が取れず)重苦しい雰囲気だったが、後藤が効果的なホームランを打ってくれて、主軸の中島が起死回生のホームランを打ってくれた。クライマックスでは競ったゲームをしていなかったので、久しぶりの接戦で選手たちはよく頑張った。若いチームなのでこの勢いで明日もとれるように一致団結してがんばりたい」

 また、8回を1安打に抑えた涌井は淡々とした表情で次のように語った。
「先取点を与えてしまったが、すぐに先輩の後藤さんが取ってくれたので頑張ろうと思った。向こうもエースだったので、1点差勝負になると思っていたが、いいピッチングができてよかった。次は最後まで投げきりたいと思う」

 第2戦は明日、同じく東京ドームで開催される。