11月2日(土)
 2日、日本シリーズ第2戦が行われ、土壇場で主砲の一発が出た巨人が埼玉西武にサヨナラ勝ちを収め、これで通算成績を1勝1敗とした。

◇第2戦
 巨人、ラミレスの一発でサヨナラ!(巨人1勝1敗、東京ドーム)
埼玉西武   2 = 000200000
巨人      3 = 010001001×
勝利投手 越智(1勝0敗)
敗戦投手 岡本真(0勝1敗)
本塁打   (西)中島2号2ラン
       (巨)ラミレス1号ソロ
 眠っていた主砲がついに目を覚まし、チームに大きな1勝をもたらした。
 第1戦に続いて先制したのは巨人だった。2回裏、1死二、三塁とすると8番・鶴岡一成の犠牲フライで三塁ランナーの李がタッチアップ、先制のホームを踏んだ。投げては先発の高橋尚成が3回まで1人のランナーも許さないパーフェクトピッチングを披露した。

 しかし4回表、1死三塁の場面で前日、試合を決める貴重な勝ち越しソロを放った3番・中島裕之が2試合連続となる一発を東京ドームのスタンドに運び、西武が逆転に成功した。

 それでも高橋は5回も無安打に抑え、打たれた安打はわずか2本と力投する。だが、打線は毎回ランナーを出しながらもあと一本が出ず、高橋を援護することができずにいた。

 最初にベンチが動いたのは西武だった。6回表、先発の帆足和幸に代えて平尾博嗣を代打に送った。その平尾が甘く入ったスライダーをライトへ打ち返した。続く片岡が送りバントを成功させると、2番・栗山巧は粘って四球を選んだ。ここで巨人は疲れの見え始めた高橋に代え、西村健太朗をマウンドに送る。その西村が中島、4番・中村剛也を打ち取り、ピンチを切り抜けた。

 ピンチのあとにチャンスあり。巨人はその裏、先頭打者の7番・坂本勇人がこの試合自身初安打で出塁すると、鶴岡は送りバントを決め、1死二塁とした。ここで巨人は亀井義行を代打に送る。その亀井がこの回からマウンドに上がった大沼幸二のフォークをうまくとらえ、鋭いライナーをライトへ運んだ。二塁ランナーの坂本が一気に三塁をまわり、同点のホームを踏み、試合を振り出しに戻した。

 その後はともにリリーフ陣が踏ん張り、2−2のまま試合は最終回へと突入した。西武は2番・栗山巧からの好打順だったが、8回に続いて巨人の3番手・越智大祐に三者凡退に切ってとられた。

 そしてその裏、西武は岡本真也を投入した。まずは負傷した小笠原道大に代わって途中から出場した寺内崇幸を三振に打ち取る。続いて打席にはこの試合も無安打のラミレスが入った。ラミレスは第1戦に続き、この試合でも絶不調を極めていた。初回の2死三塁、5回の1死二、三塁というチャンスにファーストゴロに倒れ、3打席目も快音は聞かれなかった。

 そのラミレスが土壇場で本領を発揮した。岡本の2球目、スライダーが甘く入ると、ラミレスはそれを見逃さず、フルスイング。打球はグングン伸び、バックスクリーン左横へ入った。打った瞬間にそれとわかるサヨナラホームランに、巨人ファンは総立ち。「ラミレス」コールが鳴り響く中、満面の笑みでラミレスはダイヤモンドを一周した。

 劇的なサヨナラ勝ちを収めた巨人。興奮鳴り止まぬ中、原辰徳監督は笑顔で次のようにコメントした。「この一年、(ラミレスは)こういう場面を幾多もはねのけてくれましたから。巨人にとっても彼にとっても大きな一発だった。これからガンガン打ってくれると思う。明日は一日時間があるのでリフレッシュして、西武ドームでもしっかりと戦っていきたいと思う」

 そしてチームを救ったラミレスは喜びを次のように語った。
「最高の気分。(最後の打席は)前の打席で全部ゴロでアウトになっていたので、次は一発を狙っていた。最高のスイングができた。ドームでしっかりと勝てたので、この調子で西武ドームでも戦いたい」