17日、「クラブワールドカップ2008」準決勝が東京・国立競技場で行なわれ、南米代表のリガ・デ・キト(エクアドル)が北中米カリブ海代表のパチューカ(メキシコ)を2−0で下し決勝進出を決めた。前半4分に早々と先制したリガ・デ・キトは、26分にも直接フリーキックを決め追加点を挙げる。後半はパチューカが圧倒的に攻めるが得点は奪えず、前半のスコアのままリガ・デ・キトが逃げ切った。リガ・デ・キトは21日に行われる決勝(横浜国際競技場)で、明日行なわれる準決勝のガンバ大阪とマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)の勝者と戦う。

◇12月17日、国立
パチューカ 0−2 リガ・デ・キト
【得点】
[リ] クラウディオ・ピエレル(4分)、ルイス・ボラーニョス(26分)
 冷たい雨が降り続く中、キックオフされた試合はいきなり動き出す。前半4分、パチューカ陣深く進入したFWクラウディオ・ピエレルがドリブルで左サイドからゴール前へ。パチューカDFも喰らいつき、ボールを一旦クリアするが、クリアボールが他のDFに当たりこぼれる。そこへピエレルが再び反応しシュートを放った。不意を突かれたGKミゲル・カレロはセーブすることができず、リガ・デ・キトが早々に先制点を挙げた。

 得点後は試合も落ち着き、ボールを持ち続けたのはパチューカだった。細かいパスを回し好機をうかがう。一方、リガ・デ・キトは前線から積極的な守備を見せる。高い位置でボールを奪うと、ピエレルとMFアレハンドロ・マンソ、MFルイス・ボラーニョスの3人が強烈なカウンター攻撃を繰り出しパチューカゴールへ迫った。試合後、リガ・デ・キトのエドガルド・バウサ監督は「この形は数カ月前から練習していた。3人の動きが素晴らしかった」と鋭い動きをみせた3人の働きを絶賛していた。

 そのカウンターからチャンスを得たのは前半26分。パチューカゴール正面で、DFのハンドを誘いフリーキックを獲得した。パチューカがゴール前に作った壁には8人が入ってたが、キッカーのボラーニョスには関係なかった。右足から放たれたシュートはゴール右隅に吸い込まれ、リガ・デ・キトがリードを2点に広げた。

 その後もパチューカがボールを回し、リガ・デ・キトが高い位置でのインターセプトからカウンターという試合展開になった。これもバウサ監督の狙い通りだった。「まずこの試合は守備に力を入れた。パチューカは攻撃的なチーム。まずは守ってチャンスを作ることを考えた。ボランチ2人がいい動きをするので、そこでプレスをかけることができれば何かができると感じていた。狙い通り得点を奪うことができたと思う」と試合後にコメントしている。

 前半に2点を奪ったリガ・デ・キトがこのまま勝利し、決勝への切符を手に入れた。ボールポゼッションは圧倒的にパチューカが上回ったが、試合を支配していたのはリガ・デ・キトだった。監督の采配がズバリ的中した、スコア以上の完勝だった。

 バウサ監督は「現時点で世界ナンバー2のクラブになったことは非常に名誉だ。南米代表としての重責を果たすことができたし、この挑戦はチャレンジし甲斐がある。選手たちは本当によくやっている。しかし自分たちは世界王者になるために来ている。相手は決まっていないが、決勝で全力を出せるように残り3日間を過ごしたい」と語った。

 サッカー大国とは言えないエクアドルからやってきたクラブが世界王者に王手をかけた。壮大なチャレンジは21日、横浜でクライマックスを迎えることになる。果たしてどのような結末が待っているのだろうか。


<今後のスケジュール>

【5位決定戦】
◇12月18日(木)
・アフリカ代表アルアハリ(エジプト) × 開催国枠アデレード(オーストラリア)

【準決勝】
◇12月18日(木)
・アジア代表ガンバ大阪(日本) × 欧州代表マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)