4月3日(金)

 3日、NPBペナントレースが開幕した。今シーズンは6年ぶりにセ・パ両リーグ同時スタートとなり、全国6カ所で熱戦が繰り広げられた。WBCで連覇を果たした日本代表メンバーの活躍が注目されたが、序盤から連打を浴びたダルビッシュ有(北海道日本ハム)や小松聖(オリックス)、無安打に終わった青木宣親(東京ヤクルト)に対し、無難なピッチングで勝利投手となった岩隈久志(東北楽天)、4打数4安打の猛打を見せた片岡易之(埼玉西武)とそれぞれ明暗分かれるスタートなった。また新監督を迎え、新たなスタートを切った福岡ソフトバンク、阪神はともに開幕戦を白星で飾り、幸先よいスタートを切った。
◇パ・リーグ
 細川、逆転3ラン!(千葉マリン)
埼玉西武    5 = 000013010
千葉ロッテ   2 = 002000000
勝利投手 涌井(1勝0敗)
敗戦投手 清水(0勝1敗)
セーブ   グラマン(1S)
本塁打  (西)ボカチカ1号、細川1号

 昨年に続いて開幕投手に指名された涌井秀章だったが、3回裏、5年ぶりに日本球界復帰となった井口資仁に2点タイムリーを打たれる。しかし、これで目が覚めたエースはランナーを背負いながらも要所を締める粘りのピッチングを見せた。これに打線が応えた。ロッテ先発の清水直行の前に4回まで無得点に終わっていた西武は、5回表に1点を返すと、続く6回表には1死一、二塁から細川亨に一発が出て逆転に成功する。投げては涌井からバトンを受け取ったリリーフ陣が危なげないピッチングでロッテ打線を封じ、王者西武が開幕戦を制した。

  和田、3安打完封勝ち(ヤフードーム)
オリックス       0 = 000000000
福岡ソフトバンク   8 = 10303010×
勝利投手 和田(1勝0敗)
敗戦投手 小松(0勝1敗)

 昨季、9年ぶりのAクラス入りを果たしたオリックスは、今季も有力な優勝候補とされている。しかし、先発の小松聖が序盤からソフトバンク打線につかまり、防戦一方の試合展開となった。一方、昨季12年ぶりに最下位に陥ったソフトバンクは、今季への意気込みの強さが垣間見えた。なかでも松中信彦が先制の犠飛を皮切りに、3打数3安打4打点と大暴れ。主砲に引っ張られるかのように、ソフトバンクは打線が2ケタ安打の猛攻を見せた。投げては先発の和田毅が強打のオリックス打線をわずか3安打に抑える完璧なピッチングを披露。WBCではメンバーから漏れ、悔しい思いをした投打の柱が奮起したソフトバンクが最高のスタートを切った。

 ダルビッシュ、初回にまさかの3失点(札幌ドーム)
東北楽天       3 = 300000000
北海道日本ハム   1 = 001000000
勝利投手 岩隈(1勝0敗)
敗戦投手 ダルビッシュ(0勝1敗)
セーブ   有銘(1S)
本塁打  (中)セギノール1号

 日本ハム・ダルビッシュ有、楽天・岩隈久志とWBCでも活躍したエース同士の対決が注目されたこの試合は、予想外の展開となった。初回、ダルビッシュがいきなり鉄平のタイムリー、元チームメイトのセギノールの2ランで3失点を喫した。2回以降は追加点を許さない好投を見せたが、打線は打たせて取る丁寧なピッチングを続ける岩隈から3回裏に1点返すのが精一杯。結局、初回の失点が大きく響き、日本ハムはホーム開幕を白星で飾ることはできなかった。


◇セ・リーグ
 広島、5回に打者一巡の猛攻で大量得点(東京ドーム)
広島   6 = 100500000
巨人   3 = 003000000
勝利投手 ルイス(1勝0敗)
敗戦投手 グライシンガー(0勝1敗)
セーブ   永川(1S)
本塁打  (広)シーボル1号2ラン
      (巨)小笠原1号2ラン、ラミレス1号ソロ

 外国人投手同士の投げあいとなったこの試合、投手戦という予想とは裏腹に序盤から打撃戦となった。先制したのは広島。初回、2死二塁から栗原健太にタイムリーが出る。だが、巨人は得意の長打で応戦。3回裏に小笠原道大、ラミレスの2者連続となる本塁打で逆転に成功した。ところが4回表、シーボルの2ランで同点とした広島は、2死から赤松真人、東出輝裕の1、2番コンビの連続タイムリーで再びリードを奪い、昨季最多勝利投手の巨人・グライシンガーを早々と降ろした。一方、広島は7回以降をシュルツ、横山竜士、そして守護神・永川勝浩と小刻みな継投でつなぎ、開幕戦を白星で飾った。3連覇を狙う巨人は昨季に続く黒星スタートとなった。


 41歳・金本、先制打&本塁打!(京セラドーム)
東京ヤクルト   2 = 000010100
阪神        5 = 13100000×
勝利投手 安藤(1勝0敗)
敗戦投手 石川(0勝1敗)
セーブ   藤川(1S)
本塁打  (ヤ)ガイエル1号ソロ
      (阪)関本1号3ラン、金本1号ソロ

 昨季13ゲームを引っくり返された悔しさを胸に雪辱を誓う阪神は、序盤に打線が爆発。初回に41歳の誕生日を迎えた金本のタイムリーで先制すると、2回裏には関本賢太郎の3ラン、3回裏には金本が自らの誕生日への祝砲を放ち、阪神が試合の主導権を握った。ヤクルトもガイエルの本塁打などで反撃する。しかし、阪神は先発の安藤優也が再三のピンチに苦しみながら要所を締め、最後はウィリアムス、藤川球児と磐石の投手リレーで逃げ切った。WBCでベストナインに選ばれ、活躍が期待された青木宣親は4打数無安打に終わった。

 中日、本塁打攻勢で快勝(ナゴヤドーム)
横浜   1 = 001000000
中日   4 = 01020010×
勝利投手 浅尾(1勝0敗)
敗戦投手 三浦(0勝1敗)
セーブ   岩瀬(1S)
本塁打  (中)ブランコ1号ソロ、森野1号ソロ、和田1号ソロ・2号ソロ

 中日が全打点を本塁打で稼いだ。2回裏、ブランコが先制本塁打を放つと、同点に追いつかれた後の4回裏には森野雅彦、和田一浩にも一発が出て勝ち越した。さらに7回裏には和田がダメ押しとなるソロ本塁打。ウッズ、中村紀洋が抜け、長打力不足を払拭するかのような鮮やかな本塁打攻勢で中日が開幕戦を白星で飾った。