2日〜10日にファイナル4進出をかけて開催されるカンファレンス セミファイナル。5、6日にはウエスタン・カンファレンス1位、昨季の最下位から一気に躍進した琉球ゴールデンキングスと、昨シーズンの雪辱を果たし初のファイナル進出を目指す同4位のライジング福岡が対戦する。果たして、どんな戦いが繰り広げられるのか。沖縄はヘッドコーチ(HC)、福岡は代表選手にそれぞれ意気込みを訊いた。

「福岡攻略のカギはパスワークにあり!」(琉球ゴールデンキングス/桶谷大HC)
 今季は41勝11敗でウエスタン・カンファレンスの首位に立つことができました。この躍進の要因には個人個人の能力の高さはもちろんですが、それ以上にチームワークが挙げられます。

 今季の沖縄は実にさまざまなスタイルの選手が揃っています。たとえばオフェンスにしてもインサイドワークに強い選手もいれば、アウトからの3Pを得意とする選手もいる。まさに十人十色です。それが功を奏しました。互いに尊重しあうことで、それぞれの長所を消すことなく、うまく融合することができたのです。それがチームワークとなり、結果にもつながったのだと思います。

 特に起点となったのがG澤岻直人、Cジェフ・ニュートン、Fアンソニー・マクヘンリーの3人。なかでもジェフの加入は大きかったですね。彼はリバウンドに強く、さらにリバウンドを取ってからのパス出しが非常に速い。おかげでディフェンスリバウンドから速攻というかたちはもちろん、オフェンスリバウンドでもゴール下に一度集中した相手のディフェンスが再びセットアップする前に、アウトからポイントゲッターがシュートを打つことができます。

 また、彼のポジションはセンターですが、アウトサイドからでもシュートを狙える器用さをもった得点能力の高い選手でもあります。そのため、相手からは常に厳しくマークされます。しかし、逆に彼がおとりとなり、外からG金城茂之が3Pを狙ったり、インサイドのCクリス・エアーを使ったり……と他の選手が攻撃しやすくなる。エースがマークされても、他でカバーできるのが沖縄の強みといえます。

 さて、5月5日、6日に行なわれるカンファレンス セミファイナルではライジング福岡と対戦します。福岡はプレスディフェンスをしき、どんどんプレッシャーをかけてくるチームで、確かにやりにくさはあります。しかし、澤岻や金城といったガードの選手だけでなく、ジェフやマクヘンリーもボールを運ぶ能力が高いため、速いパスワークでフィニッシュにまでもっていくことができます。そのため、今季は福岡に一度も負けることなく全勝することができました。プレイオフでもディフェンスリバウンドから素早くフィニッシュまでもっていくことがポイントとなると思います。

 キーマンをあげるとしたら、やはりジェフ・ニュートンでしょう。今季はリーグ最高勝率.788をマークしての首位と戦績だけを見ればブッチギリで勝っているイメージをもたれている方も少なくないでしょう。しかし、1試合1試合を見ると、実は1点や2点といった僅差で勝っている試合が結構あります。こうした接戦をモノのにしたからこその首位獲得なのです。その一番の要因がジェフのここ一番での高い集中力でした。プレイオフでも大黒柱として、きっとチームを牽引してくれることでしょう。

 地元のブースターの皆さんにはスピード感あふれ、躍動感のある沖縄らしいバスケットを見せたいですね。プレイオフでも福岡はどんどんプレッシャーをかけてくるでしょうから、速さで圧倒したいと思っています。


「アウェイでの強さを武器に」(ライジング福岡/川面剛選手)
 昨季は設立1年目ながらプレイオフ進出を果たし、いいシーズンを送ることができました。しかし、今季は外国人選手がFマイケル・パーカー以外は全て入れ替わったこともあり、チーム全体にジョン・ニューマンHCが目指すバスケットが浸透するのに多少、時間がかかってしまいました。そのため開幕から3連敗とスタートでつまづき、10勝16敗の5位で前半戦を終えました。

 それでも年明け以降は徐々にチームが機能し始めました。特に今季から加入したG三友康平やシーズン途中に大阪エヴェッサからトレード移籍したG呉屋貴教の活躍は大きかったですね。年末に僕が右肩を故障した時も三友がうまくチームを引っ張ってくれました。おかげでチームの芯の部分がしっかりしてきたように思います。とはいえ、現在はケガをしている選手も少なくありません。特にスコアリーダーであるパーカーは右ヒザ痛で最後の3試合を欠場しました。セミファイナルに出場できるかどうかは微妙なところで、早い回復を祈るばかりです。

 さて、セミファイナルでは琉球ゴールデンキングスと対戦します。琉球はインサイドワークに強く、また外からのシュートもあります。さらに得点能力の高い選手たちをうまくコントロールするG澤岻直人がいますので、本当にスキのない強豪です。

 その琉球と対戦するにあたってポイントとなるのがリバウンドです。リバウンドが取れなければ勝負になりませんので、ゴール下での攻防は非常に重要です。リバウンドに強いパーカー不在となれば、僕らガードの選手もいつも以上に積極的に取りにいく意識をもつことが不可欠だと思っています。そして自分たちのバスケットをするという意味では、プレスディフェンスで高い位置からどんどんプレッシャーをかけて相手のミスを誘うこと。そしてパーカーがいなくても、一人ひとりがゴールに執着心をもって積極的に攻めていくことが勝利に結びついてくるはずです。

 昨季のプレイオフはレギュラーシーズン6連勝という波に乗り、ワイルドカードでは10ゲーム差もあった高松ファイブアローズを破り、ファイナルステージに進むことができました。しかし、地区チャンピオンを決める大阪エヴェッサ戦では僕らの動きが全て読まれていました。やはり勢いだけでは勝てない。きちんとした戦略が必要だということを実感させられた試合でした。今回はその反省をぜひいかしたいと思っています。

 琉球にはレギュラーシーズンで8戦全敗を喫しています。しかし、だからこそ僕たちには失うものは何もないという楽な気持ちで挑むことができる。これは僕たちのアドバンテージとなるでしょう。また、今季はホームでは9勝17敗と大きく負け越しているにもかかわらず、アウェイでは13勝13敗と好成績を残しています。このアウェイでの強さがプレイオフでもいきてくるはず。相手が受けるプレッシャーを逆手に取って、福岡らしいアグレッシブなバスケットをしたいと思います。

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