16日、東京・有明コロシアムでbjリーグ08−09ファイナル4が行われ、ウエスタンでは琉球ゴールデンキングス(沖縄)が大阪エヴェッサを、またイースタンでは東京アパッチが浜松・東三河フェニックスをそれぞれカンファレンスファイナルで破り、明日のファイナル進出を決めた。敗者の大阪と浜松は3位決定戦に臨む。

◇ウエスタン・カンファレンス ファイナル
 沖縄、最大17点差をひっくり返す
琉球ゴールデンキングス 93−87 大阪エヴェッサ
【第1Q】21−19【第2Q】20−27【第3Q】22−30【第4Q】30−11

 沖縄が大逆転の末にプレイオフで大阪に初めて土をつけ、初のファイナル進出を決めた。
「選手たちは諦めずによくやってくれた。自分がコーチをしていてなんだが、底知れぬ力をもっているチームだ」
 試合後の会見ルームに現れた桶谷大ヘッドコーチ(HC)の顔は前日の会見とはうってかわり、満面の笑顔がこぼれていた。

 1Qこそディフェンスリバウンドを制し、2点リードで終えた沖縄だったが、つかみかけていた流れを引き寄せることができず、2Qは大阪に逆転を許して5点ビハインドで折り返した。一方、大阪はポイントの一つとしてあげていたG金城茂之を無失点に抑える完璧な守りを見せる。

 3Qに入ると、大阪のGナイル・マーリーが爆発。内外から次々と得点をあげ、Fリン・ワシントン、Fライアン・ブラックウェルとともに得点を重ねていった。最後はワシントンのシュートで10点差をつけた直後にマーリーが3本目の3Pをきれいに決め、ダメ押しする。これで流れは完全に大阪にいくかと思われた。

 4Qもワシントン、マーリーと立て続けにシュートを決め、大阪はこの試合最大となる17点差をつける。だが、沖縄は決して諦めていなかった。「彼らの目は死んでいなかった」という桶谷HCの言葉通り、ここから沖縄が驚異の集中力で猛追する。Cジェフ・ニュートンが2度にわたりバスケットカウントでフリースローを得て、一気に6点を挙げる。さらにG澤岻直人のフリースロー、Cクリス・エアーのダンクシュートが決まると、今度は金城がこの試合初めてとなる3Pを決めた。その間、大阪は1点も入れることができず、両者の差は2点にまで縮まった。

 しかも大阪はファイブファウルでマーリーが退場となってしまう。ここから一進一退の攻防が続いたが、残り30秒をきったところでニュートンが値千金の3Pを決めた。結局、これが決め手となり、沖縄が「有明で大阪を倒す」という最大の目標を果たしてファイナル進出を決めた。勝利の立役者となったニュートンはこの試合50得点をたたき出し、リーグ史上最多記録を樹立した。


◇イースタン・カンファレンス ファイナル
 東京、2年連続でのファイナル進出
浜松・東三河フェニックス 84−89 東京アパッチ
【第1Q】19−28【第2Q】21−14【第3Q】21−24【第4Q】23−23

 Gマイケル・ガーデナー14得点、G/Fマーカス・モリソン16得点。浜松の得点源であるはずの2人のロースコアがこの試合の全てを物語っている。
「マイケルは今日は全く落ち着きがなく、異常だった。これは危ないなと思っていた」と浜松の中村和雄ヘッドコーチ(HC)は試合後の会見で、試合前から危惧していたことを打ち明けた。指揮官の不安はそのまま的中した。マイケルとモリソンが執拗なマークにあい、なかなかリズムに乗れない浜松に対し、東京はSG城宝匡史の3P、Gジョン・ハンフリーのアーリーウープなど個人技を次々と披露し、得点を重ねていった。

 序盤、城宝にスチールされ、シュートを決められたガーデナー。これで集中力が切れたのか、雑なプレーを繰り返す。見兼ねた中村HCがタイムアウトを取ったが、その後もガーデナーは冷静になることができなかった。司令塔を失ったも同然となった浜松はいつもの爆発力は影をひそめ、東京にいいようにやられてしまう。

 それでも2Qは途中、ガーデナーを下げると、チームが機能し始める。モリソン、236センチの長身センター・孫明明、G/Fレヴォン・ジョーダンといった外国人選手の活躍で東京との差を2点にまで縮め、前半を終える。だが、続く3Qは浜松がファウルを多発し、東京に22本ものフリースローを与えた。これをG青木康平、ハンフリーが全て決めるなどして、17得点を稼いだ東京が再び5点差と引き離した。

 迎えた4Q、モリソンが城宝のファウルで得たフリースローを3本全て決めると、FCスタンリー・オシティの3Pで一気に6得点をあげ、浜松は1点差に迫った。しかし、東京はFデミオン・ベーカーが活躍。浜松に流れがいきかけると、すかさずベーカーが得点し、決してリードを許さなかった。

 終盤、再び浜松に逆転のチャンスが訪れた。スタンリー、マイケルと続けて3Pが決まり、またも1点差としたのだ。ほとんど時間のない中、浜松は果敢に3Pを狙う作戦に出た。しかし、これがことごとく外れてしまう。その間、東京は着実にシュートを決め、6点差とする。それでも残り3秒のところで浜松は、G大口真洋が貴重な3Pを入れ、3点差とした。しかし、反撃もここまでだった。最後はファウル狙いで反撃をしかけようとしたが、ベーカーに確実にフリースローを決められ、逆にリードを広げられたところでゲームセットとなった。

 レギュラーシーズン2勝6敗と分が悪いと思われていた浜松に一度もリードを奪われずに勝利した東京。その勝因をジョー・ブライアントHCは次のように述べた。
「とにかくディフェンスがよかったことにつきる。今日はマイケルを青木に、モリソンを城宝にマンツーマンさせ、他の3人はゾーンという“トライアングルツー”をしいた。いつも以上にスタンリーには打たれが、とにかくマイケルとモリソンに打たせたくなかった。2人さえ抑えれば、浜松の得点は進まないからだ」
 実はこれはレギュラーシーズンには採用せず、プレイオフ用にとっておいたのだという。一度見せてしまえば、浜松が対策を講じることができる。そうさせないために、大事に温めてきたのだ。設立4年目、3度目のプレイオフに挑む東京と、今シーズンから新規参入したばかりの浜松。最後は経験の差が出たかたちとなった。


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