当HP編集長の二宮清純がインタビュアーを務めるBS朝日の新番組「勝負の瞬間(とき)」で第1回分として放送された内川聖一編が、好評につき再放送が決まりました。24日(日)、16:00より放送です。この番組では毎回、各スポーツの一流たちをお招きし、トップを極めたテクニックと、その思考法に迫ります。今までのスポーツ番組とは一味違ったインタビュードキュメントです。
(写真:バットを持ち独自の打撃論を熱く語る内川選手)
 番組の前半では、日本が連覇を果たしたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の舞台裏を内川選手に直撃。決勝戦でのファインプレーをなし得た理由から、2次ラウンド韓国戦でのホームランにつながった原辰徳監督のアドバイス、すべてをかけた1次ラウンド韓国戦の第1打席などを、たっぷりとたっぷりと語ってもらっています。

 そして、後半では内川選手がバットを片手に昨季.378の高打率を記録したバッティングの秘訣を披露。こんなインタビューが展開されています。

二宮: バッターの中には調子がいい時は、ボールの縫い目まで見えるという選手がいます。内川選手は?
内川: 見えます、見えます。ボールがどっちに回転しているか、縫い目の動きが見えます。フォークだと回転がかからないから、ホワホワホワッと縫い目が近づいてくるように見える。
 去年の一番いい時はピッチャーが投げる前に、だいたいこの辺りに来るなというのがわかります。その通りにピューとボールが来て、目の前でボンと大きくなる感覚がありました。後はそれをバンとバットで叩けばヒットになる。

二宮: その感覚はさすがに1年通じてではないでしょう?
内川: 2打席だけです。もし、その感覚でずっとできたら、4割、5割くらいは打てるんじゃないですか。

二宮: 内川選手のバッティングを見ているとヒットコースが非常に広い。内の厳しいコースも引っ張れるし、外のボール球でも、きっちりライト前に運べる。ここはひとつの特徴ではないでしょうか。
内川: 僕の中ではストライクゾーンを通常よりズラして打席に入っているんです。たとえば外を狙うと決めれば、左打席のライン上まで自分のストライクゾーンを外に広げて構える。もし、狙いが外れてインコースにボールが来れば、その時はあきらめます。

二宮: そこまではっきり狙い球が絞れるのは配球を読めているからですか? それともヤマ張り?
内川: うーん。ヤマももちろんあります。ただ、対戦を重ねるごとに「外のボールが多い」とか「インコースにどんどんきている」とか感じることがある。そういう部分を大切にしています。自分の中で「これだ」というものがあったほうが自信が持てますから。

二宮: 僕は内川さんに一番近いタイプのバッターを知っています。長嶋茂雄さんです。長嶋さんもストライクゾーンがあってないような感じだった。投げるピッチャーとしてはイヤだったと思います。
内川: 僕は審判がつくるストライクゾーンがストライクとは思っていないですからね。あれは野球のルール上、勝手にストライクだと決めているだけ。そこは僕のストライクゾーンとは違う。そう思っています。審判が従っているストライクゾーンとは別に、自分の打てるストライクゾーンをつくっちゃえばいいんですよ。

二宮: その発想はすごいなぁ。普通の野球選手とは考え方が違う。
内川: よくボール球を打ったらヒットにならないとか言いますけど、そうじゃないですよ。ボール球でも、自分の中でのストライクゾーンであればヒットになる。なぜ、そこを打とうとしたのかという考えがしっかりあればいい。それが説明できないなら、打たされたのと一緒。なんとなく打ってしまえば、次も同じようになんとなく打ってしまう。自分で考えて打っていれば、たとえアウトになっても、次に活かせるんじゃないですか。
>>この続きは番組をお楽しみ下さい。

 他にも「前の肩が開かないためには後ろの肩を出さない」「ステップする足は上げる前の場所に戻す」「素振りの時は音が出る場所にも気をつける」など、納得の打撃論が次々と飛び出します。アマチュアの現役選手はもちろん、少年野球の指導者、草野球でもっと打ちたい大人たちも必見の内容です。「究極の打撃は10割打つこと」と語る最強打者がつかんだ打撃のエッセンスを余すところなくお届けします。

 この内川聖一編に続き、第2回放送では日本人で初めて世界最高峰のバスケットボールリーグであるNBAを経験した田臥勇太選手が登場。こちらは31日(日)22:00〜22:55の放送です。さらに第3回(6月末放送予定)では、野球界きっての知将がついに登場。番組は今後も、月1回ペースで2010年3月まで全12回のシリーズになる予定です。どうぞ、お見逃しなく!

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