8日、AFCアジアカップ2011カタール大会予選グループA第3戦が静岡アウトソーシングスタジアムで行われ、日本代表は香港代表と対戦した。前半18分、長谷部誠(ヴォルフスブルク)からのスルーパスを受けたMF岡崎慎司(清水)が先制点を挙げる。その10分後にもゴールポストに当たったシュートのはね返りを拾った長友佑都(F東京)が豪快なシュートで追加点を挙げた。後半にはコーナーキックからの2点と岡崎の2ゴールで4得点を挙げ、6−0で試合終了。アジア杯予選グループAでの成績を2勝1敗とした。日本代表は10日にスコットランド代表と横浜で、14日にトーゴ代表と宮城で対戦する。

 岡崎、地元開催の試合で大爆発(アウスタ)
日本代表 6−0 香港代表
【得点】
[日] 岡崎慎司(19分、75分、76分)、長友佑都(29分)、中澤佑二(50分)、田中マルクス闘莉王(67分)
 10月に迎える代表3連戦。その初戦はアジアカップ予選の香港戦だ。本来は11月のインターナショナルマッチデーに予定されていた試合だが、岡田武史監督の要望でその日程では南アフリカとのアウェー戦が組まれることとなった。代わりに行われる10月7日の試合は、国際親善試合の2日前に行われる強行軍だ。

 現在の日本代表にはFW森本貴幸(カターニャ)やMF石川直宏(F東京)や、初招集のGK山本海人(清水)、DF岩下敬輔(清水)と新たな力が加入している。しかし、岡田監督が香港戦で起用したのは、これまでの岡田JAPANで実績のある選手たちだった。格下の香港相手とはいえ、確実に勝ち点3を得るために、チームのコンセプトを理解したメンバーで戦う姿勢が見られた。アジア杯予選では、第2戦のバーレーン戦(アウェー)で敗れているため、ここで勝ち星を取りこぼすことになれば厳しい状況となる。それだけに、勝負にこだわる姿勢を見せるメンバー起用だ。

 試合は立ち上がりから日本が圧倒的に攻めた。特に目立ったのは左サイドからの攻撃だ。幾度となくサイドバックの長友がオーバーラップを見せ、チャンスを演出する。オランダ遠征でフィジカルの強い選手たちとも互角に立ち回った長友だが、完全に日本の攻撃の武器になりつつある。この日も積極的に攻撃参加を試みた。

 先制点が入ったのは前半19分。ピッチ中央で遠藤保仁(G大阪)からのボールを受けた長谷部がDFラインの裏へスルーパス。DFライン上から抜け出した岡崎が落ち着いてトラップし、左サイドネットへシュートを冷静に流し込んだ。岡崎は代表通算9ゴール目。アジア杯予選では初戦のイエメン戦に続き先制点を挙げた。初めて清水で行なわれた代表戦で、地元の岡崎がゴールを決めた。

 さらに前半29分。岡崎は再びチャンスを作る。ペナルティエリア内でボールを受け、すばやく右足でシュート。ボールはゴールポストに当たり、追加点とはならなかったが、そのこぼれ球を拾ったのは長友。ドリブルで左サイドからペナルティエリアに侵入し、鋭く右足を振りぬいた。シュートはニアサイドからゴールに吸い込まれ日本に2点目が入った。

 前半はこのまま2−0で終了。日本はシュート13本、ボール支配率65%と香港を圧倒し、後半へ折り返した。

 後半も一方的な日本ペースとなった。5分にはコーナーキックからDF中澤佑二(横浜FM)がヘディングシュートを決めダメ押し点を奪い、さらに22分にも、コーナーキックから田中マルクス闘莉王(浦和)が押し込み4−0。その後も、前線の岡崎らに多くのパスが供給され、数多くのチャンスが作られた。

 そして迎えた後半30分、31分には岡崎が立て続けにゴールを決めた。2点目はヘディングで、3点目は佐藤寿人(広島)が放ったシュートのこぼれ球に素早く反応し、ゴールへ押し込んだ。

 岡崎は代表デビュー一年足らずで早くも通算ゴールを11とした。もはや日本代表で不動のFWとなった彼が、地元で大暴れ。岡崎に始まり、岡崎で終わった試合となった。

 結局、試合は6−0で日本が圧勝。アジアカップ予選での成績を2勝1敗とした。

 3連戦の初戦を上々のスタートを切った岡田JAPAN。2日後のスコットランド戦は、香港戦のメンバーとは大幅に入れ替えが行なわれる。各選手はW杯本戦への切符を掴むためにも、少しでもアピールをしたい。熾烈なサバイバルレースは始まったばかり。これまでチャンスのなかった選手たちの奮起に期待したい。

(大山暁生)

<日本代表出場メンバー>

GK
西川周作
DF
中澤佑二
田中マルクス闘莉王
駒野友一
→徳永悠平(60分)
長友佑都
MF
遠藤保仁
長谷部誠
中村俊輔
大久保嘉人
→佐藤寿人(75分)
FW
玉田圭司
→松井大輔(33分)
岡崎慎司