14、18日の両日、各地で2010年南アフリカW杯出場権をかけたプレーオフが行なわれ、出場する32カ国が出揃った。12月4日にケープタウンで行なわれる抽選会で本大会でのグループリーグの組み合わせが決定する。そして半年後の2010年6月11日、アフリカ大陸で初めて行なわれるワールドカップがいよいよ開幕する。
 今大会の予選では激戦のヨーロッパで優勝経験のあるフランスやEURO2008ベスト4のポルトガルが苦戦を強いられプレーオフに回った。フランスは歴戦の強者アイルランドと対戦し、ホームアンドアウェー方式で行われた試合では2戦合計1−1で決着がつかず、延長戦にまでもつれ込んだ。

 それでも延長前半13分にフリーキックのチャンスからファーポストでティエリ・アンリ(バルセロナ)がゴール前に折り返し、それをウィリアム・ギャラス(アーセナル)がヘッドで押し込み決勝ゴールを奪った。残り時間でこのまま守り切ったフランスが辛くも本大会出場権を獲得した。しかし、このゴールはアンリがトラップをする際、ハンドを犯したようにも見え疑惑のゴールとなってしまった。今後も議論を巻き起こす火種となるだろう。

 ポルトガルは不動のエース、クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)を負傷で欠きながらもボスニア・ヘルツェゴビナを2戦合計2−0で下し本大会へ駒を進めた。そのほかヨーロッパではスロベニアとギリシャが、それぞれロシアとウクライナを下し南アフリカへの切符を手に入れた。

 アフリカ最終予選ではアルジェリアとエジプトが中立地のスーダンで行なわれた一発勝負のプレーオフに望み、アルジェリアが1−0で勝利、6大会ぶり3度目のW杯出場を決めた。

 32番目の席を争ったのは北中米カリブ海4位と南米5位の間で行なわれた大陸間プレーオフ。コスタリカとウルグアイの対戦はホームアンドアウェー方式の第2戦をホームで迎えたウルグアイが2戦合計2−1でコスタリカを振り切り最後のイスをもぎとった。

 出場国の顔ぶれをみると、実力国の予選敗退が少なく本大会でも数多くの好ゲームが期待できる。優勝経験のある7カ国は全て本大会に進出しており、最新のFIFAランキング上位25位のうち、20カ国が本大会の切符を手にした。ランキング40位の日本は出場国の中で27番目の位置にいる。ランキングは実力を完全に反映しているものではないが、世界での位置を把握するために参考にできる指標だ。

 全ての出場国が出揃い、組み合わせ抽選が行なわれるのは12月4日。32カ国を4つのポットに分け抽選が行なわれるが、日本が4番目のポットに入るのは確実。グループリーグ突破にむけ運命のくじ引きが行なわれるのは2週間後だ。


【2010年南アフリカW杯出場32カ国】(カッコ内は本大会出場回数)

<アフリカ>
南アフリカ(開催国・2大会ぶり3回目)
カメルーン(2大会ぶり6回目)
ナイジェリア(2大会ぶり4回目)
アルジェリア(6大会ぶり3回目)
ガーナ(2大会連続2回目)
コートジボワール(2大会連続2回目)
<ヨーロッパ>
デンマーク(2大会ぶり4回目)
スイス(2大会連続9回目)
スロバキア(初出場) ※チェコスロバキアとして8回出場
ドイツ(15大会連続17回目)
スペイン(9大会連続13回目)
イングランド(4大会連続13回目)
セルビア(初出場) ※セルビア・モンテネグロとして2回、ユーゴスラビアとして8回出場
イタリア(13大会連続17回目)
オランダ(2大会連続9回目)
フランス(3大会連続13回目)
ポルトガル(3大会連続5回目)
スロベニア(2大会ぶり2回目) ※ユーゴスラビアとして8回出場
ギリシャ(4大会ぶり2回目)
<アジア>
オーストラリア(2大会連続3回目)
日本(4大会連続4回目)
韓国(7大会連続8回目)
北朝鮮(11大会ぶり2回目)
<オセアニア>
ニュージーランド(7大会ぶり2回目)
<北中米カリブ海>
アメリカ(6大会連続9回目)
メキシコ(5大会連続14回目)
ホンジュラス(7大会ぶり2回目)
<南米>
ブラジル(19回連続19回目)
チリ(3大会ぶり8回目)
パラグアイ(4大会連続8回目)
アルゼンチン(10大会連続15回目)
ウルグアイ(2大会ぶり11回目)