25日、日本サッカー協会(JFA)は3月3日に豊田スタジアムで行なわれるAFCアジアカップバーレーン戦に出場する日本代表20名を発表した。南アフリカW杯前に国際Aマッチデーで行われる最後の試合には、ドイツ・ブンデスリーガでレギュラーを張る長谷部誠(ヴォルフスブルク)や欧州チャンピオンズリーグ(CL)デビューを果たした本田圭佑(CSKAモスクワ)、近々国内復帰が噂される中村俊輔(エスパニョール)らが招集された。先日の東アジア選手権を3位に終えた岡田ジャパンにとってバーレーン戦は勝利だけでなく、南アW杯本大会に向け展望の見える試合内容が要求される。
(写真:海外組を全員招集し、必勝体制で臨む岡田監督)
 2月に行なわれた国内4連戦で結果を残せなかった日本代表は、3月3日にバーレーンとアジアカップ予選を戦う。不甲斐ない戦いに終始した東アジア選手権とはメンバーも異なり、海外組5人も招集され現時点のベストメンバーで試合に臨むこととなる。岡田監督は「海外組と試合ができる最後の機会なので、彼らを優先したい」「すでに(バーレーン戦の)先発メンバーは頭の中にある」と会見で述べている。東アジア選手権では攻めの形ができなかった日本だが、攻撃陣を一気に入れ替える公算が高い。

 東アジア選手権を機に解任論が一気に高まった岡田監督。サッカー協会は続投を決断したが、監督にとって修羅場は続いている。本大会までの時間を考えると、バーレーン戦の結果による監督交代の可能性は極めて少ない。だが周知のとおり、現時点で岡田監督に対するサポーターの支持率は極めて低い。サポーターがバーレーン戦で求めているものは、勝利の二文字だけでなく、内容を伴った完勝だ。これ以上ホームゲームで醜態を見せるわけにはいかない。そうでなければ、サポーターからのブーイングは激しさを増すばかりだ。

 チームの内情ばかりを気にしていると、相手に足元をすくわれかねない。現・岡田体制ではバーレーンと南アW杯アジア3次予選・最終予選、アジアカップ予選で5回対戦しているが、成績は3勝2敗となっている。アウェーで2敗を喫しているだけでなく、ホームでの3次予選と最終予選でも1対0、僅差で薄氷を踏むような勝利だった。3次予選での決勝点は内田篤人(鹿島)のクロスボールがそのままゴールに吸い込まれており、最終予選では中村俊の直接FKのゴールを奪ったにすぎない。つまり、流れの中で相手を崩してゴールを決めたシーンは、2試合ともなかったのだ。東アジア選手権で求心力を失っているチームにとって、難しい相手と戦うことになる。

 なにかと暗いニュースの多い日本代表だが、昨日行なわれた欧州CL決勝トーナメント1回戦1stレグCSKAモスクワ対セビージャ戦で本田がCLデビューを果たしている。後半36分にベンチへ退いたものの、随所で存在感あふれるプレーを披露した。CSKAモスクワでの公式戦デビューについて、現地メディアの本田に対する評価は低くない。これは攻撃力不足が叫ばれる日本にとってもいい知らせだ。昨年のオランダ遠征では中村俊との併用について議論が起こったが、岡田監督は「“俊輔のサブ”というように言われるが、何度か一緒に使っている。(本田は)移籍してかなりアグレッシブに動けているので、大きな期待をしている」と話し、両者を共存させる腹積もりのようだ。中村憲剛(川崎F)が先日のアジアチャンピオンズリーグ城南一和戦で顔面を負傷し離脱している中、本田と中村俊の“競演”がチームの沈滞ムードを変えるか。ここがバーレーン戦最大の見どころになりそうだ。

<日本代表メンバー20人>

GK
楢崎正剛(名古屋グランパス)
川島永嗣(川崎フロンターレ)
DF
中澤佑二(横浜F・マリノス)
田中マルクス闘莉王(名古屋グランパス)
駒野友一(ジュビロ磐田)
今野泰幸(FC東京)
長友佑都(FC東京)
内田篤人(鹿島アントラーズ)
MF
中村俊輔(エスパニョール)
稲本潤一(川崎フロンターレ)
遠藤保仁(ガンバ大阪)
松井大輔(グルノーブル)
阿部勇樹(浦和レッズ)
長谷部誠(ヴォルフスブルク)
本田圭佑(CSKAモスクワ)
FW
玉田圭司(名古屋グランパス)
平山相太(FC東京)
岡崎慎司(清水エスパルス)
興梠慎三(鹿島アントラーズ)
森本貴幸(カターニャ)

<アジアカップ2011予選>
◇3月3日(水)
日本代表 × バーレーン代表
豊田スタジアム(愛知)