この7月で、とうとう35歳を迎えました。30代になったのも、つい、この前のような気がしますが、時の流れは川の水のごとし。ゆるやかでも確実に流れていきます。気づけば、もう30代も折り返しです。

 小さい頃、35歳といえば、随分な大人に感じたものでした。友だちのお父さん、お母さんは皆、35歳前後。そう考えると、勝手気ままな独身貴族(?)の僕はかなり幼稚に映ってしまいます。

 孔子の論語には「三十にして立ち」との文言が出てきますが、実感としては、とても「自立」した大人と感じません。中身は子どものまま、年齢だけを重ねている感覚です。

 ちなみに編集長は35歳の時、何をしていたのでしょうか。編集長が35歳だった1995年は、野茂英雄投手がメジャーリーグに挑戦した年。野茂投手を追いかけて、米国で取材した思い出話は、よく編集長から耳にします。

 国内外の偉人の35歳を調べていくと、作曲家のモーツァルト、新撰組の土方歳三や作家の芥川龍之介は、この年齢で亡くなっています。それぞれ病死、戦死、自殺とはいえ、人生は決して長くないことも実感させられる事例です。

 35歳になったから、というわけではないでしょうが、体調の変化も感じる今日この頃です。20代とは心も体も変わっていきます。少し前までは、年齢に抗うことを意識していましたが、最近は、受け入れて前に進むことも大事だと考えるようになってきました。

 30代が終わる2020年の夏、東京はオリンピック、パラリンピックで大いに盛り上がっていることでしょう。40歳までに自分は何ができるのか。きっちりプランを立てなければ、これまでがそうだったように、5年なんて、瞬く間に過ぎてしまう気がします。

 それこそ白紙になった新国立競技場の建設計画のごとく、5年で何もできない可能性だってあるわけです。“アンビルドのI”などと揶揄されないよう、35歳の地図をしっかりと描き、1日1日を大切に、仕事に邁進したいと思っています。

(H.I)
◎バックナンバーはこちらから