今月の「SPORTS COMMUNICATIONS」のコーナー、「この人と飲みたい」では女優の吉田羊さんをゲストにお招きしました。

 月9ドラマ『HERO』でも女性検事・馬場礼子役で話題を集め、この10月からはバラエティー番組の司会を務めるなど、今の吉田さんは、まさに売れっ子。翌日には早朝から13ページに及ぶセリフがあるドラマの収録がある中、自由が丘の吉田さん行きつけのお店で収録が始まりました。

 個人的には吉田さんは、僕に「朝ドラを観る」という習慣を植え付けてくれた女優さんです。2年前のNHK朝ドラ「純と愛」で、夏菜さん演じる純が勤めるホテルで教育係を務めていたのが吉田さん扮する桐野富士子。朝ドラとは思えない波乱万丈の設定と登場人物のキャラクターの濃さに、最初に偶然、テレビで観た時には「どこの局のドラマだ?」と驚いたことを思い出します。

 ところが、それが朝ドラと知って興味を持ち、観続けているうちに、すっかり視聴習慣がつき(といっても朝は弱いので、録画して夜中に観るのですが……)、その後の『あまちゃん』『ごちそうさん』『花子とアン』、そして今の『マッサン』まで、ほぼ欠かさずチェックするようになりました。

 吉田さんは、この2カ月でドラマや映画で5つものの役を演じていたそうです。演じるといっても、ただ単にセリフを覚えて動けばいいはずはなく、それぞれの役と一体化しなければ観る側も感情移入できません。

 素人の僕が言うのもなんですが、いわば、5つの人生を同時並行で経験するようなものでしょう。ご本人も「ものすごく大変だった」と話していましたが、頭や心がきちんと整理できていないと絶対に不可能です。

「どうやってセリフを覚えるんですか」
 僕の素朴な疑問(編集長からは「くだらないぞ、そんな質問!」とツッコミを入れられましたが(苦笑))にも、吉田さんは「う~ん」と考えて、「なるほど!」という答えを返してもらいました(この答えは「この人と飲みたい」の後編で紹介予定ですので、お楽しみに)。

「吉田さんは話していても、すごく頭の回転が速いよね。だから、いろいろな役も演じ分けられるんじゃないかな」
 初対面ながらトークは大いに盛り上がり、すっかり編集長も吉田さんのファンになったようです(ちなみに吉田羊さんのファンは、“ヒツジスト”と呼ばれているとか) 。

 ちなみに最初、吉田羊という名前は完全なる芸名と思っていたのですが、実は本名が吉田羊右子だとか。右と子をとって、吉田羊というわけです。

「ある先輩によると、吉田羊という名前は、すべての文字がシンメトリーで左右対称なので運気が上がるそうです。三谷幸喜さん、中井貴一さんもシンメトリーの名前なので、今になってみれば、この芸名にしたことでいろいろなお仕事をいただいて、人生が拓けてきたのかなと感じます」

 こうご本人は語っていました。そう言えば、編集長も名字の二宮はシンメトリー。この説に従えば、運気がいい名字となるのでしょうか。

 翻って僕は、名字も名前もアンシンメトリー。だから肝心なところでミスをしたり、幸運が巡ってこないのかもしれません。確かに金運も結婚運もまるでなし。名前にシンメトリーな漢字をなんとか当てはめようとしても、ものすごくヘンテコな文字の羅列になりました(苦笑)。どう頑張っても運気向上は望み薄のようです。

「まぁ、運も実力のうちって言うからなぁ」
 編集長の鋭い一言が、冷たくなった秋風のごとく身にしみる霜月の夜でした。

(スタッフI)
◎バックナンバーはこちらから