今年4月、5月に行われる国際親善試合「キリンチャレンジカップ2010」の大会概要が22日、発表された。日本代表は4月7日(水)にセルビア代表と大阪・長居スタジアムで、5月24日(月)に韓国とさいたまスタジアム2002で対戦する。またW杯直前となる欧州合宿の期間中、5月30日(日)にイングランド代表と6月4日(金)にはコートジボワール代表との国際親善試合が組まれることも発表された。
(写真:解任はなく本大会まで指揮を執る岡田監督(右)。チーム立て直しは急務だ。奥は犬飼JFA会長)
 キリンチャレンジカップでの2試合と直前合宿で対戦する2試合はいずれもW杯本大会に出場する国との戦いとなる。

 4月に大阪で対戦するセルビアは、W杯欧州最終予選G組で、フランスを抑え首位通過を果たした強国だ。FIFAランキングは19位で、40位の日本からすれば完全に格上の相手だ。国際Aマッチデーではない4月7日の試合に、ヨーロッパの強豪が来日する陰には、ドラガン・ストイコビッチ名古屋グランパス監督の存在がある。旧ユーゴスラビアの英雄である同氏は、分裂前のセルビア・モンテネグロサッカー協会を務めるほどの実力者だ。彼が日本とのパイプ役となり、今回のマッチメイクを実現させた。「国際Aマッチデーではないが、契約ではできる限りのベストメンバーで来日することになっている」と犬飼会長が念を押したように、ネマニャ・ビディッチ(マンチェスター・ユナイテッド)、デヤン・スタンコビッチ(インテル・ミラノ)というビッグネームの来日は叶わなくとも、欧州のトップリーグで活躍するタレントが多数やってくる公算がある。

 5月の韓国戦は先日の東アジア選手権で1対3と惨敗した相手とのリターンマッチになる。この頃にはW杯に出場する23名が決定しており、W杯前の国内壮行試合ともなる予定だ。岡田監督は「結果も内容も問われる一戦。本番を見据えた試合になる。いい形でスイス合宿に入れるようにしたい」と、韓国戦への意気込みを語った。

 直前合宿のテストマッチで胸を借りる相手はイングランドとコートジボワール。イングランドは今大会でも屈指の強国であり、優勝候補の一角だ。岡田監督は「W杯に出場する国の中でも1stランクの国。何かを試すということではなく、手応えのある試合を」とイングランド戦についてコメントし、さらにコートジボワール戦については「カメルーンに似て身体能力の高い国。(ディディエ・)ドログバという超一流のセンターFWがおり、カメルーン戦に向けいいシミュレーションとなる」と話した。

 3月3日のバーレーン戦、4月のセルビア戦の後、本大会へ出場する日本代表23名が決定する。「この2試合トータルでテストし、メンバーを選考したい。ホームでの試合なのでもちろん勝ちに行く」と岡田監督は宣言している。特にバーレーン戦は国際Aマッチデーに指定されており、代表チームに選手を招集する権利が保証されている。そこで森本貴幸(カターニャ)や長谷部誠(ヴォルフスブルク)、本田圭佑(CSKAモスクワ)らが最終テストを受けることになる。

 また、国内組をメインに戦う可能性が高いセルビア戦では岡田監督は「国内でチームに勢いを与えてくれる選手が出てきてくれたら」とも口にした。これまでチームコンセプトを理解した者を優先する姿勢を崩さなかった岡田監督。固定したメンバーを重用してきたが、現在のチーム状況を見るにつけ、方針転換を余儀なくされているのだろう。現在、日本代表はドン底の状況にある。この沈滞ムードを払拭できる勢いのある若手や経験豊富なベテランが岡田ジャパンに新鮮な空気を吹き込むことを期待したい。

<アジアカップ2011予選>
◇3月3日(水)
日本代表 × バーレーン代表
豊田スタジアム(愛知)

<キリンチャレンジカップ2010>
◇4月7日(水)
日本代表 × セルビア代表
長居スタジアム(大阪)

◇5月24日(月)
日本代表 × 韓国代表
埼玉スタジアム2002

<国際親善試合>
◇5月30日(日)
イングランド代表 × 日本代表
場所未定(オーストリア)

◇6月4日(金)
日本代表 × コートジボワール代表
場所未定(スイス)