29日、日本サッカー協会(JFA)は4月7日に長居スタジアムで行なわれるキリンチャレンジカップセルビア戦に出場する日本代表20名を発表した。南アフリカW杯メンバー発表前に行われる最後の試合では、中村俊輔(横浜FM)や玉田圭司(名古屋)などこれまで岡田ジャパンを支えたメンバーに加え、2008年8月以来の代表復帰となる山瀬功治(横浜FM)や、若手の永井謙佑(福岡大)らが選出された。4月7日は国際Aマッチデーに指定されておらず、海外組の招集はなく、国内組の最後のアピールの場になる。
(写真:W杯前の国内戦は2試合。岡田監督は結果を出すことができるか)
 W杯前に行なわれる国内の代表戦は残り2試合。そのうちのひとつ、4月7日のセルビア戦のメンバーが発表された。メンバー20名の発表に際し岡田武史監督は「これまでベースアップしてきたチームに、その時々の状況でプラスアルファを加えることのできる選手を試す。さらに、これまでチャンスのなかった選手を呼ぶことにした」と選出のポイントを2点挙げた。

 20名の中には負傷でアピール機会の少なかった石川直宏(FC東京)や、第2期岡田ジャパンで監督就任当初から主力としてプレーしていた山瀬らの名前があったものの、最も驚きを持って迎えられたのはFWの永井だろう。ヴィッセル神戸の特別指定選手で福岡大学に所属する21歳の招集は今年1月のイエメン戦以来2度目だが、2カ月後に本大会を控える重要な時期での招集。それだけに指揮官の期待は小さくないはずだ。そのままW杯行きの切符を掴む可能性もある。永井の招集について岡田監督は「現時点で彼に90分間働くことを要求するのは難しい。しかし、残り10分の場面ならば彼の抜群のスピードがいかせるのではと考えている」とコメントした。

 また、田中マルクス闘莉王(名古屋)の代わりに招集された栗原勇蔵(横浜FM)について「マリノスの監督時代から知っている選手で、ジャンプ力やスピードは世界に通用するものを以前から持っていた。ポジショニングの部分で問題があったが改善されてきた。組織で戦うことを目指しているが、最後は個の部分でも勝たなければいけない。その点でも栗原は優れている」と招集した理由を口にした。

 岡田監督は「現時点で(23名の本大会出場選手について)70%近くは固まっている」と話している。これまでの実績から海外組のメンバーはほぼ決定しているはず。残り30%の枠内で国内選手が競争を繰り広げるのはチームの底上げにつながる。久々の復帰となる山瀬や大抜擢ともいえる永井の存在が、代表に新たな風を送り込むことができるか。

 7日に戦うセルビアは欧州予選でフランスを退けグループ1位通過を果たした強国だが、欧州主要リーグで戦う主力メンバーを欠くことになる。とはいえ、フィジカルの強い相手にどこまで岡田監督の考えるサッカーが通用するかを試す絶好の機会となる。南アフリカ行きの切符を掴むことができるのは23名。熾烈なサバイバルがいよいよ佳境を迎える。


<日本代表メンバー20人>

GK
楢崎正剛(名古屋グランパス)
川島永嗣(川崎フロンターレ)
DF
中澤佑二(横浜F・マリノス)
駒野友一(ジュビロ磐田)
今野泰幸(FC東京)
栗原勇蔵(横浜F・マリノス)
徳永悠平(FC東京)
長友佑都(FC東京)
内田篤人(鹿島アントラーズ)
MF
中村俊輔(横浜F・マリノス)
稲本潤一(川崎フロンターレ)
遠藤保仁(ガンバ大阪)
石川直宏(FC東京)
阿部勇樹(浦和レッズ)
山瀬功治(横浜F・マリノス)
FW
玉田圭司(名古屋グランパス)
矢野貴章(アルビレックス新潟)
岡崎慎司(清水エスパルス)
永井謙佑(福岡大学)

<キリンチャレンジカップ2010>
◇4月7日(水)
日本代表 × セルビア代表
長居スタジアム(大阪)